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短編小説とか妄想小説

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突然浮かぶ妄想の世界をとらえて文字にしています。
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2019年10月の記事一覧

いま、君の街だよ

「いま、キミの街にきているよ」 超多忙な彼から珍しいメッセージが入る。 夏の間はずっとベトナムのホーチミン 先週はボストンにいたはずだ。 そこまでは把握していた。 地球の裏側のブラジルにいようが 拠点の渋谷区にいようが どこにいても、なかなか会えることはないから 居場所は特に気にしなくなっていた。 そんな彼がいま、私の街にいる。 そのメッセージはつまり 「会えるよ」というニュアンスだ。 長年付き合っているうちに 言葉少なめな文章の中から 気持ちを汲み取ることができるよ