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子どもの頃、僕は犬が怖かった。 必要以上に怖がるからかもしれないけれど、 犬のそばを通ると必ずと言っていいほど吠えられまくった。 僕のことが嫌いなんだ。 だから僕も犬のことが好きじゃなかった。 祖父母の家に遊びに行った時のことだ。 生まれたばかりの小さな子犬がいた。 子犬は愛くるしい様子で、僕は初めて吠えられなかった。 僕の手にからみつては、無邪気に笑っているみたいだった。 その子犬を連れて、散歩してみたくなった。 庭の物置小屋で見つけたペンキの空き缶に 子犬をそっと入れ