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【付録1 ~Audacity を使う場合~】バンブラPの楽曲を録音・動画化する

A. 本記事について

 本記事では、「その1・録音編」で記述したやり方ではうまくいかない場合の代替手段として「Audacity」での録音・後処理方法を紹介しています。

 用意するものと配線のしかたは「その1・録音編」とだいたい同じなので省略します。


D. 録音時の操作 (Audacity)

1. オーディオ設定

 オーディオインターフェイスを接続してから Audacity を起動します。
 起動したら「オーディオ設定→録音デバイス」にて「マイク (USB Audio codec)」を選択します。
※表示名は環境により異なります。

Audacity 起動時の画面の一部。「オーディオ設定」のプルダウンメニューが開かれ、「録音デバイス(R)」の「マイク (USB Audio CODEC)」が選択されている。
赤下線の項目を選択

 「オーディオ環境設定」をクリックするとステレオ/モノラル、サンプリング周波数、ビット深度を設定できます。使用するオーディオインターフェイスに合わせて設定します。

Audacity のオーディオ環境設定のダイアログ。インターフェイス・再生・労音・品質・レイテンシの項目に分かれており、それぞれに対して1~3個の設定可能な項目が存在する。
各表示は環境により異なります

2. 3DS側の準備

 「その1・録音編」の「D-6. 3DS・バンブラP側の準備」と同様に準備します。

3. 録音開始

 準備ができたら録音ボタンをクリックして録音を開始、その後バンブラP側の再生ボタンをタッチして楽曲を再生します。再生終了後、停止ボタンをクリックして録音を終了します。
 この際、前後どちらかに2~3秒(できれば4~5秒)の無音部分を作っておきます。この部分は後述するノイズ処理のプロファイル取得に使用します。

録音終了後の Audacity ウィンドウの画像。
録音終了時はこんな感じ

※録音中はプツッというノイズの発生を防ぐため、できるだけ3DSやケーブルに触れないことをおすすめします。

※Audacity での録音終了は録音ボタンではなく停止ボタンです。

 録音が終了した時点で、データを一度保存しておくとよいでしょう。
 「ファイル→保存(S)→保存(S)」(または Ctrl+S)でプロジェクトファイル(.aup3 形式)として、「ファイル→エクスポート→(ファイル形式)としてエクスポート…」で音声ファイルとして保存できます。

Audacity のウィンドウの左上部分の画像。「ファイル」のメニューが開かれ、「保存(S) → 保存(S)」が選択されている。
プロジェクトファイルとしての保存はここ

E. 録音後の処理

0. ファイルの読み込み

 録音終了後に一度中断した場合や、「その1・録音編」でノイズ処理がうまくいかなかった場合、処理を行いたい音声ファイルを読み込みます。
 音声ファイル、プロジェクトファイルともに「ファイル→開く(O)…」(または Ctrl+O)から読み込みが可能です。

Audacity のウィンドウの左上部分の画像。「ファイル」のメニューが開かれており、「開く(O)…」に赤い下線が引かれている。

1. ノーマライズ

 録音した(または読み込んだ)波形を Ctrl+A で全選択してから「エフェクト→ノーマライズ」を選択すると、ノーマライズ用のダイアログが出てきます。

波形を選択せずにノーマライズをしようとしたときに出るダイアログの画像。「オーディオが選択されていません」というタイトルのダイアログに「ノーマライズ(Z) に利用するオーディオを選択して(例えば Ctrl+A ですべてを選択)やり直してください。」と書いてある。
何も選択していないとつっこまれます
Audacity のウィンドウの一部。録音した波形の前にノーマライズ用のダイアログが出ている。
ノーマライズのダイアログ
選択した部分は背景が明るくなる

 「DCオフセットを除去」と「最大振幅をノーマライズ」にチェックを入れ、「最大振幅をノーマライズ」の数値を「-0.0 dB」に設定して「適用」をクリックするとノーマライズが行われます。

ノーマライズ後の波形の画像。1.7秒ごろにある振幅の最大部分が 0db になっている。
大きくなりました

2. ノイズ処理

 表示されている波形の適当な場所をクリックし、全選択をいったん解除します。
 波形の内、録音時に用意した無音部分をドラッグで選択してから「エフェクト→ノイズを低減」を選択するとノイズ低減処理用のダイアログが表示されます。

Audacity ウィンドウの一部。波形の内、末尾の無音部分が選択されて背景色が明るくなっている。
無音部分を選択して
Audacity ウィンドウの一部。「エフェクト」プルダウンメニューが開かれている。メニューのうち「エフェクト」が赤丸で囲われており、プルダウンメニューの「ノイズを低減(N)…」に赤い下線が引かれている。
「エフェクト」→「ノイズを低減」

 「ノイズプロファイルを取得」をクリックしてノイズプロファイルを取得します。

Audacity の機能「ノイズを低減」のダイアログの画像。「ノイズプロファイルを取得」ボタンが赤い丸で囲われている。
まずはノイズプロファイルを取得

 ノイズプロファイルの取得後に Ctrl+A で波形を全選択し、もう一度「エフェクト→ノイズを低減」を選択します。
 「ノイズ低減」「感度」「周波数平滑化」をノイズが消える最小限の値に調整し、チェックを「低減」に入れてから「OK」をクリックするとノイズ処理が行われます。

「ノイズを低減」のダイアログ。ノイズ処理の設定用の値「ノイズ低減(dB)(N)」、「感度(S)」「周波数平滑化(バンド)(F)」が黄色い線で囲われている。また、「ノイズ: 低減(D)」と OK ボタンが赤い丸で囲われている。
チェックが「低減」に入っていることの確認をお忘れなく

※適切なパラメータの探し方について。
 楽曲によって音量が異なるためにノーマライズ後のノイズの大きさも異なってきます。この都合上、どういう設定が良いとは一概に言いにくいです。
 方法の一例を以下に記します。
・無音部分を選択したまま「ノイズを低減」を開始
・「周波数平滑化」は0に設定
・「感度」を最大値(24)に設定して「ノイズ低減」を最大値から少しずつ下げていき、右上の音量レベルが動かない最小限の値を探す
・「ノイズ低減」の値を固定して「感度」の最小限の値を同様に探す
・適切な数値の組み合わせをメモ帳などに記録して一度ダイアログを閉じ、Ctrl+A で全選択してから「ノイズを低減」を開始して数値を入力し、チェックを「低減」に入れてから「OK」をクリック

3. 出だしと終わりの無音部分を除去する

 該当部分を選択して Del キーを押せば、選択した部分を削除します。

Audacity ウィンドウの波形部分の画像。9.0秒から末尾までが選択されている。
このように選択して Del
Audacity ウィンドウの波形部分の画像。1つ前の画像で選択されていた部分が削除されている。
消えました

※細かく指定したい場合、ウィンドウ下部にある「選択範囲」に範囲を数値で入力して「編集→削除」でも削除できます。

4. 保存

「ファイル→エクスポート→(ファイル形式)としてエクスポート…」で音声ファイルとして保存します。

Audacity ウィンドウの左上部分。「ファイル」のプルダウンメニューが開かれており、「エクスポート(E)」に赤下線が引かれている。
お好きな形式でどうぞ

※音声ファイルとしての保存時、メタデータ編集のダイアログが表示されます。そのまま OK を押しても問題ありません。使用用途に応じて編集すると良いでしょう。

F. 参考文献

Audacity マニュアル内: Noise Reduction


G. 案内

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H. 更新履歴

2023/09/02 公開

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