【ファンタジー小説】サンダーコレクター18
「るなちゃん聞いてよ!ペッパーに辞めたいっていったらさ、無理って。アプリも退会の項目なくて、政府に問い合わせしたんだよ。今回答待ち!」
オンラインゲームをしていたら、バルたんが伝えてきた。
辞めれない?どういうこと?
じゃあ一生このアプリで雷を集める活動をしなければならないってこと?
簡単に登録してしまったことを後悔したし、恐怖に感じてしまった。
「ニャックは辞めれないこと知っていたの?」
「え?知ってたというかー。まあ、後から知ったというか。」
ニャックに尋ねるとこう返ってきた。
やましいと思っているのか、目を伏せがちに片足はで石を蹴るような仕草をしながら。
手で頭搔いている。
人間らしい仕草をする。
まったく。
「なんで先に教えてくれなかったの?」
「いやーだってさー、教えても登録してる時点で教えても仕方ないじゃん?るなちゃんそんなに怒らないでよー!!!」
心なしか口をすぼめている。両手をグーにして、身を乗り出してこっちを見ている。
こどもかよ。
今日からルーキー戦がはじまる。
メーターだけでなく、ランキングもつくらしい。
所定の要項を満たすと、様々なメリットがつくらしい。
今回のルーキー戦はコレクターさんたちの共有する情報のなかに私の情報の特集が組まれるということだった。
特集によってより多くのコレクターさんが集まるという話だ。
そうすることによって、ランクアップに繋がるということだった。
よき顧客を見つけてこいってことか。
ルーキー戦は、100時間のうちのスコアを競うということだった。
すでに始まっており、様子を見ようとすでにハンティングが終わっているひとのアーカイブをみることになった。
ランキングになっている。数値も一緒になっている。
顔写真がアイコンになっている。
そこから、アーカイブにいきつくことも出来るようだ。
その中で気になる女性がいた。
アーカイブを見てみる。っている
ボブカットの柔らかそうな印象の女の子だ。
ビニール傘にパンダのシールを貼っている。
肩にはニャックのような物体がいる。
なんだかパンダみたいな見た目。
白と黒を基調にしている。
かわいらしい感じだ。
お互いで話しながらくすくすとしている様子が見える。
親子ペアの関係や組み合わせも違うんだなと感じた。
ハンティングの様子も、優しい。
穏やかだ。
ルーキー戦というけれど、争っているような雰囲気でもない。
でも盛り上がっていないわけでもない。
白熱、熱中、没入。
その世界に入り込んでいるときにだけに聞こえる音、見える残像。
見入っていると、ニャックが問いかけきた。
「やけに見入っているやん。気になるの?この子の親知り合いだから、連絡とってみようか?」
親を介してだったら、連絡が取れるのか。
「お願い!話してみたい!」
思わずお願いしてしまった。
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