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弾丸函館旅行記

「北海道にいるうちに何かしないと」

そんな思いに駆られ、美味いものを食べに急遽、函館へ行くことにした。
お金はかかるが、他の地域から来る際はもっとかかると思えばこそ。
なによりある程度思い切ったことをしないと、もやもやした気持ちを残すことになると京都からの引っ越しで知っている。
とはいえ、あれをしておけばよかった、ここに行っておけばよかったというのはあとからあとから出てくるので、完全に後悔をなくすことはできまいが。

札幌からバスで5時間と少しの移動。
とても同じ自治体内の移動とは思えないスケールだ。
都府県と道を等位接続詞的に並べておいてよいものかと改めて思う。
往路の天気は雪で50m以上先はもうまったく見えない。

5時間バスに揺られてようやく函館に到着。
駅では親子でブリッジしているようなオブジェが迎えてくれた。
とんでもなく風が強く足元も凍っているため、慎重に歩く。
調べると風雪・大雪注意報が出ていた。
しかしそれ以上に空腹が辛く、ローカルのバーガーチェーン『ラッキーピエロ』へ急ぐ。
少しレトロな内装の店。
カウンターでメニュー表を見る。
チャイニーズチキンバーガーと函館バーガー、そしてとことんジャンキーにしたかったのでヨーグルトシェイクも注文。
注文を済ませると、注文番号の書かれた紙を渡される。
好きな席に着いたら、テーブルの番号をその紙に記入しカウンターに持って行くことで店員さんが席まで品を届けてくれるシステムらしい。
チャイニーズチキンバーガーは甘辛ダレを絡めた唐揚げとレタスのバーガー
新鮮で瑞々しいレタスとチキン、そしてゴマたっぷりのバンズの風味がマッチしていて、美味しさがDNAまで素早く伝わる。
思わずにやけてしまうほどで、他の客に気持ち悪がられていただろう。
函館バーガーはパティとチーズにカレー風味のソース、さらに付け合わせでポテトとオニオンリングがついている。
二切れのオニオンリングが無性に嬉しかった。
こちらはナイフとフォークがついていたので、行儀良く一口ずつ切り分けて食べた。
ポテトをバーガーの溢れたソースにつけて食べるとこれがまた美味い。
2千円しない価格でこの美味しさはすごい。
お腹を落ち着かせるために朝市の店や埠頭あたりを軽く散策し、ホテルへ。
その日はそのまま就寝した。

翌日、朝から市電に乗ってパンを買いに行く計画だったが、前日に引き続きとんでもない雪と風だった。
ホテルから電停への10分程度の道のりですっかりイエティになってしまった。
十字街で降り、Pain屋でクロワッサンとその他いくつかパンを購入。
道中缶コーヒーを自販機で買って、ホテルへ戻る。
クロワッサンは焼きたてで表面パリパリ。
一層一層が薄く、軽い印象、豊かなバターの香り。
チェックアウト時刻ギリギリにホテルを出て、バスで函館市中央図書館へ向かう。
ゆっくり読書でもと思っていたのだが、入口が閉まっている。
休館日だったらしい。
しまった。

向かいの五稜郭を見にいくことにした。
石垣に松、とくると京都の御所を思い出す。
白と暗い緑が美しい。
思っていたよりも狭く、意外とはやく通り抜けてしまった。
美術館で昼飯までの時間を過ごす。

正午、ネットで評判の良かった梅乃寿司へ向かう。
カウンターの前にネタがレイアウトされていて三人の大将が直接客の注文を受けて握っている。
いわゆる回らないお寿司屋さん。
緊張しながらお任せで10貫頼む。
小皿などはなく、塩・醤油などで味付けされた状態で一貫一貫眼の前に出てくる。
こう調理したこういうネタですといって大将が説明してくれるが、ほとんど訳も分からぬまま口に放り込む。
うまい。
特に寿司を塩で食べると言うのが初めてで、いたく感動した。
脂が少なく締まった身の魚は塩の方が美味しいっぽい。
その後さわら・アナゴ・ボタンエビを追加で注文し、おあいそ。
6500円、ひえー。

気持ちの良い程よい満腹感で函館駅へ。
そして往路と同じくバスで札幌へ帰る。
正直5時間バスはしんどい。
三列シートですらしんどいのだから、もう次からは素直に電車を使おう。

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