それが恋だった。思い出した。
文章はふたつに分けられると思う。
ひとつ、一度読めばそれで役目を果たしてしまう文章。
ひとつ、何度も読み返してしまいたくなる文章。
吉本ばななさんの小説の一節で、思わず何度も読み返してしまいたくなる文章に出会った。
本当はただたださわりたくて、キスしたくて、抱きたくて、少しでも近くに行きたくてたまらなくて一方的にでもなんでも、涙がでるほどしたくて、今すぐ、その人とだけ、その人じゃなければ嫌だ。それが恋だった。思い出した。/ 吉本ばなな「とかげ」
衝動、疾走感、もどかしさ、全てが詰め込まれたような、そんな文章。句読点のひとつですら心情を表す装飾として使われているなんて。
使い捨ての言葉じゃなくて、ずっとずっと心の奥に居座り続けてくれるような、そういう言葉と一緒にいたい。
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