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【後編】プロ野球の暗黒時代まとめ【横浜・オリックス・中日】

暗黒時代とは…
リーグ制のプロスポーツにおいて使われる言葉であり、数年~数十年にわたってリーグ最下位などチームが低迷している時期

今回は、プロ野球で壮絶な暗黒時代を経験した7球団を調査します。
前編に続き、今回は平成後期〜令和に球団史に残る暗黒時代を経験した3球団についてです。


暗黒横浜  (2002〜2015)

まずは横浜。プロ野球なのに、練習でサッカーをしていた頃の横浜です。

暗黒時代のスタンドの様子です。当時はTBSからDeNAへ身売りが囁かれており、あまりの弱さから多くのファンが愛想を尽かして、球場へ来なくなってしまいました。

暗黒横浜のここがヤバイ!
・プロ野球史上初 3 年連続90敗以上(2008〜2010)
・TBS10年間で最下位8回
・5 年連続最下位

横浜の暗黒時代

1998年の日本一から、佐々木主浩や谷繁、Rローズの退団が相次ぎ、親会社がTBSへ変わったタイミングで暗黒時代が到来します。2002年〜2015年にかけて最下位が十度90敗以上が四度と圧倒的な暗黒度を誇っています。

当時の主力選手
・野手:内川聖一(08年 首位打者)
    村田修一(07〜08年 本塁打王)
・投手:三浦大輔(05年 最優秀防御率)

内川選手は 2008年 打率.378首位打者に輝きますが、この年の横浜の勝率は .327。プロ野球史上初の 所属選手の打率が チーム勝率を上回る という、チームとしては不名誉な記録を残してしまいました。

暗黒時代を招いた原因
TBSによる長期的な視点を持たない球団運営
・TBS内部派閥の分裂
・腐敗する組織と現場への伝染
・ポスティングやFAによる選手流出

横浜の暗黒期は2002〜2004年の投手補強失敗が続く初期から、2008〜2011年の全てにおいて腐敗していた末期に分類できます。いずれもTBS内部の球団分裂に伴い、現場が混乱してしまい、勝利と育成に専念できる環境が失われていました。

暗黒時代からの脱却
・TBSからDeNAへの球団譲渡
・球団運営に関するデータのデジタル化
・ファンを意識した球団広報とプロモーション

2011年、腐敗しきったTBS横浜をDeNAが買収し、球団の再建がスタートします。見捨てられた球団への客足を増やすため、巨人のスター選手だった中畑清を監督に据え、現代に合ったブランディング戦略を意識した球団を目指します。その結果、現在では暗黒時代の二倍以上の観客を取り戻します。

その後
・2017年 日本シリーズ進出
・そして、Aクラス常連軍団へ…
・2016年以降、五度のAクラス

暗黒オリックス  (2002〜2020)

負けすぎて、球団マスコットが自虐ネタに走っていた頃のオリックスです。

ダイエーに29-1という歴史的なスコアで敗れた伝説の試合。オリックスはこの1週間で101失点を喫してしてしまいました。

暗黒オリックスのここがヤバイ!
・プロ野球史上最悪 球団防御率 5.95 927失点(2003)
・20年間で最下位10回 Bクラス18回
・近鉄を吸収合併  (2005)

オリックスの暗黒時代

90年代にイチローや田口壮、仰木監督を擁したオリックスも2001年の時点で選手流出が止まらず、2002年に最下位になります。

当時の主力選手
・野手:T-岡田(10年 本塁打王)
    谷佳知(03年 最多安打)
・投手:金子千尋(14年 沢村賞 最優秀防御率)

2002年 リーグ最優秀防御率TOP2は同じオリックスの 金田政彦投手 防御率2.50 と具投手 防御率 2.52 でした。しかし、金田投手は 4勝9敗、具投手は 5勝7敗 と、二人ともなぜか負け越しています。

暗黒時代を招いた原因
長期的な視点を持たない監督交代劇と球団運営
・近鉄vs青波の球団内派閥の分裂
・ポスティングやFAによる選手流出

2000年代の合併初期が青波vs近鉄、2010年代は上層部vs現場と球団内で常に派閥争いが発生していたと聞きます。

暗黒時代からの脱却
・2015年頃から二軍球場の設備を充実化
・長期的な視点を立て主に投手ドラフトに成功
・中嶋監督の就任

当時神戸に二軍球場がありましたが、より設備が充実した舞洲へ移転。移転後の選手が次々と成長し、山本由伸を筆頭に2023年現在では主戦力となっています。

その後
・リーグ優勝三連覇(2021年〜2023年)
・日本一(2022年)
・若い女性を中心に若年層のファンが増加

暗黒中日 (2013〜)

監督が選手に米を禁止していた頃の中日です。
令和なのに昭和っぽいエピソードばかりです。

暗黒中日のここがヤバイ!
・現在進行形である
・11年連続 CS不出場
・33イニング連続無得点 (2023)

中日の暗黒時代

12球団屈指の名門・中日も堕ちるところまで堕ちてしまいました。ちなみに2020年はAクラスですが、CSが無かったため、11年連続でCS不出場です。

当時の主力選手
・野手:ビシエド(18年 首位打者)
・投手:大野雄大(20年 沢村賞 最優秀防御率)
    柳裕也(21年 最優秀防御率)

2023年現在、柳投手は防御率2.44で11敗という異次元の暗黒エースぶりを発揮しています。この年、大野投手の完全試合未遂、柳投手のノーノー未遂がありました。

暗黒時代を招いた原因
・親会社 中日新聞の資金力不足
・球団内の派閥争い
・野手育成

時代についていけていない中日新聞がファンからあらゆるヘイトを買っています。中日新聞は名古屋財界と癒着が激しい分、将来的な身売りも考えられるのか、今後の注目です。

現在
・球団史上初の二年連続最下位
・球団最多の被完封数を記録
・球団以上最悪の暗黒時代の真っ只中

中日ファンに伝えたいのは、「どんな弱小球団もいずれは光が差す」といういうことです。平成に暗黒時代を迎えた阪神・ロッテ・広島・横浜・オリックス。しかし五球団ともファン増加と日本シリーズ出場を叶えています。

弱小チームが強くなっていく経緯を見れるほど面白いことはありません。

PS:横浜は早く優勝して


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