見出し画像

AIについて薄く技術・ビジネス・社会の側面から触れる本

2018年初版の本で情報としては古いはと思ったが、書いている内容の本質はそう簡単に変わらないだろう、と思い読破。単純にKindle unlimitedで読み放題だったので手に取った。

結論・感想

「社会システムの問題が AIの強みにマッチしてるか」を知るには AIの特徴を学ぶ必要があり、この本はその望みを叶えてくれる。

AIの技術や活用ビジネス、社会を中心とした幅広い思考を吸収できる。ITエンジニアやAIベンダーに加えて、ユーザー企業でAI導入チームを任された人が読むと良い本。

要点1「AIが人間の弱点を補完する」

著書ではAIを実社会に応用した事例がいくつも紹介されている。人間の弱点をAIが補完できる特徴を具体例を交えながら、二つに分けて説明する。

高度化「人の能力では発見困難な規則や現象を見つけ出す」
・医療画像診断より人力では発見しにくい腫瘍の検出
・膨大な論文から診断結果から該当する病気の提案
・創薬開発におけるリード化合物の探索
(有効な化合物を膨大な可能性から探索)

高速化「処理に要する時間を短縮する」
・最適な結果を得る為の膨大な実験の効率化
(結果より特徴を学習→実験の最適化と自動化)

要点2「AIビジネスの動かし方」

AIビジネスでは何度もPoCを重ねることが前提となる。
PoCとは「アイデアの実現可能性や得られる効果を検証すること」である。一体誰が検証するのだろう?例えばビジネスで AIを活用したがってるユーザー企業とAIに詳しいAIベンダーである。

畑違いのユーザー企業と AIベンダー。お互いの専門性を歩み寄らせる事も重要であり、特にAIベンダー側とユーザー企業側で共有しておくべき内容を以下で列挙する。

目的は何か:AI活用の必要性
目標基準評価KPIはどこまでか:定量的ゴールの共有
どのようなデータがあるのか:使えるデータが存在するか
費用はどれほど:目標達成してもコスト面の問題で実用化に進めない
モデルの著作権や権利関係:学習モデルは著作権に含まれない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?