日記 いや、お前、スマブラのドンキーコングの下Bかよ

・夢を見た。

その夢はなぜか、知らない学校で小学生の頃の担任(だった様な気がしないでもない人)の授業を受けている場面から始まった。担任は何本かのチョークで教卓をカツカツと叩きながら顔を強張らせ、苛立っていた様子でずっと何も言わないままだった。教室には自分の他にも何人か人が居たが特に知ってる人間はいなかった。

空気が悪い。どうしたものか。よくわからないけど帰りたい。けどキレられそう。

なんか暇だし外でも眺めようかと思った時、不意に担任が大声で「俺が教えたヤツの中にはハーバートとかオックスフォードでさえ出てるヤツがいるんだよ。まぁ、全部俺の教えが良かったおかげだけどな」と言い放った。急だし、なんか変な主張だ。

だが、もっと変なコトにその主張に対して私は「いや、あなたがすごいのではなくて努力をした生徒が偉いだけなのではないでしょうか?」と反論をしてしまった。どうやら、その夢の中の私は結構物怖じせずに色々と言ってしまえる人格をしているらしい。現実だったら絶対に無理な行為を直ぐ様やってしまえた自分に自分が一番驚く。

夢は人間の潜在した感情を映す鏡だなんて風に言われたりもするけど、もしその通りなら私は無意識の間に他者に楯突いてしまえる牙を常日頃からひた隠しにして生きていると言うコトになるのだろうか。ちょっと怖いな。相手の主張も偏っているが、こちらの主張もまた偏っている。

さらに空気が悪くなる。教室中に切り詰めた緊張感が広がっていく。

だが、そんな空気などお構いなしに私は言葉を畳み掛ける。「それにあなたの教え子全員が全員輝かしい未来を掴み取ったわけではないでしょう?中には少なからず夢が破れた人間だっているはず。上部のいい所だけ語って天狗になるなんて不平等だ。あなたは……」と続けて強い言葉を発してしまいそうになった所で担任が両手で教卓を強く叩き始めた。

バンバンバンバンバン。次第に音が強くなる。

バンバンバンバンバンバン。音が大きくなる度に担任の手が赤くなっていき、少しずつ教卓に窪みができていく。

バンバンバンバンバンバンバンバン。一体、どれ程の時間そうやっていたのだろうか。体感一時間以上はそうしていた気がするが、実際にはごく僅か数十秒の間の出来事だったのかもしれない。

もはや誰も口出しできない。この暴走した人間を誰も止められやしない。まるで地獄だ。誰かどうにかしてくれ。いや、もうどうにもならないのか。

その時だった。ただのモブ。又は背景に思えた隣の席に座っていた人が不意に立ち上がった。一気に視線がその人に集中する。

バンバンバンバン。騒音が鳴り響く中、緊迫する状況。心拍数は上昇。下手なこと言えば教室中から嘲笑が巻き起こる。

だが、なぜだか不思議とその人なら目の前にいる狂った赤子を鎮まらせる事ができるだろうという謎の信頼感を私は持っていた。やれ。知らんヤツ!なんか一言ギャフンと言わせてやってくれー!

その人は担任を指差し一言、言い放つ。

モンスターに喰らわせる会心の一撃を。

いや、お前、スマブラのドンキーコングの下Bかよ

は?え?は?こいつマジかよ。何なんだこいつ。

それだったら「スマブラの」は邪魔だろ!ストレートに「ドンキーコングの下Bかよ」って言った方が絶対にスマートだろ。おい!

ちなみにその後、激昂した担任が「分かりましたわぁ!!じゃあ、俺が今からオマエら全員コロがしたら何もかも全部フラットになるよなぁ!」って言って普通に全員コロがされました。隣のやつも私も含めて。

最終的にはドンキーコングとフラットゾーンが残った。

結局、ただのスマブラの夢でした。

また明日。



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