「熱い(時にルール違反をする)サポーターが雰囲気を盛り上げてきた論」について

他所のことなので大して事情を知らないけど、一般論として「ちょっと気になった」ので雑感まとめ。

ガンバとセレッソとの大阪ダービーにおいて、被害当事者の言葉を信じるならば
「ガンバサポーターからドラムのスティックが観客席に投げ込まれ、それが同じガンバサポーターである被害者の頭に当たった。被害者は大きなケガこそしなかったが、傷みや精神的ショックがある」
という事件が発生していた。
それに対してガンバ公式は加害側を特定し、無期限入場禁止の処分を決定した。

当然、事実確認をしているはずであり、処分が下されたならば、少なくとも大筋として被害者様の訴えが正しかったのだろう。
まず同じJリーグファンとして、被害者様の心身の快癒を心よりお祈り申し上げます。
次に、加害者に対してはクラブ公式より重たい処分が下されたので、僕より申し上げることは特にありません。
ただ、その処分を告知するガンバ公式ツイートに寄せられた一部の反応は気になった。

  • こういう熱いサポーターが雰囲気を盛り上げてくれていた

  • これではガンバの応援が死ぬ

要するに、加害者側を擁護する声だ。

熱いサポーターが雰囲気を盛り上げてくれていた

事実だろう。別にそこを争う気は無いし、これまでの応援活動・功績は認められるべきだと思う。

でも、モノを投げ込んじゃいけないよね。

当たり前に、「過去の功績」と「今回やった悪事」はそれぞれ別の話である。「ピッチに向かってモノを投げ込んで、他人にケガをさせた」加害者に対して、「今まで盛り上げてくれてたんです」と擁護するのは、たとえて言うなら「あの殺人犯、普段はちゃんと挨拶してくれてて良い人だと思ってたんだけどねー」くらいに無意味な話だ。だからナニ? としか言いようが無い。

まあ、そう言う人も加害者を擁護するというよりは、「そういう人の排除は応援の良い雰囲気を削ぐのでは」と懸念されているのだと推測する。

そういう人の排除は応援の良い雰囲気を削ぐのか?

そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

そういう人を排除したら盛り上がりに欠けるようになるかもしれない。
だったら、同じチームのサポーターとして、自分がそれを補って余りあるくらいに熱く応援すれば良いのではないか。
同じように思った人がたくさんいたら、盛り下がることなんて無いのではないか。

これではガンバの応援が死ぬって同じガンバサポに対する侮辱だよね

スタジアムの応援の中心となる一部の人・集団っていうのはどこのチームにもある。そういう人たちの力は当然大きいだろう。
ただ、ガンバほどの歴史と規模を持つチームにおいて、スタジアムの応援というのは、ルールを守れない一部の人が排除されただけで死ぬようなものなのだろうか?
それは大多数の、ちゃんとルールを守って、それでも熱く応援しているガンバサポーターに対する最大限の侮辱に他ならないと思う。
そういう事を言っている人は、自らの発言の意味を一度真剣に考えてみるべきではないか。

もし、そういう人を排除した結果、本当にガンバの応援が死ぬとしても、そんなのは一時的な話だろう。人や形を変えて絶対に新たな形で蘇る。蘇った姿が昔と比べて良いかもしれないし悪いかもしれない。
ただ、サポーターを自称するならば、少なくとも自分がスタジアムにいるときの応援・雰囲気を盛り上げる責任はあなたにもあるのだ。「ガンバの応援が死ぬ」とかめっちゃ他人事のように言ってる場合じゃないだろう。

まとめ

スタジアムにモノを投げ込みたいならルールを変えさせるようにJリーグに働きかけるべきである。それがダメだとされているのにルールを破るのは、しかも他人にケガをさせてしまったのは、マジで一線を踏み越えてしまったしクラブからの処分は当然。
それによってスタジアムの雰囲気がイマイチになる心配するならまず自分が頑張って応援すべきでは。
ただ、良い意味で大多数のサポーターってそんなに甘くないと思うよ。

だいたいそんなかんじ。

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