アジアパワー炸裂!アジアン・ポップ展
福岡アジア美術館は、今年3月6日に、開館25周年を迎えられたそうだ。おめでとうございます!
1999年に誕生したこの美術館、九州外の方にはあまり馴染みがないと思うが、世界初、「アジアの近現代美術」に特化した美術館。
記念すべき今年2024年、本美術館では、「開館25周年記念コレクション展」が、2つの異なったテーマで開催される。そしてその第一回目が、この「アジアン・ポップ」展。1950年代〜60年代にかけ、イギリスやアメリカ、そして日本でも人気を博し、アジア各地でも1980年代頃から制作され始めた。
他では中々見られない、アジアのポップアートに焦点を絞った非常に珍しい美術展、皆さんにもその一部を是非ご紹介したい。
まず、最初にお出迎えしてくれるのが、中国のファン・リジュン氏作「シリーズ2 No.3」。
同じ顔、同じ格好の青年は作者自身だそうだ。反復するように「同じ」人物を繰り返すことで、個性を奪われ堂々と主張できない人間像と、そうした人間を生み出す抑圧的な世の中を表現しているらしい。
次にご紹介したいのが、台湾のウ・ティエンチャンのインスタレーション。黒いカーテン張りの部屋に入ると、足でボタンを踏むよう指示がある。それを踏み暫く待つと、前方の絵画にライトが付き、台湾語の音楽が流れてくる。
残念ながらここに動画を貼ることができないが、BGMとして流れている曲は、台湾で1950年代に流行した「幸福な船出」という曲。1956年に生まれ、戒厳令下で育った作者は、その時代は人生の「幸福な船出」の時だったのか、つかの間の「春の宵の夢」だったのか、を自らに問いかけた作品だそうだ。
そして最後に、パキスタン出身の4人の作家、ドゥリヤ・カージー、デイヴィット・エルスワース、イフティハール・ダーディー、エリザベス・ダーディーによる「ハート・マハル」という作品をご紹介する。
こちらも、ここでは動画をお見せする事ができないので外界のみのご紹介。パキスタンにも、日本のデコトラのように大型トラックの車内をド派手に装飾する文化があるらしい。
4人の作家が下絵を描き、トラックの装飾職人たちが照明・板金・絵を描き完成させた共同作品だそうだ。「ハート・マハル」とは、「心臓の宮殿」を意味し、この作品の中に一歩足を踏み入れると、中央で光る大きな心臓が力強く脈打ち、我々を別世界へと誘う、という趣旨の作品だそう。
中は非常に煌びやかで、またどことなく厳かな雰囲気もあった。
今回ご紹介した3作品以外にも、魅力的な作品が沢山展示されている。福岡在住の方、九州にお住まいの方、又は近々福岡へ行く予定のある方は、是非足を運ばれてみてはいかがだろう。
何と入場料¥200!写真も動画も撮り放題で、9月3日まで開催されている。
本日は簡単に3作品のみご紹介させて頂いたが、後日もう少し詳しく動画にまとめた物を、YouTubeにアップしたいと思う。アップした動画は、また改めてリンクをご紹介させて頂きます。
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