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親の話

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父は宇宙人、母は娘依存、カオスな家。今ようやく良い距離感が見つかった。
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遊びまくってきた父の性教育

私の父は、いわゆるイケイケで、バブルの六本木のど真ん中で生きてきた人だ。 ガッツリお金を稼いで家族にもそこそこの贅沢をさせてやってるんだから、遊んだって文句言われる筋合いはない。男が遊ばずに生きていけると思うか?と普通に思ってる人だ。 そんな男の娘(私)が中学生となり、いよいよ思春期を迎えると、自分が散々遊んできたせいで、自分の娘が騙されたり遊ばれる側になるのではないか、と心配で仕方がなくなった。 私の中学校の入学式の夜。 いつも不在な父が、この日は珍しく家にいて、しか

「マーマー、パパが誘拐されたって。お電話きてるよ。」

私がまだ小1くらいの時だった。家に一本の電話がかかってきた。 男:「お母さん居る?」 私:「はい。どちら様ですか?」 男:「おじさんはね、お父さんの知り合い。今ね、お父さんはここにいるの。手足が縛られて、口も塞がれて喋れないの。お父さんを誘拐したの。」 私:「少しお待ちください。(2階にいる母に向かって大声で)マーマー。パパが誘拐されたんだってー。お電話きてるよ。」 母:「えええーっ?!?!(2回から飛んでくる)。もしもし?どなたですか?夫を誘拐って本当ですか?今どこなんで

父が私にずっと言えなかった、もう一人の妹の存在。

父は底抜けに明るく面白く、背が高く、かっこいい。音楽家を目指していたが、これじゃ食べていけないと気付いてビジネスを始め、成功。スキーにゴルフにピアノにトランペット。金払いも良く、お人好しで、誰からも好かれる人だった(いや、まだ元気に生きてる)。 「男は稼いでなんぼ。家族にはお金の心配だけはさせない」というのが彼の信条だった。 しかし、それ以外の心配は散々させる。 家族が住む自宅以外に、一人で住むマンションを持ち、基本は一人暮らし、時々家族、時々愛人という三重生活をしていた。