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遊びまくってきた父の性教育

私の父は、いわゆるイケイケで、バブルの六本木のど真ん中で生きてきた人だ。

ガッツリお金を稼いで家族にもそこそこの贅沢をさせてやってるんだから、遊んだって文句言われる筋合いはない。男が遊ばずに生きていけると思うか?と普通に思ってる人だ。

そんな男の娘(私)が中学生となり、いよいよ思春期を迎えると、自分が散々遊んできたせいで、自分の娘が騙されたり遊ばれる側になるのではないか、と心配で仕方がなくなった。

私の中学校の入学式の夜。
いつも不在な父が、この日は珍しく家にいて、しかもいつになく真剣な顔で「大事な話がある」と。
一体なにごとだと思いながら、父の前に座る。

父が語り始める。
「いいか。大人になるお前に話しておかなければいけないことがある。
コンドームを着けない男とは絶対にセックスしてはならない。絶対にだ。」

は?

父は当時、風紀の乱れまくった六本木界隈に生息しており、10代の女の子が夜な夜な六本木でウェーイしているのを見て、これは娘にもをしっかり性教育せねばと思ったのだという。

父:「ゴムは避妊だけが目的ではない。お互いを性病から守るという大事な役割もあるんだ。だからそこに考えが及ばず、ゴムを着けないでヤろうとする男とは付き合っちゃダメだ。いつかお前も傷つくから。一事が万事だ。」

父の真剣なお話は続く。しかもノッてきた様子。

父:「セックスをする時にゴムを着けるのを嫌がったら、そいつはお前の事なんて愛してないからな。その場で中止しろ。いいな。その空気をぶち壊したのはお前じゃない、その男だからね。これからお前もいろんな場面に出くわすと思うけど、これだけは守りなさい。パパからは以上です。」

散々遊んできた男の意見は、妙に説得力がある。
気が付けば母も横でうなずいていた。

中学一年生で、さっき入学式を終えたばかりの私には、少々早い気もしたのだが、この話は思った以上に私の中に残り続け、その後の人生で、これを忠実に守ることになる。

たかがコンドーム、されどコンドーム。
コンドームで垣間見れる人間性、本性・本心もあるわけで。

そのお陰なのか、性病だの、うっかり妊娠だの、生理が遅れるだの、男に遊ばれて泣くだのを経験をせずに生きて来れた。

子どもへの性教育、実は結構、大切。

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