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体と薬と健康と・・・第14話 心臓突然死

健康コラム『読み物サプリ』。
前回、前々回と「心臓」の話をしました。
今回は・・・「心臓」に関連して「心臓突然死」についてです。

えっ!🙄「心臓突然死」って!?
自分にはあまり関係ない
なんて思っていませんか?

そんなことも含めてお話しさせていただければと思います。


心臓突然死って?

リアルなお話をさせていただきますね。
心臓が原因で突然心停止となる人は、なんと1年間で約7.9万人もいるそうです。
これを1日に換算すると・・・
約200人が「心臓突然死」で亡くなっていることになります。

この心臓突然死の原因の多くは心室細動です。

前回の「心臓」の話を思い出しながらみてください。
「心室」というのは肺に血液を送り出す「右心室」、全身に血液を送り出す「左心室」をいいます。
心室細動になると心臓が震える(不規則に痙攣けいれんする)だけで、
心室の機能が麻痺し、ポンプの働きが果たせなくなり、血液を送り出せない状態になってしまいます。
そうなると脳や全身に酸素や栄養分を運ぶことができなくなり、
数秒で意識を失い、数分で脳が重いダメージを受ける・・・。

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怖いですよね。
この心臓突然死は、70代以上が多いのですが、
10代・20代・30代でも決して起こらないわけではありません。
あるデータによると、
30歳代で死亡した人に占める「突然死」の割合は、25%にのぼるそうです。
自分にも、自分の周りにも起こりうることなんですね。

心臓突然死の前兆

前兆としては、以下のようなことが多くみられるようです。

  • 不整脈がでる

  • 急な息切れや息苦しさ、動悸がおこる

  • 意識が飛びそうになる、目の前が真っ暗になる

  • めまい

  • これまで感じたことのない胸の苦しさや痛みが起こる

症状が気になる方は、一度循環器科の受診をおすすめします。
命に関わらない不整脈の場合でも、自然治癒や薬による根治は期待できませんが、「カテーテル治療」で9割以上は根治が期待できるようです。
参考にしてください。

さて今回は、
もしも心停止状態の方に出会ってしまった際にどうするか?
ということもお伝えできればと思います。
皆さんも一度は聞いたことや、見たこともあるのではないでしょうか。「AED」についてお話させていただきます。

AEDってなに?

正式には「Automated Extermal Defibrillator:自動体外式除細動器」を略してAEDと呼んでいます。
心臓が痙攣けいれんし、血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)の心臓に対して、
電気ショックを与えて正常なリズムを戻すための医療機器です。

2004年7月より、
医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、
病院や診療所・救急車はもちろんのこと、
空港や駅・学校・スポーツ施設など公共施設などに設置されています。
実はレデイ薬局の各店舗・各薬局にも設置されていますよ。

「AED」は心臓の動きを自動解析することで、
電気ショックが必要な方にのみ、
電気ショックを流す仕組みになっていることと、
操作方法は音声ガイドがあることで、
一般の方でも簡単に使用できる仕組みになっています。

最近では様々なタイミングで
使い方の講習を受ける機会も増えていますよね。
noteでもおさらいしておきましょう。

AEDってどうやって使うの?

AEDは、音声ガイドによって3つのステップで操作できます。

Step1 AEDのフタを開けると、自動電源がONになります。

Step2 AEDから聞こえる音声ガイドに従って、
    「電極パッド」を貼ります。

電極パットに貼る位置が書かれているので焦らない

Step3 「ボタン」を押して、電気ショックを与えます。
    押すボタンは1つだけなので、押し間違えの心配はありません。

AEDが無い場合の対処法

人が倒れるのを目撃したり、倒れている人を発見したら、
まずは呼びかけて反応を確認し、
119番通報と、AEDの要請をします。

素早い対処が必要です

呼吸が確認できない場合は心停止状態なので
「胸骨圧迫(心臓マッサージ)」をただちに開始します。
判断に迷ったときも、「胸骨圧迫」はするべきといわれています。

胸骨圧迫は、
止まった心臓に代わって脳や全身の臓器に血液を送り込み、
脳や臓器が酸素不足で働かなくなってしまうのを防ぐ
重要な救命方法です。

胸骨圧迫のポイント(成人の場合)は、

◆硬い床などの上に傷病者を仰向けに寝かせ、胸の横にひざまずく
◆傷病者の胸の真ん中(左右の乳頭を結ぶ線の真ん中あたり)に
 片方の手のひらの手首に近い部分をあてる
◆その上に、もう片方の手を重ねて組み、腕を垂直に伸ばす
 ※組んだ手の真上に肩が位置するように
◆肘を伸ばしたまま真上から体重を乗せて押す
◆押す強さは、胸が4~5㎝程度沈むくらい
◆押すリズムは、1分間に100回くらいのテンポを目安
 ※30回連続で圧迫することを目標に

分かりやすいイラストも紹介します。

医師で漫画家の永田礼路さん(@nagatarj)による解説イラスト


胸が5㎝へこむほどの力が必要なので、
胸骨が折れてしまうこともあります。
しかし骨折させることを恐れるよりも、
心臓を動かすことが最優先であることを押さえておきましょう。

生存率の違い

目の前で突然人が倒れた・・・
そういうシーンに出会ってしまったら、
誰でもびっくりするでしょうし、足がすくんでしまうかもしれません。
でも、その場に居合わせた人がAEDを使った場合、
倒れた人が1ヶ月後に社会復帰できる割合は、
なんと46%
にもなるそうです。

これは、胸骨圧迫をしなかった場合の4%を大きく上回ります。
また救命措置を何もとらなければ、
救命率は1分につき10%下がる
とも言われています。

救命措置の大切さがわかる ※日本AED財団HPより

「AED」の使用も、「胸骨圧迫」も、とても勇気がいることです。

まずはAEDは、一般の方でも使えるということ。
使い方も簡単で、しかも音声案内がついていること。
これらのことを知っていただければと思います。
自分がよく行く施設のどこに、
AEDが設置されているかの確認から始めましょう。

当社ではドラッグストアや調剤薬局の入り口付近に設置しています

ということで今回は、
誰にでも起こりうる「心臓突然死」について触れてみました。 
次回もお楽しみに✨

▼執筆した薬剤師はコチラ

▼日本AED財団

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