【演劇WS】play room 第二期開催決定/募集要項

昨年10月から開催した演劇WS「play room」ですが、想定以上の手応えを感じ、また、ありがたいことに参加したいというお問い合わせをたくさんいただいたので、第二期の開催を決定しました。

俳優から徴収する金額は出来るだけ安価にし、企画主旨に同意してくださった方からのファンディングで運営していく、という新しい試みのWSです。

公演に対するファンディングはよくありますが、「俳優の成長に資する」という目的のファンディングは、これまであまりなかったのではないか、と思っています。

支援が集まるかはやってみないと分かりませんでしたが、フタを開けてみると
平均80%の目標達成率で運営し続けることが出来ました。

たくさんのご支援本当にありがとうございます。
みなさまのご支援のおかげで、第二期の開催を決心できました。

今回は
・play roomの企画主旨
・第一期参加者の声
・第一期での気づき、反省
・第二期の概要
・第二期の募集要項

この5項目について書いていこうと思います。

また、過去play room絡みで書いたnoteの一覧です。ご参考までに。
https://note.com/ladicaldreamer/m/m5d1db7e53d2c

2/16開催の説明会での質疑応答の内容です。
ご参考までに
https://note.com/ladicaldreamer/n/n2ec16194d114

play roomの企画主旨

俳優の仕事とは、演技をすること。演”技”というからには、そこには技術が必要だと思います。
技を手に入れるためには鍛錬が必要で、それを感覚で全てできてしまう人は天才です。でも、大多数の人はそうでないと思います。
僕は天才ではありません。
俳優としての実力も、全然足りていません。
でも、だからといって、何もせずにそのことを嘆いたり、与えられた仕事をこなすだけというのは、性に合わないし、何より自分自身が楽しくないので、今の自分の現状を少しでも変えるため、俳優として前に進むために、より楽しく自分の人生を生きていくために、今回の企画を作りました。

俳優として自分自身、鍛錬の時間が圧倒的に足りていないと思っています。
演技というのは、自分が考えているよりもはるかに難しく、奥が深いものだと思っています。
そして、俳優のよりよい演技が、作品をより豊かにし、観客に多くの影響を与えられると考えています。

作品のジャンル、芝居のやり方などは色々とあると思いますが、「相手がいるから、自分がいる」それだけは絶対に変わらないですし、お芝居にとって最も重要だと考えています。

俳優として成長し、作品に貢献し、観客に楽しんでいただく。
この入り口にあたる、俳優自身の実力をつけるための時間にしたいです。

それならばということで自分自身、実力をつけるためにWSやレッスンに通った経験があります。
でもその費用は、安くないことが多い。
1回5000円以上なんてのもザラです。
もちろん技術を手に入れるために、必要な経費であることは理解できますが、
現代の日本の経済状況を踏まえると、いままで以上に経費を負担することが難しくなっていると思います。
意欲があっても経済的に恵まれないが故に訓練ができない俳優たちのチャンスが減ってしまうことは、僕は極力避けたいと思っています。

トレーニングが作品作りの入り口になると思うので、その場を安価で提供することは、良質な作品をたくさん生み出すために必要だと考えています。

以上をふまえて、このplay roomでは、参加費用を月額3000円に設定します。
月3回開催なので、全て参加すれば1回あたり1000円になります。
これは、内容、時間と比較したらかなり安い金額だと思います。
また完全無料にしてしまうと、モチベーションの部分で弊害が出る可能性があるので、この金額設定にさせていただきました。

そして安価な参加費だけでは運営していく経費としては不足します。
継続的な訓練の場を提供するためには、他の手段で経費を賄う必要があります。
そのため、参加費以外のサポートを募ります。
俳優以外の方も、応援する俳優の成長のため、ぜひサポートに参加していただければ幸いです。
観客に届く作品が、少しでも豊かになるよう取り組んでいきたいと思います。

一緒に成長することを楽しいと感じてくれる、また俳優の成長に資する、というコンセプトに同意してくださる仲間を募集します。

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第一期参加者の声

毎月参加者に、当月の感想を提出していただいておりますが、その中でplay roomっぽいなと思った感想を3つ紹介させていただきます。
各々が、このトレーニングの場を積極的に活用してくれている様子が伝わるとよいな、と思います。
参加や、様子を知るご参考になれば幸いです。


12月play roomを終えてみて、継続することの利点と自分がどれくらい己のことに費やしているかが明らかに結果としてでてくる、怖さと同時にそれぞれがどうしたい、どうなりたいかが、目に見えて見えるというのは、良いことだと感じた。

結局、変わるためには自分がやるしかないわけで、悔しい思いをしたら方法を変えてみれば良いわけだし、良いなと思える部分は他の人から吸収していけば良い。
上手くいくとか上手く行かないとかより、自分自身を検証したり、試したりという純粋にトレーニング?する部分もある場のありがたみを感じた。

周りもどんどん成長変化して、魅力的になってきている。
WSは性質上、人のジャッジを気にして萎縮したり、互いをリスペクトしてとかなんか、自己改革みたいな妙な連帯感作ったりがあったりすることもあるけれど、play roomは、自分自身をその場に置けるのが良い。
素直に自分自身が変わらなきゃ上部だけ変えても何もならないですしね。

継続して続けていかれる、自分にとってのメンテナンスにも、レベルアップのためにもなるWSという形は、やはり今までなかなかなかったし、これが今後も続けて行かれるとやはり良いなと思いました。


12月に入りテキストを扱う割合が増えていく中で個人的に興味深く感じたのは「キャラクターを着る」ということです。

もちろん俳優というのは(若干の例外はあれど基本は)別人を演じるものですから、そんなの当たり前じゃん!って思っている方も多いかもしれません。
しかし僕は今まで「役作り」というものをどこか疑っていました。
何だかそういった作業は独りよがりなものになってしまいそうな気がして。
それよりも会話の中で相手としっかり関係を結べば、「役」というものはある程度勝手に付いてくるはずだと思っていました。

しかしこのplay roomにおける役作りの作業を通して、僕は自分の想像力が刺激される瞬間を何度も得ることが出来ました。自分と自分が演じる登場人物の過去や思想が時には溶け合うような感覚を覚え、時には違いをはっきりと認識して、登場人物の姿が少しだけ明瞭に見えたりもしました。

とはいえ、まだまだ手探り状態ですので、また1月も引き続き、この作業を通して「キャラクターを着る」ということを掘り下げていけとるなと思っています。


私にとってのplay roomは、本当の自分と向き合う時間です。

私は、これまで様々な場でレッスンを受けてきました。その際はいつも、自信を持って人前に立ち、周りの人への印象を残すことを意識していました。実際、役者の先輩や演出家の多くは「人前で不安そうな顔をするな」と言います。だから私は無理をして自分を騙し、どんなに不安でも自信満々の笑顔を作ってきました。

一方play roomでは、自分の本当の感情に向き合うよう教わります。
例えば、これからやるワークを上手くできるかという不安を感じれば、自分が不安であることを認めて良いのです。そして、その時に感じている不安を顔や身体に出すべきだと言われます。

しかし、これまで人前で感情を出すことを堪えてきた私は、自分の感情を素直に出すことに苦戦しています。
そんな私が大切にしていることは「2才の子供のように自由に」という教えです。子供のように周りに気を遣わず、感じたことに素直でいることを目指しながら、このワークショップを受講しています。
そして、回を重ねるうちに、少しづつ自分の本当の感情を出せるようになりました。

これまで自分で自分を騙していたために隠れていた本当の感情に出会えることが、今後の楽しみです。

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第一期での気づき、反省

第一期に関しては、正直やりながら修正すればいいや、という考えのもと開催しました。いくつか修正が必要でしたが、基本的には大きな問題もなく開催できていると思っています。

参加者が、どんどん生き生きとしていく様子を見ていると、やはり自分の大切にしたいことは間違っていなかったな、と感じましたし、こういう基礎トレーニングの場は出来るだけ長く運営していきたいな、と思いました。

なので、反省というよりは、第一期開催中に変更した部分などをまとめつつ、なぜそうしたのか、という点を説明していこうと思います。

【参加者数の変更】
15名程→27名
募集段階では、15名程まで絞る予定でしたが、
・想定以上に応募がきたこと
・平均的に15名ほどの参加が望ましいこと
・全員が全員最後まで参加するとは限らないこと

以上を踏まえ、倍近い27名の方に参加していただくことにしました。
上記の狙い通り、現時点では各回15名ほどの参加に落ち着いています。

僕個人としては、より良い仕事をするためのWSなので、魅力的なお仕事があればWSより優先して欲しいと思っています。
もちろん、全て参加したら一番効果が大きいと思いますが、このWSが仕事を断る大きな理由にならないといいな、と思っています。

また、play roomの初回に全員に説明させていただきましたが、
「合わない、やめたいなと思ったら遠慮なく言ってください。嫌なことを半年続けるのは苦痛だと思うので!自分に正直にいてください。」

全員が全員満足するのは難しいと思います。
実際に第一期でも、スケジュールの都合、自身の都合等で途中で辞めた方もいらっしゃいます。

それはそれで仕方ないと思っています。
積極的に辞めることを推奨する、ということではなく、もちろん内容的には自信をもってオススメできます。
ただ、参加する以上は、トレーニングに集中できた方が有意義だと思いますし、ただ参加するのではなくて、自分のための時間として、良い時間にして欲しいためです。

【プログラム変更】
募集段階では、初月からシーンスタディを行う予定でしたが、マイズナーテクニックにおける基礎をきちんと学ぶ期間が必要だと感じ、シーンスタディは3ヶ月目から開始することにしました。

第一期後半のプログラムでは、前半できっちりトレーニングしたマイズナーの基礎をいかにシーンを持ち込むのか、に焦点を当てています。

頭で考えたことを実行する、形だけの演技でなく、
きちんと準備したことを、目の前の相手から受け取ったものを使って実行する演技につなげるために、基礎がとても重要であると感じたので、良い変更だったと感じています。

【スケジュール変更】
募集段階では、参加者のスケジュールを事前に確認し、それを元に開催日を決定する予定でしたが、日程に関しては参加者27人全員の要望を満たすことは不可能だったので、意見を聞きつつ可能な範囲で調整しました。

【参加費の変更】
第一期の12月までは、各回1000円、事前に月間の参加数に応じた金額をお支払いいただき、欠席になった場合は翌月に回すという対応でした。
また、一度も参加できない月があった場合は、特に費用は発生しないようにしていました。

この部分を1月からは、
月間3000円(1回参加でも3回参加でも金額変更なし)
欠席の場合も翌月に回さない
一度も参加できない月は1500円(レポート代として)

に変更させていただきました。
これは参加者に一度相談させていただき、了承いただけたので変更させていただきました。

この変更は、収益性の問題でなく、参加すること自体がメリットになるようにするための変更です。

・費用を安価にする
・スケジュールの拘束力は低くする

この2点はplay room開催にあたり必須事項でしたが、
見えてきた問題点として、この「気軽さ」からくる弊害=欠席数の増加があります。

理由としては、体調不良が多い印象です。

もちろん体調を崩しやすい時期ですし、気をつけていてもどうしようもない事もあると思います。理由も体調不良だけではないです。

しかし、シーンスタディを行うにあたり、出席状況を元に組み合わせを選んでいるので、自身だけでなくパートナーが損をするケースが目立ち始めました。

僕は、参加する人が得をする仕組みの方が良いと考えています。

また、たくさん参加した方がお得だ!となった方が、参加者も参加する意義を自身で見つけやすいかな、と思ったためです。

僕は、鍛錬すると決めた以上は、多少無理をしてでも頑張ってみた方がよいと考えています。
ただ、通常金銭面や、スケジュール面の都合で参加できない場合が多いので、このplay roomは極力そのあたりの環境を整備したいと考えています。

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play room第二期の概要

主催 野村亮太(やまだのむら/room42)
講師 黒澤世莉

内容
マイズナーテクニックを用いて、相手役とコミュニケーションする技術を獲得します。
基礎技術を統合し、シーンや実践につなげるためのWSです。
2020年4月から開始し、2020年の9月までの6ヶ月間、月3回実施予定。

参加費
3000円/月(1回参加でも3回参加でも同額)
1回も参加できない月がある場合は、
その月は1500円/月→レポート代として。

場所
練馬区内の公共施設を予定

時間帯
14:15-21:15

メニュー
最初の1~2ヶ月はマイズナーテクニックを用いた基礎トレーニングがメイン
3ヶ月目からは、戯曲を使用し、シーンスタディも併用していく。

*使用する戯曲は、トム・ストッパード「アルカディア」を予定
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784151400438
購入費用は各自負担。

14:15-17:15
マイズナーテクニックを用いて、他者とのコミュニケーションについて考える。
また、その実践。

17:15-18:00
休憩

18:00-21:15
シーンスタディ
戯曲を用いて、マイズナーテクニックを実践する、もしくは戯曲との向き合い方について考えていく。

play room第二期の募集要項

書類選考ありです。
応募締め切りは2020年3月20日(金) 23:59まで

応募条件
4月開催日の中で最低でも1日は参加(遅刻/早退 可)できる方。
自分にも他者にも誠意を持って対応できる方。

1名前(ふりがな)
2 連絡先(メール/電話番号)
3 性別
4 年齢
5 簡単な芸歴/主な出演作
6 4月開催日への参加可否(4/6、4/20、4/30)
7 2020年9月までの何となくのスケジュール(ex.2020年5月末舞台出演予定等)
8 参加の場合はSNS等で紹介可否
9 テーマ「好きな戯曲と、その理由」または「あなたの理想の演劇」400字から800字
10 ご本人写真(バストアップ)→SNSでの使用可否

上記を添えて、
room42.act@gmail.comに件名「play room第二期応募」と記載してご連絡ください。
返信は選考結果の連絡の際に合わせて行います。
届いたか不安、という方は件名に、【返信希望】と記載していただければ、受付完了の連絡をさせていただきます。

選考結果は、3月31日までにメールにてご連絡させていただきます。

また、何かご質問等あれば上記アドレスまでご連絡ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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