play room第5期-5月の感想

こんにちは!
play room主宰の野村です。

play room第5期も2ヶ月が経過し、そろそろ全カリキュラムの進行も半分ほどになりました。残すところあと2ヶ月。早いですねぇ。

今月は、
・リピテーション(基礎ワーク・実践ワーク)
・記憶とリンクする小道具
・戯曲「アルカディア」


に取り組みました。
「アルカディア」は今後シーンレッスンに使用しますので、今は読解を進めていったり、役や作品について色々と掘り下げていっている段階です。
シーンがどう立ち上がっていくのか、とても楽しみです。

それでは、今月も参加者の皆さんのお声を紹介させていただきます!

西山さん

今日で全体の半分ということで、改めてそれぞれ現状の目的を共有しました。
初回で言っていたのは「相手に思いや感情が伝えられる俳優になりたい」でしたが、それはまだまだ今のメイン課題です。
でもどうすればいいかが前より具体的になってきました。

相手、ひいては見てる人の心を動かすには
⚫力が抜けてて深い呼吸で余裕がある魅力的な存在
⚫そうすると自ずと感じる色々なエネルギー
⚫それをちゃんと伝える!(その方法は一つではない!柔軟に)そしてもらう!そして伝える!

と皆と話す中で整理できた。
あと、なぜ俳優を?と聞いてくれて、そもそもは自分みたいに「はぐれもの」と思ってしまう人たちにも表舞台に出てええんやで!と言いたかったから、てことを久しぶりに思い出せてよかった。大目標。

でも今はあまりそう思っていない。おこがましい気がしてしまう。
なぜなら自分がきつい時、エンタメや慰めが必ずしも助けにならなかったから。
今もその大目標に対していいこたえはみつけられていない。というか忘れていた。

というのも今は自分のことを認めてあげるのに精一杯だから。そしてそれがとてもよいことと思う。し、なんなら大目標にも繋がってる。 基礎編が終わったときに、こんなに自分の中に色々カラフルにあること、それに気づけたことがとても嬉しかった。そして同時に他の人のからだとこころをこんなにも大事にできることにも。

もうすぐ40に手が届きそうだけど、↑の気づきで、やっと、やっと、何かの入り口にたどり着いた気がしてる!

あとすみません、もうちょっとだけ! 自分の戯曲の読み方が無機質な感じがしてて、受験みたいに「この筆者の言いたかったこと」を読んじゃう癖があると気づいたんだけど、そこにも↑の気づきは関わってきそう!6月の終わりにはどう思っているのか、ワクワクです!

水元琴美さん

2ヶ月間リピテーションをやってみてもなお、まだまだ拾いきれていない感情がたくさんあると感じていて、探究心がくすぐられます。
ワークや振り返りを通して、徐々に自分の物事の捉え方をフラットに認識できるようになってきたことが嬉しい収穫です。

悶々と考えてわからなかったことが、対話や質問など人との関わりを通してクリアになるのが心地よく、面白い。

戯曲『アルカディア』がこれからどんな風に紐解かれていくのか、ワクワクと出会う瞬間を想像して気持ちがたかぶっています。

村上美緒さん

5月は私用でお休みもしたので2日間しか参加できなかったのですが、私にとって発見の多い月でした。
4月末のレッスンで参加者みんなにこういう場合はどうしてる?というような質問をさせてもらったのですが、その時にみんなが話をしてくれたことが心強くて、5月は色々トライしたりレッスン参加してない間も自分の課題と向かい合い続けて、オーディションの場やそれまでの準備に活かすことができました。

レッスンに来れた2日間は、呼吸浅くてコンディションが悪い日だったのですが、今まで「コンディション悪い=ダメ全然何やってもダメ」と思っていましたが、実際にリピテーションをやってみたらコンディション悪い上でも相手とやり取りすることができて、思い込みだったなと認識を改めることができました。

今ここにある自分で目の前の相手と向かい合う。調子が良かろうが悪かろうが今の自分は今の自分なのだから、過信せず卑下せずシンプルにやることの大切さを改めて思いました。

5月で一旦基礎編が終わりましたが、参加しはじめて3度目のplay room、粘り気強く参加してきて、前できなかったことも今期でできるようになりました。絶対に欲しい、絶対に出来るようになるんだ、と思ってトライしていれば手に入るんだ!ということが今の私を支えています。

「不安と緊張と仲良くなる」という今期の私の大テーマは、まだ試行錯誤中です。 でもアイディアや試験中なこともあって、前進してる感じがします。 仲間がいるって、いいなって思っています。

5月爆裂的にみんな成長スピード加速していて、素敵だなぁって思ってます。 それぞれが自分の成長のために時間を使っていて、だからこそお互いを頼りにして他力使っていて、最高だな… お世話になってます!!(みんなありがとう)

戯曲の読解に入り、ここからキャラクター、シーンと進みます。
手に入れたいものまだまだ沢山あるから楽しんで探検したいと思います!

渡邉心さん

演出家さんなどに正解を求めるのではなく、自分が思う正解の方へ進む。

○リピテーション
・笑顔仮面があることに気づいた。意識してやることで、嬉しい、楽しいではないとき笑わなくなった。
→自分が本当に感じてることに気づきやすくなったし、相手にも伝えやすくなった。

・理想の自分がいるせいで(嫌われたくない、変な人だと思われたくない)みたいのが働き、「かまってほしい」とか、「近づきたい」のやりたいことがそのまま行動に移せていないことに気づいた。何回もやるうちに理想の自分を捨てれた回もあったし、意外と難しくないように思えた。
→その欲求が無限にあるわけではなく、「不安」「恥ずかしい」を感じ、「離れたい」という風にやりたいことが変わっていった。

・緊張を無視してしまうことがあることに気づいた。緊張してるときには、緊張してる、と言えるようになった。
→緊張してる、を言うことは「自分の感じてることと、相手に伝えることが一致すること」に繋がりやすく、身体が楽になった。逆に「緊張してる」を無視すると全てが信じられず、言葉と身体、繋がってないから苦しくなるなと思った。

・悲しい、怒ってるなどのネガティブな感情を出すのが苦手なことに気づいた。出そうとすると体が苦しくなる。でも、これは大きな感情によってではなく、それを出さないようにしようとする抵抗のせいで苦しくなってるというのが理屈としても理解できたし、身体でもなんとなく分かった。
→まだ、その感情を出しやすい形を見つけきれてないから、楽な出し方を見つけて、感情を伝えられるようになりたいなと思っている。

・足にエネルギーが溜まっていることに気づいた。足が動いてるなぁ、とリピの中でも自分で気づくことがあった。
→まだ、そのエネルギーを拾えてないなと思う。予想だと「不安」とか「イライラする」とか「楽しい」とか、色んな感情が隠れてるんじゃないかなぁと思う。「身体を観察して感じる」ということが、どういうことか分かりそうな感じがする。

○読解
・最初に読むときに、誰かの主観で見るのではなく、お客さんとして見るというのは、その戯曲を面白く読めそうだなと思った。

・想像ではなく、事実を並べていくとが、構成をつくることに繋がるなと思った。

・まだ、ぼんやりしてることが多いのでこれからもっと知りたい。

渡邉理衣さん

〈基礎編〉
・リラクゼーションやリピテーション中に、身体の観察を少し出来るようになった。(アーカイブで確認して、自分の身体の変化を知り、その習慣を外してみたりした)

・「この感情を持つ時は、身体がこうなっている」という情報をいくつか見つけられた。(リピでペアの人に言われて気が付くこともあって嬉しい)

・"感情準備"の時間に、「悲しい」の扉を開けるものを見つけた。自分の中に、テトニーになる程の大きなエネルギーがあることがわかって安心した。(次は、テトニーになる前に出せるように、広い空間に出すのではなく相手に渡せるように)

・笑顔仮面発覚。これがなかなか手強い。日常の社会性と繋がっているように思うので、習慣を見直す。

・エクササイズでは、私には"音楽"が1番感情を拡張するものだとわかった。思っていた感情ではないものが湧いてきて、日頃、感情に蓋をしたりごまかしたりしているのかもと思った。(リピではごまかさずに出せるようにチャレンジを続ける)

・作業をしながらのリピでは、感情が全く言えていなかった。アーカイブを確認すると、世莉さんが何度も「今どんな感じ?」と聞いて下さってるのに、感情ではないことばかり言っていた。
緊張と、自分のやりたいことに嘘をついていたため、上手く行かなかったと思う。(2回目は、嘘をつかずに出せたところもあったが、相手を受け取る、相手に届ける、が疎かになった。次回の課題とする。)

〈読解編〉
・構造を把握するために、戯曲の中に書かれている事実だけを拾うことが、宝探しみたいで楽しい。他の人の意見を聞いて「あー!」と思うことも多く、1人で出来るか不安がある。

〈6月の目標〉
・身体の反応をもっと見つける
・解像度を上げて、感情を言えるようにする ・教えてもらっている読解のステップに全力で取り組む

綿貫美月さん

毎回いろんなエクササイズを教えていただけて、自分に合うものを探すことができて良かった。
自分の状態を認知することって、意外とできてないことが多いんだなと知った。(緊張していても、つい緊張をなかったことにしてしまったりする)

まずは感情でも何でも、認知することが非常に大事だと感じた。

また、戯曲読解も始まって、今までしたことない読み方を学べて面白い。
これがシーンスタディでどう今後生かされてくるのか、実感するのが楽しみ。

匿名①

このレッスンのことを、「俳優の当事者研究」とでも呼びたくなります。

当事者研究とは困難を抱える当事者同士による対話から認識を深める試みで、例えば障害や依存症を持つ方々によって行われてきました。当事者研究では、健常者によって一方的に与えられた言葉や概念ではなく、当事者の感覚に即した言葉で客観的な視点を取り入れながら認識を深めていきます。

play room講師のせりさんは演出家ではありますが、マイズナーテクニックを俳優として体験した立場の言葉を持っていますし、レッスン内では講師から一方的に言葉が与えられるだけでなく、参加者同士でフィードバックを共有する機会が多くあります。
他人からの指摘は重要です。なぜなら自分一人の視点では見えない部分がかならずあるからです。(例えば道具無しで自分の後頭部を見ることはできないでしょう)

play roomレッスンの初期では、「こわい」「さみしい」「不安だ」といった、自分では普段見ないようにしているネガティブな感情に気づく機会に恵まれました。半期を終えて今は、それがどのようなときにどう変化するのか、という一歩進んだ視点が増えたように思います。

また当事者研究にも色々あるのですが、議題となる困難をどうにかすることよりは、困難を共有すること、その困難がどのように現れてくるかの認識を、通時的・共時的に深めることが多いです。(それを外部に発表することで、当事者をどうにかするのではなく、当事者を取り巻く社会を変えるという社会運動的な側面もあります)

play roomのレッスンでも、まずは自分の身体に何が起きているのかを認識することが求められます。認識さえできれば、次やったときにはすんなり表現できる、ということもありますし、まず認識しないことにはそれをどうにかすることもできないからです。

私は、「怒り」はよく感じられる一方で「さみしい」や「かなしい」といった感情の認識が難しくなる時期がありました。というか今もその傾向があります。
何がそれを妨げているのかすら、私は中々認識できずにいました。
ある日のワークで感情と表現の関係を言い表すのに「慣性」という言葉を使いました。フィードバックでとっさに出てきた言葉ですが、しっくりきました。

ニュートン力学の言葉を目に見えない感情の動きに適用する妥当性や、この言葉が他人にも適用可能かどうかなどは、知ったことではありません。表現は私の身体という電車の乗客として、「一度出た衝動や感情を、もうその衝動がないのに繰り返し表現してしまうクセ」を、「慣性があるフリ」と言い表して、私がしっくりくるならそれでいいのです。なんかかっこいいし。 重要なのは、次にまた「慣性があるフリ」をしてしまったときに「あっ、またきたな」と気づきやすくなるということです。

実際、次に行われたワークでは、怒りの慣性があるフリをした自分に気づいて、そのとき自分に「さみしい」という感情があることに気づく機会を得られました。多分このクセを私は今後も繰り返すでしょうが、その度に新たな知見が得られるであろうことに私はワクワクしています。

play roomでは継続的に俳優としての困難と出会い続けることができます。
本番のための稽古では、それは難しいことです。
なぜなら、本番では俳優としての困難を解決することは二の次で、表現をするという目的が叶えばいいからです。それ自体は全く悪いことではないどころか、立派な創意工夫だと思います。

しかし困難がどのようにあるのかを認識しないことには回避することも難しいですし、困難を解決して表現が叶うならばそれも良いことでしょう。

「自分ができることとできないことを正確に認知しよう」これは、先日のレッスンで共有された言葉です。私はplay roomのあり方をよく説明した言葉だなと思います。

匿名②

●戯曲読解
このワークショップで得たのは「周りの人をどんどん頼っていこう」という視点です。良い役者になりたい、そのためには周りの人よりも自己解決能力を上げて座組の中で頼れる存在にならなければ、という思いに囚われて苦しんでいたということに気づけたので、これからはまだまだ未熟な自分を認めて周りをどんどん頼っていこうと思います。

実は過去に似たような戯曲読解のワークショップに参加し、間違いを恐れるあまり萎縮してしまってろくに発言ができずに苦い思いをした経験がありました。
このワークショップでは「失敗していいんだよ!」という世莉さんの言葉がただの理想論ではなく、全体の空気に影響しているおかげで、良い意味で居心地良く学べています。

●リピテーション
ようやく自分の中で「成長したかも」という実感が湧いてくるようになりました。特に以前は社会性が邪魔をして相手に気を遣って言えなかったこと(コンプレックスなどに直結しそうなこととか)が言えるようになったなと思います。

生活の中でも自分のことを振り返る時間が増え、自分の体の中に少しずつ発見が生まれてきたのが純粋に楽しいです。

匿名③

WSが進んでいくにつれ、みんな徐々に打ち解けてきて、ますます参加しやすい雰囲気になっているなぁと感じます。
ワークを始める前に、他の参加者に聞いてみたいことを聞く時間も好きです。

オーディションの準備、俳優としての自信、余裕の持ち方についてなど…お互いに使えそうなTipsを提案し合うと、「1人で頑張らなくていいんだ」と思えてすごく助けになります。

リピテーションやフィードバックも「ちゃんとやらなきゃ!」みたいな意識が少なくなってきて、ちょっと恥ずかしいことだったり、日常では言えないこともチャレンジできるようになってきました。

特にアクティビティや、セリフを使ったリピテーションの回では「先を予想せず、今起きていることを体験する」感覚が掴みやすくてとても良かったです。

戯曲読解は、楽し過ぎます。
日常でも、もう『アルカディア』のことしか考えられなくなってます。 でも楽しいです。

戯曲の構造を捉える、事実に基づいて読むことが何を始めるにもまず重要であり、その方が他の人ともシンプルで建設的な議論ができると思いました。

私は議論が好きな方なのですが、戯曲読解が始まる前は「周りの人と温度差があり過ぎて"ハーマイオニー状態"(質問の回答に全部挙手すること)になったらどうしよう…」と気にしていました。

でも、そんなこと忘れるくらいみんな自分の見解をバンバン示していて、ここで遠慮しちゃうのは勿体ないな、と今は思えています。
自分の読み方が事実に基づいているとわかると嬉しくなるし、自分が気付いていなかった事実を他の人が教えてくれると「ほんまや!!」とシビれます。
楽しいです。

6月の目標は「楽しむ為に準備すること」「優勝マインドを忘れないこと」です!

匿名④

基礎編が終了しました。
正直もっとやりたかったー!

特に作業リピテーション。普段、複数ペア同時に行っているので、1ペアずつ行えるのも贅沢で貴重な体験でした。

あと、毎回思うことですが、振り返りの時間での発見が本当に沢山あって、ハッピーです。

いよいよ、キャラクター編(名称違うかも)に入りました。
読解とは、戯曲の構造とは、などこの場での言葉の解釈をすり合わせた上で、丁寧に進んでいくので、余計なストレスを抱えずに取り組めるのが個人的に◎

『アルカディア』の読解が深まれば深まるほど、ハアハア出来そうな予感がするので、それも楽しみです!

以上になります!
6月もよろしくお願いします。
野村

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