シタチノ「河川敷アウトサイダー」

公演情報

無事終演しました。ご来場いただきありがとうございました!
気にかけていただいた方々、関係者の方々本当にありがとうございました!
すごく久しぶりにお芝居をした気がするので、めちゃくちゃ緊張しましたが、誰も欠けることなく、最後まで上演出来たのは、このご時世本当に難しい事なので、それだけで満点だと思っています。

作品についてだったり、団体についてだったり、感謝の気持ちだったり、自分のことだったりをフラフラと書いたものになります。
読み物というよりは、今の自分の気持ちを残す意味のが強いものになりそうだなと思っています。ただまあ、もしよければ軽い気持ちで読んでみてください。
あ、でも最後の「自分のことについて」はめっちゃ個人的な話なので、そんなに気持ちいい内容でもないって感じです。

劇団員のみんな

団体について


シタチノという団体はとても、優しい団体だなと感じました。
たぶん市川くんの人柄と若松さんの配慮が結構色濃く出ているような気もする。
そこに+して他のメンバーが反発しない範囲で、特色を追加していっているような印象。
あんまりこの人が最強に主導権を握ってる、みたいな感じは受けず、ほどほどに対等な関係なのかなーと外側から見ていて感じました。

この関係性は僕はとても素敵だなと思っていて、誰かに力が集中すると関係性に強弱が生まれてしまって、どうしても不利益を被る人が出やすいのかな、と感じています。もちろん圧倒的エースがいる集団はそれはそれで強かったりもするんですけど、僕は今あんまりそれが好きくはないです。

その意味で、シタチノさんの劇団員どうしの距離感はなんだか心地よかったです。
そのあたりは、対劇団員以外にもしっかり出ていたと思うので、客演やスタッフもやりやすかったんじゃないかな、と思っています。僕は居心地が良かったです。

あと、細かいところの配慮がしっかりしているので、客演として参加した際も俳優でいることに集中しやすいってのは結構ありがたかったです。

そういった部分は、たぶんお客さんも敏感だと思うので、たぶんこの団体は箱推しのファンの方々がどんどん増えていくんだろうなーと感じています。
このあたりは、すごく見習わなきゃなーと。

作風としても、松浦作品はとても見やすい作品だと思うので、普段舞台を見に行かない人にもオススメしやすいと思うし、これからたくさんの人に支えられて大きくなっていくといいなーなんてことを思いました。

顔合わせの時の集合写真

作品について


すごくバカバカしい作品でした。
ロマンチックファンタジーだと思っています。
(良い意味で)情報を雑にブチ込んで、あんまりちゃんと回収しないっていうスタイルは僕は結構好きで、そこはお客さんが勝手に補完してください!って形はほどよく頭を回転させながら見れると思っています。

別に伏線ってほどのものはないし、ミステリーでもないので、観劇をしながらそこまで思考にリソースを割かなくていいっていうのは、演劇という娯楽ではとても良いと思っています。

ただ、願わくばこういう作品は劇場で見たいなーというのは個人的に思っていたりもします。
今作で言えば、河川敷というシチュエーションで、帰宅部と委員長の恋を河川敷にいる人たちで応援するという構成ですが、この"河川敷にいる人たち"に観客も含められたらもっと楽しい作品になったかな、と思っています。

その繋ぎが出来るランニングマンという役もいるので、囲み舞台にしたりなど、舞台と客席の境界線を曖昧にしたり、時間すらも舞台上と客席とリンクしていると、頑張っている人を応援する、というエネルギーがより集まったのかな、とも感じます。

ただ、感染症対策的にも難しい面もあると思うし、さらに良くするために自分ならこうするかなーと漠然と考えてるだけなので、今回の演出が悪いとか不満とかじゃないので、そこだけはきちんと否定させていただきます。

最終稽古の時の集合写真

お芝居について


今回演じた帰宅部は、結構自分との距離を感じた役でした。
初見で読んだ時は、早く告れば良いのでは?とモヤモヤしながら読んでました笑

あと、彼はとても周りに影響されやすく、なんかちょっといい感じに扱ってもらったりすると、すぐその気になったりします。
僕はどちらかというと、自分の機嫌は自分でとりたいと思って生きてます。
まぁ、理想は自分の機嫌は自分を取りつつ、周りにものせられる感じなんだろうなーとも思ってます。

なので、今回はあまり自分の中にあるものは使わないように気をつけてました。
どちらかというと、普段僕は自分の中にある要素を役に当て嵌めていくような作り方が多い気がしています。
その意味では、普段のお芝居とはだいぶ感じが違っていたのかもしれないです。
全然そんなことないかもだけど。

あと、芝居をする上で出来るだけ嘘はつかないということを今回かなり意識していた気がします。こういうファンタジー作品は、設定やセリフが現実離れしている事が結構あるんですが、とはいえ登場するのは基本的には人間なので、人と人がきちんとやりとりをしている、という事をないがしろにすると、途端にチープになると考えています。
少し現実離れした作風だからといって、表面だけで芝居をして、やってる感を出してしまうと、残念ながら良い作品にならないなーと思っています。

そういう作品をたくさん見てきたからこそ、今回はかなり意識して取り組んでいました。
まぁ、それはかなり難しいし、俳優として鍛錬が足りてない部分も今回かなり露呈していたので、自分が自分に自信を持てるようになるのはそういった部分に向き合い続けるしかないなーと反省した公演でもあります。

あ、でも今回セリフ覚えはかなり頑張りました。
いや、覚えるのが当たり前やんって言われると思うんですけど、僕はセリフを覚えるのがとても嫌いです。

いつもちょっと言い訳をして、出来るだけ稽古後半に覚えるんですが、今回は稽古中は台本を持って芝居をしないという事に結構こだわりました。

持ったら負けだと思ってました。
別に誰かに言われたわけではないんですが、今までの自分を振り返った時に、台本をさっさと頭に入れて、その後改めて台本と向き合った方が作品に対する思考がクリアだったなーと思いました。
セリフを覚えていない状態で台本を読むと、「これ覚えなきゃなんだよなー」という思考が邪魔をして、何となく台本を読むのが嫌になったり、自分のセリフばっかりを追ってしまうことが多かったので、ちゃんとセリフを覚えて稽古に臨むということにこだわりました。これは大正解でした。

あと、朝イチで自分のセリフを一度声に出して読む、という事をやっていました。
今回の芝居は、新鮮味が大事だなと思っていて、ナリでやってしまうと途端に嘘をつかないと出来なくなってしまうので、極力小屋ではセリフを確認しないで、出来るだけ最後にセリフを口に出した時から時間が空くようにやってみました。

これはこれで成功だった気もしますが、ただ新鮮味を保つにはもう一手必要だったなと感じてます。これは今後の課題です。

最後の集合写真

自分のこと


2016年に上京し、約6年こっちでお芝居をしてきましたが、来年から少し活動を落ち着けようかな、という気持ちになっています。
最多で年12本という、今思えば頭おかしいなって思うくらいには芝居づけの日々でしたが、今までよりは少し距離を空けようかなって気持ちです。

正直、コロナの影響は結構受けてます。
たくさんの仕事が消えていって、最初のうちは仕方ない、大丈夫と思っていましたが、徐々に今自分はお芝居をしたいんだろうか?という疑問が生まれてきました。

お客さんに喜んで欲しいとも思っていますが、僕はどちらかというと自分がお芝居やりたいからやってるって感覚が結構あります。
好きで、楽しいからやっています。
ただ、この楽しいって、他では経験できないんだろうか?お芝居である必要って本当にあるんだろうか?とここ2年くらい考え続けています。

演劇や映画を取り巻くハラスメント問題も色々と考えてました。
業界として、良い方向になっていくといいなと思うし、そうあるべきだと思っていますが、過去自分が受けた・行った事についても考えた結果、すぐには答えを出せない面もあったりして、なんだか言語化できていない何かが、演劇というものへの気持ちを少し後ろ暗いものに感じさせているような気がしてます。

最終的に自分はどうありたいのか、その辺りは今はまだ正直わからないので、前のような距離感で演劇と接するのはやめとこっかな、という気持ちです。

とはいえ、急にやりたくなるかもしれないし、やっぱ演劇はもういいかとなるかもしれないし、そんなことは分からないし、少し寂しいけど、それくらいの距離感の方が自分にとって健全な気もするので、ゆっくり考えていこうと思います。

あと、去年くらいから演劇から距離を取り始めてるんですが、皮肉な事にお金周りはとても改善しているので、精神衛生上はむしろ+という、なんだかなあという気持ちも含んだ充足感はあります。

演劇すればするほどお金周りが難しくなるという環境をどうにかしたい感は、結構ずっとあるので、来年はそっち方面で何かするかもです。

以上になります。
最後身の上話になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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