アメリカの医薬品の価格設定プロセスがおかしい($HIMSの優位性)
HIMS株についてyoutubeで勉強していた際に、以下の動画を見つけて面白い話があったのでこちらでまとめます。
アメリカの医薬品の流通ルート
サムネの通りアメリカの医薬品の流通ルートはこんな感じ
これを見た際の多くの人の感想としては以下の通り
DRUG MAKER・・・薬を作るのだからいる
DISTRIBUTOR・・・薬の輸送、処方する薬局、どちらもいる
INSURANCE COMAPNY・・・医療費の負担が減るのでいる
PHAMCY BENEFIT MANAGEMENT(以下、PBM)・・・???
なんだか、1つだけ謎の組織が組み込まれていませんか?
アメリカの医薬品の価格設定には、多くの複雑な要因が絡んでいます。主要な要素として、PBM(薬剤給付管理会社)、リベート(rebate=賄賂)、フォーミュラリー(formulary)、そして保険制度が影響を与えています。それぞれを順に見ていきましょう。
1. PBM(Pharmacy Benefit Manager)
PBMは、保険会社と薬局、製薬会社の間に入って薬剤費の管理や価格交渉を行う企業です。彼らは薬剤の購入価格交渉をし、保険プランのフォーミュラリー(薬剤リスト)にどの薬剤を含めるかを決定します。また、PBMは医薬品メーカーからリベートを受け取ることが多く、このリベートが薬剤価格の設定に影響を与えています。
2. リベート(賄賂)
リベートは、製薬会社がPBMや保険会社に対して支払う割引です。リベートの目的は、製薬会社が自社製品をフォーミュラリーに含めてもらい、利用者がその薬を優先して使用するよう促すことです。PBMは、フォーミュラリーに薬を入れるかどうか、または薬の位置づけ(どの段階で推奨されるか)をこのリベートの額によって決めることが多いです。このリベートがPBMの収入源となり、薬剤価格の高騰を引き起こす一因ともなっています。
3. フォーミュラリー(Formulary)
フォーミュラリーは、保険会社やPBMが提供する「推奨薬リスト」です。このリストに含まれる薬は、保険の補助が多く効き、自己負担額が低くなることが一般的です。フォーミュラリーの位置づけによって、患者が払う薬の自己負担額が変わるため、患者はなるべくこのリストに載っている薬を選びやすくなります。PBMはリベートの額を基にフォーミュラリーの位置づけを決めるため、製薬会社はリストに載せるために高いリベートを支払うことがありますが、最終的にこのコストが薬の価格に転嫁されることがあります。
4. 保険制度(Insurance)
アメリカの医療保険制度は、公的保険(MedicareやMedicaid)と民間保険があります。民間保険の場合、PBMが価格やフォーミュラリーの管理を行い、薬代の自己負担額を決定します。MedicareやMedicaidなどの公的保険もPBMを活用していますが、特にMedicare Part Dでは特定の医薬品をリストに含める基準が設けられています。
要約
医薬品提供に当たってPBMにリベート(賄賂)を贈ることでFormulary(推奨医薬品)認定を受ける確率が上がるため、賄賂分も医薬品の価格が高騰する
高騰するHUMALOG(糖尿病向けの薬)とその利益
上記の画像はHUMALOGという薬の価格推移
購入代金(List price)だけは高騰する一方で、企業利益(Net revenue)はほぼ横ばい
こうなったのもリベートが原因で、
リベートの継続支払い
リベートは一度だけの支払いではなく、契約期間中にわたって継続的に支払われるものが一般的です。PBMは毎年、フォーミュラリーを見直し、どの薬品を推奨リストに載せるかを決定するため、製薬会社はPBMに対して年々リベートを支払う義務を負います。価格の引き上げでリベート分を回収
リベートの支払いが年単位で続くことで、製薬会社はそれに見合う収益を得る必要があります。これにより、薬の価格を高く設定したり、さらに引き上げたりすることで、PBMに支払うリベート分を回収しようとするのです。このため、患者が支払う薬代や保険会社の負担も結果として高くなる傾向にあります。価格設定のインセンティブ
PBMはリベートが大きい薬品を優遇するため、製薬会社にとってはリベートを多く支払うことがフォーミュラリーの上位に入るための戦略になっています。PBMもリベートが収入源となっているため、この仕組みが続くことで価格上昇の圧力が年々積み重なるのです。
一方HIMSは・・・
オンラインから即座に相談可能なため、中間業者が少なく、独自ルートで商品を販売する影響で賄賂を払う必要もありません
企業直後は宣伝に多額の投資をしていたものの年々増加する会員数の影響から、宣伝への投資比率も減少
より、医療に専念できる環境が整っています
中抜きなどの悪しき制度を破壊しようとする会社というわけです
もっと伸びる(確信)