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確信の盛岡(2022.10.18-19)④

翌朝、起床してカーテンを開けると、窓の外があまりに美しくて散歩に出かけるか迷い、結果、出かけず。
ゆっくりと準備して8時前に散歩+お茶をしに喫茶店を目指す。開運橋から見える岩手山が昨日も今日も美しい。わたしがいない明日もきっと美しいのだろう、安心する。

駅の反対側に行ったことがないなと思って、わざわざ反対口の喫茶店に向かってみる。
ユニゾインに入っているナガハマコーヒーへ。秋田のチェーン店が岩手県に出店しているらしい。
自分の好みとは違う浅めのコーヒーだったけれど美味しい。好みのタイプではないのに美味しかったお店は、本当に美味しいのだろうと一目置くことにしている。平日限定のモーニングセットで、トーストがついてきたのもよかった。

そして、多分昨日の麺+麺で調子が狂っているのだと思うのだが、モーニングをしたそばから締めのじゃじゃ麺。
盛岡は行きたいお店が多すぎて困るけれど、昼までには発たなければいけない…そんなわたしでも行くことができたのが朝から開いている老舗「白龍」の本店である。

水曜日の10時、入店するとまさかの満席。一体誰が来ているの?けっこう地元の人っぽい雰囲気もあるし、落ち着いているけどたぶん旅行者なのだろうと思しきカップルもいるし、まるで理解できない。
しかも、「常に満席なのだが待ちない」という奇跡のようなペースで客が回転していて、これが老舗のなせる技?と慄いた。誰かが退店するとすぐ誰かが入ってくるのだ。そんなふうに混んでいるのにとても静かで老舗の風格が漂っていた。なんていうか…お茶の席みたいな、謎の厳かさがあった。

いつもついつい冷麺を選んでしまうわたし、お店でじゃじゃ麺を食べるのは初めてだ。お店の女性たちは皆優しく、「これを、こうして」「はい、紙エプロン」と忙しい中でもドンピシャのタイミングで世話を焼いてくれる。卓上にも食べ方の説明が置いてあるので安心だ。
わたしはできるだけ顔を動かさないようにして左右の人をキョロキョロ盗み見ながら、机の上の調味料を「こんな感じ?」と入れてみたり、ちーたんたんを作ってみたり、初めてのじゃじゃ麺体験を心ゆくまで楽しんだ。
それにしてもちーたんたんを考えた人はすごい。スープにして客に飲ませることによって、劇的に洗い物が楽になるに違いない。

時間ジャストくらいで慌ただしく盛岡駅に戻り、予約していたはやぶさに乗車。
いざ、帰宅…ではなくここからさらに北上し、目指すは八戸、また青森に舞い戻るのである!
そういうわけで東北旅はあと少しだけ続くが、盛岡へのふんわりとした好感は、「この街、やっぱ推せるわ」という確かなものに変わっていた。

おわり。

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