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薬剤師の役割とは?〜かまいたちの発言から〜

ネットニュースで騒がれていましたね。

薬剤師の仕事は裏方で、性格的に出たがらない方が多い。実際にお薬をお渡ししていても、なかなか理解していただけず、初回のアンケートを拒否されたり、「医者に聞いたから説明するな」と言われたこともあります。この前の「ブラッシュアップライフ」みたいに、主役の方の職業として取り上げていただけると、啓蒙につながるのかなと思います。

ブラッシュアップライフ 公式Xより

このドラマでは、調剤薬局あるあるなシーンもあり、また、主人公の麻美が、祖父のお薬の飲み合わせに気付き、祖父の病態悪化からの死を防いだシーンもあって。一般の方との認識の違いに気付かされました。

以前も薬局の裏側については記事にしていますが

薬局は構造的に話し声が聞こえてしまうので、私は、なるべく症状については詳しくお聞きしないようにしています。しかしそれでも、漢方薬、抗生物質などをはじめとする、複数の疾患に効果があるお薬などは、症状を聞かないと説明が出来ません。

また、処方箋に不備があることも多く、医療機関に問い合わせるために、いろいろ患者さまに聞かなければならないことも。

以下は、最近、医療機関に、問い合わせたものの一例です。

呼吸器科で喘息の吸入がでていた男性。「湿布だけだから喋る時間なんていらないだろう、早くよこせ」と言われたことがあります。しかし、喘息の方のなかに、痛み止めで喘息発作が起きる方がいます。そうなると使える湿布が限られます。湿布でも発作がおこる可能性があるからです。医師が処方してきたのは、使えない湿布。痛み止めで喘息発作がおきたことはあるか、お聞きしたところ、あったとのこと。別の湿布に変更になりました。

つい最近では、飲み込む力が弱くて、薬を飲むのが大変だと訴えがあったおばあちゃん。
同じ成分のお薬では、粉薬も、口の中で溶けるOD錠もなかったので、作用が似ているOD錠があるお薬を書面にて処方医に提案させていただいたりもしました。

他のクリニックで、同じ成分のお薬が出ているのに、まったく同じ薬が処方箋に載っていたこともありました。
ジェネリック推奨前は、皆、先発品が処方されていたので、ジェネリックの名称と結びつかないため、見落とす医師が増えたような気がしています。
こちらは処方が中止になりました。

昨日は、高齢の方に、量が多すぎる睡眠剤の処方があったり、緑内障で治療中の方に、眼圧をあげてしまう働きがある鼻水を止めるお薬が処方されていたり、次回受診までの日数を考えると、目薬の本数が足らなかったり。3〜4回は病院に問い合わせています。

処方入力ミスで全く違うお薬が出ていたことも、一度や二度ではありません。医師も人間ですから、ミスはあります。

クリニック内で出ていた錠剤がフニャフニャになったと持ってきたおばあちゃん。なんでも冷蔵庫に保管しているらしく、ずっと冷蔵庫に入れていたみたいで。しかし、それは、湿気に弱いお薬だった。お薬の保管方法については、さすがに医師からは説明がなかったみたいです。

お薬だけ渡せばいい!
そいつが見たって薬は変わらない!

残念ながら、そう思われてる方は、まだまだ多いです。院内に戻してダブルチェックすればよいと。お金が安くなると。しかし、院内で薬剤師が雇えるのはある程度の規模の病院。小さいクリニックでは、採算がとれません。特に今の薬剤師は6年制を出ているので、初任給も高い。

私たち薬剤師は、患者様が、健康でいられるためのお手伝いをさせていただいていると思っています。

私も、安全、安心にお薬を飲んでいただけるよう、これからも、学びながら、日々の業務に励みたいと思います。

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