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プレイバック関西ラクロス2019 データ編⓲

上の画像は10年前の開幕戦のチケットです.ゴーリー、カッコいいですね.

勝利の法則 続きです.面倒な数式ばかりですが、もう少しだけお付き合いください.勝つということはどういうことか、分かると思います.⓱を読まれていない方は、先に⓱を読んでください.

・アルファの真実!

⓱の続きですが、⓱にて、勝利の法則式は、

P1 + α * (S1*G1-S2*G2)  > 0.5  …(3)'

と、導き出せました(ほんまかいな…).式(3)´の左辺を言葉で 言いますと、

自チームのポゼッション率と、( SG率の相手との差にαをかけたもの ) の和

と、なります.SG率とは、ショット率とゴール決定率の積です.ショット率とは、敵陣までボールを運んだなかで、ショットまで辿り着けた比率です.なんとなく、イメージできるでしょうか.勝つ、ということは、どれだけポゼッションできたか?ことと、そのボールをどれだけゴールに結びつけられたか(の、相手との差)、の足し算と考えられる、ということなんです.ただ、その足し算の際には、αという数値が絡んでくる、ということなんです.先程は、私が調べた昨年のリーグ戦(1部,2部の計28試合)の平均値をα=0.85と紹介しましたが、平均値だけでなく、もっと詳しく調べましょう.⓱での式(3)を繰り返しますが、左辺であるゴール比率は別の表し方ができるようになりました.

P1*S1*G1 / (P1*S1*G1+P2*S2*G2)
=P1 + α * (S1*G1-S2*G2)  …(3)

ここから、実際にデータを調べた昨年のリーグ戦28試合から、左辺と右辺が同じになるような共通したαを、求めてみます.では、まずは、下のグラフを見てください.

画像1

このグラフは、28試合分なので、両チームのデータとして倍の56点ありますが、式(3)での、α=1としたときの、右辺(X軸)と左辺(Y軸)の分布で、中央の斜めの直線が、Y = X です.右辺と左辺が等しいのなら、点は全てこの直線上にのるはず、もしくはそこまでは無理でも、多数の点から一次相関を取ると、その近似式が、Y = X に近づくはずです.α=1の結果としては、点の分布は高い一次相関を示していますが、Y=Xからは少しずれています.

次に、先ほど計算した、28試合分の平均値、α=0.85にてグラフを描いてみますと、もう少しましになるはずで、

画像2

おぉ、ほとんどY=Xに近づきましたね.当たり前か….でも僅かにズレているんですね.実はα=0.85でY=Xと重なると思っていました.

ということで、α=0.85近辺にY=Xと重なるようになるαがあるはずなので、αの値を変化させながら、Y=Xにどこまで肉薄できるか、探してみました

画像3

おぉ、いかがでしようか?ほぼバッチリンコにあうαに出会えましたね.点群から作られる一次関数は、ほぼY=Xと言ってもよいと思います.結局のところ、

α = 0.789

でした.先程の、平均値0.85とも少し近いですね.最後に、式(3)や(3)´の説明を再度しつつ、まとめますと、

ゴール比率(その試合での、相手とのゴール数の割合)

というのは、比率なので、50%より大きいと(0.5より大きいと)、その試合は勝利、ということですが、このゴール比率は、言い換えると、

自チームのポゼッション率と、

(SG率の、相手との差)の八割程度 (α=0.789)

の、和

で、表すことが可能なのです.(この和が0.5より大きいと勝利ということ)

いかがでしたか?2回に渡って、嘘くさい式を羅列してきましたが、詳細はさておき、私個人としてはかなり長期に旅行に行ってた気分です.やり遂げた満足感はありますが、これでいいのかな、という思いのほうが強いですけど.個人的見解も入りましたが、私が重要と考える、ポゼッション率、ショット率、ゴール決定率の3つの率から、勝利の法則を導けました

実は、考えた順序が逆でして、最後に示したα=1のグラフ(つまりSG率には何も掛けていない)を作ったところからこの課題は始まってました.それだと、Y=Xからの乖離が大きく、そこから、αと名付けているものは一体何なんだ?と、もう一年近く考えていました.最近になって、特に理由はありませんが、思い出したように数式を解いてみたら分かってきた次第です.

試合中であっても、リアルタイムでこれらのデータを取りながら、ここを伸ばせば勝てるぞー、などとアドバイスできる日が来るのでしょうか.

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