見出し画像

16話 BI時代に勉強は必要か

これは、ベーシックインカムが実施された近未来を想像した物語です。
Living with BI 〜ベーシックインカムがある世界〜
働かなくても食べていける時代に勉強は必要なのでしょうか?
今回はそんなお話です。

ベーシックインカム時代における勉強の意味
ベーシックインカムの話を描いていて、「働かなくても食べられるようになるなら勉強はしなくてもいい」と短絡的に考える人が現れるのではないかと思い、今回の話を考えました。お金は価値を数値化しやすいですが、もともとは価値を交換するために発明されたものなので、交換する価値がなければお金は意味を持ちません。

ベーシックインカムによって支えられるのは最低限の生活に必要なお金になるので、皆がそれをもらえる環境であれば、生活費には困らなくなっても、能力差による豊かさはより強調されてくると思います。競争社会からは開放されても、心理的優位とか自己効力感には引き続き左右される可能性が高いと考えます。

では、勉強によって得られるものは何かを考えてみると、それは自分を取り巻く環境をより豊かにするものであることがわかります。勉強や訓練などによって自分が得たものは、自分自身に価値をもたらす無形の資産になります。いったん自分の身につけば奪われるものでもありません。

ただ、自由時間も圧倒的に増えるので、発見した自分の才能を伸ばしたり、得意なことやりたかったことを追い求めていくというのは豊かな人生につながっていくに違いありません。昭和時代は待遇の良いところに就職するために勉強するという時代でしたが、ベーシックインカムの時代は、自分が心豊かに生きるための勉強が主流になってくるのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?