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MTGAドラフト『エルドレインの王権』~ミシック到達ガイド~

 はじめまして、オリヒカ/祝と申します。多くの諸兄は「誰だよ」って感じだと思いますので、手っ取り早く自己紹介いたしますと

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 ↑これ↑を作った者です。
(ご存知ない方はMTG Coon様の解説記事などをご覧ください)

 本当なら「GP●●●● TOP8」みたいな輝かしい経歴を書き連ねたいのですが、マジで何の実績も無いので断念しました。しかし逆に言えば、本記事は筆者みたく凡庸な腕前でもミシックに到達できるガイドなのです。

 ……自分で書いてて悲しくなってきた。

■記事概要
 ・MTGAのランク戦ドラフト『エルドレインの王権』で
 ・勝率7割、プレイ時間半日で(下図参照)
 ・ミシックへ到達した方法をまとめたガイド
 ・有料記事だけど大半は無料(とりあえず、読もう!)

■想定読者
 ・ある程度MTGAドラフトの経験がある方
 ・手っ取り早くリミテッドでミシックに到達したい方
 ・大晦日に構築ランクの順位を気にしたくない方

ラダー戦績

~前説~

1.『MTGAドラフト』の特徴

 前提(筆者の認識)共有のため、本題の前に二つお話しします。まず、『紙のドラフト』と『MTGAドラフト』は全くの別モノとお考えください。

 巷のドラフト攻略記事にはよく「シグナルを読む/流す」とか「卓内で混んでる色/空いてる色」とか書かれていて、それはたしかに『紙のドラフト』においては大事なことです。しかし、『MTGAドラフト』では考えるだけ無駄と言っても過言ではありません。

 ご存知の通りMTGAでは「ドラフトの卓を囲む他7名がNPC」であり、NPCは何らかの基準に従ってピックするため、周囲のピック傾向が毎回一定なのです。その結果、混む色も空く色も高確率で同じになります。

紙ドラAドラ

 これはあくまで体感ですが、NPCのピック傾向はある日突然ガラッと変わるように感じます。裏を返せば、その日までは「黒が強いけどロクに取れない」「白がやたら流れてくる」といった状況がずっと続くことになるのです。これはMTGAドラフト最大の特徴と言えるでしょう。

2.『エルドレインの王権(ELD)』ドラフトの特徴

 次にELDドラフトについてです。とはいえ詳しく話してたらそれだけで記事になっちゃうので、詳細は参考文献に丸投げして要点だけ解説します。

・単色デッキが強い
 一徹呪文・混成4マナ・トリシンレアを好きなだけ使えるため、2色より単色の方がデッキパワーが高いという逆転現象が起きています。しかも色事故が絶対起きないので、見た目以上に勝率に差が付く印象です。

単色デッキが云々

・ビートダウンが強い
 赤緑白の3色は出来事バットリのおかげで「生物ばかり/バットリばかり引いた」という事態が起きにくく、安定して殴り続けられます。また《筋骨隆々》《塔への閉じ込め》といった攻めの除去が強く、場が膠着しても《ジンジャーブルート》は止まりません。

ビートダウンが云々

・例外は黒緑フード
 上記に当てはまらなないアーキタイプの内、一番よく見る(≒組みやすくて強い)のは黒緑フードです。食物でライフを保ちつつ、《パンくずの道標》や《不死の騎士》で消耗戦をしかけてきます。

例外は黒緑

■参考文献
 行弘賢のよくわかる!リミテッド講座
 『エルドレインの王権』ドラフトをもっと深く知ろう
 BIGs 松本友樹『エルドレインの王権』ドラフトガイド

~本題~

1.MTGAのELDドラフトで勝つには?

 ようやく本題なんですが、勘の良い方はもうお気づきのことかと思います。「混む色も空く色も高確率で同じ」「単色デッキが強い」となれば、やることはひとつですね。そう、

決め打ち

 です。実はELDに限らずMTGAドラフト全般で決め打ちは有効なんですけど、ELDでは特に強力です。単純すぎると思われるかもしれませんが、それゆえに簡単で実践しやすいとも言えます。では一体、何を決め打つのか? ずばり申し上げましょう。

 本記事投稿現在、赤単アグロ決め打ちが板です。その理由は次章でご説明します。

 ちなみに11月は青単LOが板だったのですが、NPCのピック傾向が変わってパーツが殆ど流れなくなり、今は全くと言っていいほど組めなくなっています。次はいつ何が板になるのかわかりませんが、年内は赤単が板のまま続くのではと予想しています(賞味期限が切れていたら追記します)。

【追記】久々にやってみたらガラッとNPCのピックが変わっているようでした。赤単が駄目かどうかはわかりませんが、本記事は賞味期限切れとなります。

 話は更に脱線しますが、板がわかっている内にミシックになっておくべきです。現シーズンのMCQ権利を既に持っている場合でも、翌月のスタート地点がプラチナ4からになるので無駄ではありません。ゴールド1とプラチナ4の差は大きく、もし翌月に板が変わっていて負け散らかしても、ランクは下がらないため非常に安心です。

2.なぜ赤単アグロ決め打ちが板なのか?

 話を戻しまして、赤単が板な理由をご説明していきます。

とにかく安い
 NPCが全然赤を取らないのか、各マナ域のクリーチャーと除去が満遍なく押し寄せてきます。常に卓一なんじゃないかと疑うレベルです。そのため「決め打ったけどカードが取れない」という事態がほぼ起きません。

・安定して強い
 いくら安くても弱かったら意味ないわけですが、幸い赤単アグロは先に述べた「単色が強い」「ビートダウンが強い」両方を満たした強アーキタイプです。また基本はひたすら殴るだけのデッキなので、白緑出来事や赤青ドロー等でありがちな「パーツが揃わず負け」というリスクがほぼなく、安定して強さを発揮できます。

噛み合いデッキの例

 その他「プレイが簡単」「試合時間が短い」等のメリットも重なり、非の打ち所がありません。後者はランク上げの観点からすると地味に重要ですね。ミラーが先手ゲーなのはご愛嬌といったところでしょうか。余談ですが、筆者がミシック到達までに一番負けたのはミラーマッチでした。

3.赤単決め打ちの成功率

 「安い」「強い」「赤単が板」と言われても、証拠がないと信用しづらいかと思います。冒頭で勝率7割とは書きましたが、もう少し詳しくご説明しましょう。あ、この章は興味がなければ読み飛ばしても支障ありません。

 筆者はゴルード3→ミシックの間に14回ドラフトを行い、そのうち11回を赤単決め打ちでピックしました。その結果が下表です。

決め打ち結果

 狙い通り赤単を組み上げて完走(7勝0~2敗)した7回は決め打ち成功と言えるでしょう。逆に言えば、赤単を組むも弱い仕上がりで勝ち切れなかった2回と、赤単にすらならず赤黒で惨敗した2回、あわせて4回は決め打ち失敗ですね。

 赤単決め打ちの成功率は約64%となります。計算上は成功率4割(成功7-2、失敗0-3と仮定)でもランクは徐々に上がっていくので、6割超えなら十分な成功率だと思います。

 なお、赤単決め打ちしなかった3回は以下のとおりでした。決め打ちをしない判断基準については、有料部分で少しだけお話ししたいと思います。
 ①1-1《グレートヘンジ》から緑単(7-1)
 ②1-2《不死の騎士》、1-3《不死の騎士》から黒緑(7-2)
 ③1-1《意地悪な狼》、1-2《太っ腹、グラングリー》から赤緑(4-3)

4.サンプルリストと実際の完走リスト

 ここまでで「赤単決め打ちが板」という主張はご理解いただけたかと思いますので、ここからはどのようにピックしていくのかを解説していきます。まずは完成形のサンプルリストをご覧ください。

サンプルリスト

 現実的に狙える内容(レア0 アンコ4)にしていますが、これくらいのデッキが組めれば7勝も可能かと思います。加えて、筆者が実際に7勝したデッキ7つも掲載します。noteに画像を7枚も貼るとあまりに見にくいため、Googleスライドにまとめてみました。お手数ですが下記リンク先をご参照ください。

ELD赤単 完走リスト集

5.カード評価とピック基準

 次に、完成形へ向けてどういった基準でピックを進めるかについてです。まずは下の評価一覧表でざっくりとカードの強弱を把握してください。同ランクでは左にあるほど評価が高いです(Fだけ順不同、未掲載の無色カードはE~F扱い)。

ピック優先度

 念のため補足。あくまで「赤単決め打ち視点の評価」であり、他のアーキタイプをやる際にはアテにしないでください。極論ですが1-1に《アイレンクラッグの紅蓮術師》があったなら、ピックして赤青ドローを狙った方が良いです。

 基本的には評価が高い順にピックしていけば問題ないでしょう。マナカーブや生物:スペルの配分が、サンプルリストから大きく崩れなければOKです。もちろん細かいピック優先度や例外は色々ありますので、主要なコモン・ アンコモンについてマナカーブ順に解説していきます。サンプルリストや評価一覧表と合わせてご覧ください。長くなるので以下は常体で。

■1マナ生物 目安:2枚
《イタチ乗りのレッドキャップ》

 極力初手に欲しいため2枚固定の枠。火吹き能力により終盤まで腐らず殴り続けられる。人外(人間でない)かつ騎士というタイプも優秀で、《燃焦苑の教練者》《僻境の暴虐》等との相性は最高。ただしドンドコ流れてくるので早めにピックする必要はない。(以下、レッドキャップ→RCと記載)

《ジンジャーブルート》
 白や緑と違って恒久強化する手段がほぼ無く、毎ターン1マナの支払いも地味に重たいため評価は下がる(《イタチ乗りのRC》はマナを立たせるだけでスルーしてもらえる)。採用するケースは《イタチ乗りのRC》が2枚未満なのが前提で、生物全体も数が足りない場合の水増し、もしくはトランプル持ちが皆無な際にバットリの乗せ先として。

■2マナ生物 目安:4~6枚
《七人の小人》、
《リムロックの騎士》
 2マナ生物はこの2種だけで埋めること。《七人の小人》は枚数が増えると加速度的に強くなるバケモノカード。《リムロックの騎士》は出来事も種族も極めて優秀。どちらも赤のトップコモンなはずだが、不思議なことに6~8手目でも流れてくる。前者は何枚でも高優先度でピックし、後者は1枚取るごとに評価を少し下げつつピックする。

《突き破り》(攻撃時限定の対象+2/+2、人外全員トランプル)
 1マナスペルだけどここで解説。《リムロックの騎士》が1枚以下のときに水増しとして検討する。人間が3枚以上いると使いづらさが急増する(当社比)ので注意。

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 申し訳ありません。以下は有料部分となりますので、購入検討の参考として残りの解説カードを列挙しておきます。ここまでで「面白かった」「役に立ちそう」と思っていただけましたら、ぜひご購入お願いいたします。

■3マナ
《レッドキャップの略奪者》《ヘンジを歩く者》《怒り狂うレッドキャップ》《硫黄投石器》
■4マナ
《湖のドラゴン》《塁壁潰し》《火生まれの騎士》《首狩りの精鋭》《エンバレスの聖騎士》《オーガの放浪騎士》
■5マナ
《勇敢な騎士、カラ卿》《燃焦苑の教練者》《焼尽の連射》
■スペル各種
《レッドキャップの乱闘》《焦熱の竜火》《殺戮の火》《初子さらい》《投げ飛ばし》《僻境の暴虐》《紋章旗》《切り離す一撃》《ドワーフの鉱山》

+「補足:決め打ちをしないケース」

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