2月29日

雨の音による催眠効果なのか、今朝は長く眠っていた。お昼に、チーズパンをフライパンで温めコーヒーを飲む。休日とはいえ、ゆっくり寝過ぎだよなぁと思う。視聴期限と提出物の期限が同時に迫ってきていた。
12月に観に行った舞台、山田うん振付「ノクターン夜想曲」の配信を見る。2列目の間近で見た舞台を、配信ではカメラワークにより別の視点から。ダンサーの表情を、どう見ていたかに違いがあると思った。舞台では全身の気迫から表情の気配を嗅ぎ取るように見ていたと、映像であらためて思う。映像では、顔そのものから表情の機微をはっきり見る。振りを追随的に見ているかもしれない。
フレーズとしておぼえのある振りが、いくつかでてくる。短いストーリーとして区切ってみていたパートも、懐かしくでてくる。音楽は、それ以上によりはっきりおぼえている。たった一度聴いた音楽は、ずっと耳に残っていた。それが、もう一度現実に再生されていることに感動してしまう。舞台のためにつくられた一連の曲には臨場感があって、何度聴いていても即興演奏みたいにかんじる。作曲はヲノサトル氏。

薄い文庫をコートのポケットに入れていて、帰りの電車で『限りなく透明に近いブルー』を読んで夜道を歩く。強烈に美しいシーンが同じ日に刻まれてしまう。冬空の下で溶け合う。曲を聴くと、「リュウ」がいる気がしてしまう。

浸るような時間芸術にふれていたにも関わらず、今度はオンライン講座のアーカイブを見て、こんな切断的に急かされるように何してんだろうという気が少しする。夜になると、トークイベントのリアルタイム配信も視聴した。白石正明さんありがとうイベントの最終回だった。
旅行をして、立て続けに思いもよらないことが起こってそれに立ち会ってる、みたいな感じに自分のモードが変わった。振りのあるフレーズを認識するように、貴重な時間の流れのうえをぴょん、ぴょん、跳んでいるんだ。


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