5月11日

天気がとても良くて、毛布を洗って干した。

ひと月ぶりの甥との約束。
駅で待ち合わせると、早速アプリの将棋対戦をしたがる。いつもならば電車で通路に仁王立ちで動かない対戦をするのだけど、今日は素直に座った。
アジア美術館に着いてもまだ、展示室の前のいすに座って1戦終わるまで打った。

谷川俊太郎絵本展。
甥がどのくらい、谷川俊太郎に親しんでいるかあまり知らなかったのだけどつきあってもらう。低学年の時に、スイミーを暗唱してくれたことがある。
それがすごく印象に残っていた。
その訳は俊太郎さんだよとだけ、伝える。
はじめは「ふぅん?」という反応だったものの、だんだんこの部屋の楽しみかたをかんじはじめていた。コップやまるのおうさまよりも、「すきのあいうえお」という、ぱ、ぱ、とことばと画が切り替わる動画を、(低い体温で)いっしょに楽しむ。「〇〇かな?」とクイズみたいに答えながら見ていると、ダジャレっぽくかわされる答えがうつるので、くすくす笑う。そうしてるうちに、からだとあたまがほぐれてくる。
もともときょうは少し疲れているみたいだよな、と思う。
めずらしく「ずっとたちっぱなしで疲れた」といっている。
ちょうど、「もこもこもこ」ルームがあって、薄暗いその部屋のソファクッションに横並びででごろんと寝た。
俊太郎さんの声が、「しーん…」という。
「もこ」「にょき」とつづく。
「あ、この絵本は家にある」と言うので嬉しくなった。
「私は、大人になってから知って好きになった絵本。」
一巡聴くと、俊太郎さんの声が「おしまい」と言った。気持ちよくて、そのまま何巡も聞いていると、甥のいびきが聞こえてきてもっと気持ちよくなる。
今日は少し寝不足なのかな。と思った。
部屋からでても、俊太郎さんの「おしまい」がたびたび聞こえてくる。
こんなに心地いい良い声、なかなかない。

ふたりでお揃いの「おならぼたん」を買った。
本当はこのあと、ふでばこを見にインキューブへ行くつもりだったけれど、
その時間はなさそうだったので、美術館のカフェでいっしょに飲み物をたのんだ。甥は、りんごジュースとバニラアイス。甥は炭酸を飲まない。
わたしは、自家製ジュースとラングドシャ。どれも、ここで作ったことがあるよと話したりした。甥は、かごのゆり椅子にも座ってみた。

夜は、身内で待ち合わせて甥のなじみの店で夜ご飯。
女性歌手の、スピッツ編曲バージョンが流れたのでちいさく歌っていたら、甥もいっしょになって歌った。歌詞をおぼえている。
どうやら、昨夜は深夜まで録画の番組をみたせいで、叱られたらしい。
(しかも、見るなら最後まで見なさい!となったそう。)

少し嫌なことあったのかとか、一月ぶりだから、打ち解けるのにちょっと時間がかかってるだけかなどと色々思ったけど、なるほどとなった。
ふたりで買った「おならぼたん」を「ぼっ」「しりしりしり」「ぶっほ」と小さくならして、気がすむまで遊んだ。

チャクチャスチャフチャス

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