遺書

普通になる努力すらできませんでした。
ただただ、普通になりたかった。愛されたかった。
相手にとって都合が良くないと愛されないのはよくわかっていました。
でもわたしは、このままのわたしで愛されたかったのです。
そんなことが叶うはずないのもよくわかっていたつもりです。
わたしが親から教えてもらったことは、如何に思い通りの操り人形を演じられるかによって、与えられる愛の量が変わるということでした。
わたしは思い通りに操れるお人形を演じられませんでした。
そんな都合のいい話なんてあるわけないのに、無償の愛が欲しかった。ぽっかり空いた隙間を埋めてほしかった。
空虚を抱えたまま生きることに疲れました。
普通にも異端にも成れず、全て終わらせてしまおうと思いました。
わたしは何にも成れないただの欠陥品でした。
わたしが望んだことはそんなに難しいことだったのでしょうか?

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