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裏切りの予感

引っ越し準備は着々と進んでいる。
庭を片付け、ゴミを捨て、新居のDIYを計画し、持っていくものと持っていかないものを選別し、ゴミを捨て、不用品をメルカリに出したり、溜まっていたリサイクル品(バッテリーとか)を出したりしている。

そしてもう一つ、とても大切な準備。

猫である。

野良猫出身のうちの猫は、今ではすっかり「うちの子」になって布団まで入ってくるが「抱っこ」されたりはしない。
そして、猫が好むとされている「狭い箱の中」みたいなところには決して入らない。
段ボールの箱とかがあると、前の猫たちは必ず入っていていたが、今いる彼は決して決して入らない。野良として生きてきた経験が「入ったらヤバい」と告げるのだと思う。

猫は引っ越しが嫌いだ。
うちの夫も引っ越しが嫌いだが、それ以上に猫は引っ越しが嫌いだという。
だが、連れていくことにした。
大変申し訳ないと思っている。

ということで「抱っこ」も「箱に入る」もさせてはくれない猫を、引っ越しまでに「運搬ボックスにお入りいただく」ところまで持っていかねばならない。

ということで、運搬ボックスに慣れていただくために、ご飯を中で召し上がっていただいている。

第一段階の、ボックスの下部だけ(赤いところ)では特に問題なく中に入っていたのだが、第二段階として上部(白いところ)を付けたら、途端に警戒して入らなくなった。分かってらっしゃるねえ。

それでもお腹がすけば渋々入る。入って、口にご飯を入れて、パッと出て、外で食べていたりする。申し訳ないと思うが、ここから更に第三段階の「蓋がつく」に進まなければいけないため、なんとか慣れてもらわねばいけない。

何日か経ち、私がボックスのそばにいると、まあまあ中に入るようになった。
罠を警戒するのであれば、人間がそばにいる時が一番危険だと思うのだが、彼はそうは思わないらしい。奴隷(=私)がそばで見張っているのであれば安心だということのようである。

なんだか心が痛む。

奴隷は、必ずや裏切るのである。
必ず、彼が油断して中に入った時に「パタン」と蓋を閉め、ニャーニャー抗議しても出さず、そしてワケの分からない知らない場所に連れていき、しかも外にも出さないつもりなのだ。

次の家では日向ぼっこできるところも、タワーも作ってあげるからね、ご主人様、とかご機嫌取ってみるが、きっとしばらく許してはくれないんだろうなあ。

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