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ペルー旅日記4 〜DAY1クスコからウルバンバ

なんとなく無口になり動きが緩慢になってきた夫を訝しく思いつつも(夫はあまり「喋らない」ということがない人である)、私はタクシーの交渉に入る。ウルバンバまでは
1、タクシーでクスコ街中まで→コレクティーボ(乗合バス)でウルバンバまで
2、タクシーでウルバンバまで
という選択肢がある。
クスコについた時にヘトヘトかもしれないから、タクシーでウルバンバ直行という線も考えていたのだが、今回、出てくるはずの荷物が一つないことで身軽だったことと、もう一度クスコまで来なくてはいけないということで、1一択となった。
クスコのタクシーは交渉制だと聞いていた。カウンターで頼むと50ソル、ウーバーで19ソル。強者だと10ソルという感じらしい。
15ソルを狙っていたが、いかついおじさん3人に囲まれて「30ソル!ドルじゃなくてソル!二人で30!」と捲し立てられ、とにかくはじめは10と言おうと決めてたのに「二人で20ソル!」と言ってしまう。そしたらあっという間に「じゃあいいよ20ソルで」と言ったのでチクショーせめて第一声を15と言えばよかった!と思う。1回目は敗北。

20ソルは持っているかと聞かれたから持ってるよと言ったら残念そうだった。何を企んでたんだ?
おっちゃんの単語「チャンモイ」がわからなかった。さっきのレストランの彼を思い出し、勉強するのだ!と食いついて聞いてみたら「チェンジマネー」だった。「英語だよ」だって。
山がかわいいことになってる

ウルバンバ行きの乗り場前で止めてくれて、流れるようにウルバンバのコレクティーボへ。事前学習ではいろいろなコレクティーボ(高くて立派なの・安くてオンボロなの)があって10ー20ソルを相場と考えていたが、「7ソル」と。お金は後だから、はい、乗って乗って!みたいな感じであれよあれよと乗り込んでしまったので、他の選択肢があったのか、コレクティーボ乗り場がどんなだったかは不明。

なのでこれは隣のコレクティーボを車窓から撮った。

コレクティーボは満員になるまで発車しない。途中でおばちゃんたちが「もう出ようよ!」と騒いだが、出なかった。客なのかスタッフなのかわからないおっちゃんと、これまた客なのかスタッフなのかわからないおっちゃんの、喧嘩なのか愛情表現なのかわからないコントみたいな言い合いも上演された。

今まで空港・航空機職員としか会ってなかったから「みんな優しい喋り方をするなあ〜同じスペイン語なのに素敵」とか思ってたが、街場のおっちゃんたち、おばちゃんたちは普通にでかい声で喋ってた。ふふっなんだか面白いね。

観光案内所でもらった地図を確認しながら眺める

どんどん高度を下げていき、ウルバンバ10時頃到着
ちょっと外れたところが終着だったので、歩いて町中に向かう。夫が辛そうである。頭が「ちょっと」痛いと。
高山病か、ただの疲れかはわからないが、ホテルは14時チェックイン。あと4時間ある。

中心の広場についた。ここで休もう。
噴水の上はとうもろこしかな?

とりあえず時間つぶしも兼ねて、市場に行って果物買ったり、ジュース買ったりしようよ、と、歩いてすぐの市場へいく。

モデルノデウルバンバ市場

果物を買って、あとは道端で売ってる胡散臭いジュース買おうか?と夫に聞いたら「それはちょっと・・」と言う。確かに具合悪い時に道端で売っているジュースは嫌か。「じゃあボトル入りのジュースか水を買おうか」と聞くと「ああ〜」という返事。ん?なんかこれは思った以上に具合が悪いのではないか?「座りたいか」と聞くと「座りたい」という。
それで市場の3階にあったジュース屋さんに行く。

ジューススタンド

メニューをくれた。おすすめの組み合わせが書いてある。10ソル(=400円)とあったのでへー結構高いな、と思ったが

夫がマンゴーだけがいいと言ったが、おばちゃんが勧めてきたのでオレンジも入れてもらった。

でかいピッチャー一つの値段だった。大きなグラス4杯はいける。これで400円は安い!
ジューススタンドは並びで5つくらいあり、それぞれの店主がやっているようだった。気がつかなくて一番前のところで話しかけてしまったので他はわからない。

ジュース屋のある3階から見下ろしたところ。壮観!

夫がどんどん辛そうになってきたので早いけどホテルに行って入れないか聞いてみよう、と行ってみたがホテルには鍵がかかっていたので諦める。

日本で処方してもらった高山病の薬は予防として1日前から服用で、もうなくなってしまっていた(一人分の処方を二人で飲んだため)。薬局で高山病の薬(ダイアモックスはacetazolamidaというらしい。名前を調べて持って行った)をくれと言ったがないという。
二つめの薬局でもない。仕方ないので高山病の他の薬はない?と聞いたら「これがいい」というので3日分購入。9錠で18ソル(720円)。あとで調べたら頭痛・解熱剤だった。まあ、確かに頭痛はしてるんだけど。

ハサミでチョキチョキしてくれる。

とりあえずはじめの広場に帰りベンチに座る。
水のボトルを渡して、夫は薬を飲みぐったりし、私はその辺を散策する。

なんとなく古い感じのお店たち
犬はその辺でいっぱい寝転がってる
日本だったら「レトロ」と言われるようなおもちゃ
ピントが犬に合ってればいい写真になってたのにな
広場へ戻ってきた。
ぐったりしている夫

薬のことなどを調べ、再度薬局巡りをする。
2つ目で「soroch」という薬が見つかった。

急いで撮ったのでピントがおっちゃんの手に合っている

おっちゃんは「一日一回。いい薬だよ!」と言って一つ2ソル(3日分6ソル)で売ってくれたが、広場に戻ってからパッケージの写真(裏面)を落ち着いて読んだら「一日3〜6錠」って書いてあった。成分もコカやお茶、ニンニクなどだし、サプリメントみたいなものだろう。まあ無いよりはマシだけど、おっちゃん、裏面くらいサッと見ようよ〜!!多分値段も適当にその場で言ってると思うな〜。頭痛薬も一つ2ソルだから、それが何となくの相場なのかな?

これいいな〜。乗りたいな〜
カラスはいないが鳩はいる。猫もいない。
素敵な雀(?)鳩に混じってご飯を突いてた
きゃわゆい!

そんなこんなで時刻は13時。
まだチェックイン時間前だが、再度行ってみようと行ってみたら今度は開いていた。もう準備できてるよと言ってくれた。

カメラを取り出す前に倒れ込む夫。普通だった「写真撮るからどいて」と言うが、流石に今日は黙っていた。

私もちょっと疲れたので昼寝。
部屋のノック音で目が覚める。出るとホテルのお兄さんが「空港から連絡があって、荷物が見つかったそうです」と。ワオ!
「でも書類に不備があるので、いくつか送ってもらいたいそうです」と。
夫の名前で荷物を預けたと思ったが、私の名前で預けていたらしい。紛失届みたいなのは夫の名前で出していたのでそれだと書類的に問題があるようだ。
「どうしてここのホテルに電話が来たのかわかりません」
あっそれは私が「荷物がきたら送ってもらえる」と信じて住所の欄に書いたからです。
「書類さえ揃えば荷物をホテルに送ってもらえますよ!明日には届きますね」と。えー!送ってもらえるの!?やった!!!

それで、その書類を私のワッツアップに送ったというのでスマホを開けたら、クスコ空港から8つくらいの着信があり「早く連絡くれないとリマからクスコに荷物が送れません!!」と書いてあった。すっ、すみません!寝てましたあ〜〜!!

そしてスマホの画面で出さなきゃいけない書類と格闘していると、再度ホテルのお兄さんが書類をプリントアウトして来てくれ、ファックスで送るから署名してと言ってくれた。えーん。よかった!初日は民泊じゃなくてホテルにして!

夫も起きて、少し具合が良くなったと言う。電源が落ちてしまってフリーズしたままのiPadも息を吹き返した。すごいな全部がうまい具合になってきたよ!

と、その時再びノックの音がして、お兄さんが来て、結構な早口で沢山のことを言った。難しい単語が沢山あって混乱したが、どうやら荷物はクスコに取りに行かなければならないようだった。
さっきはすごく分かりやすい表現の仕方で「このホテルに荷物が送られてきますよ」と言ってたのに、今度は何だか一つのフレーズがやたらと長いし、こっちが理解しているか否かに関係なく話がどんどん進んでいく。ちょ、ちょ、ちょっと待って、つまり、私がクスコ空港まで行かないといけないってこと?
お兄さん、一拍の間を置いてから「そうです」と言った。

あっそうか、と気がついた。
あの「明日にはホテルに送ってもらえますよ!」は空港の人が言ったんじゃなくて、お兄さんが「多分そうなるだろう」と思って言ったのだ。そして私が想像以上に喜んだのに、今度はそれを撤回しなくてはいけないのだ。
それでこれはどうにもならないことなんですよということを詳細に説明(だから話が難しくなる)してくれてたわけだ。
可哀想なお兄さん!プリントアウトしてファックスまで送ってくれたのに!

それで私は勝手にお兄さんを困らせてはならない!と思って「大丈夫大丈夫大丈夫!クスコに行って来るね!」と頑張って言って、そのあと混乱を極めた会話を一つ一つ私のわかる言葉で確かめていった。結局話は「クスコに取りに行かないといけない」というだけだった。
再び起きてきた夫にそのことを告げると、夫も「あー残念!めんどくさいね!でも大丈夫!俺も随分良くなってるしさ!」と言った。この人も今裏で何かいろんなことを考えた上でのこの発言なんだろうなあと思う。
人間てどうしようもないところが沢山あるけど、素敵だね。

ルクマ・バナナ・グラナディージャ(柘榴)

夜ご飯の時間になっても特にお腹もすかないので、今日はこのままダラダラ過ごすことにして昼間の市場で買ったフルーツと、機内食の余った持ち帰りスナックで済ます。
ブログを2日分書いてたらもう0時。何だか眠れないような気もするけど、しっかり寝ましょう。


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