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君と見たあの流れ星の行方を、僕達はまだ知らない

「おい、お前。靴紐が解けているぞ」
「え、おかしいな。さっき結んだばかりなのに……。ありがとう。あれ? 君は僕とは別のクラスだよね? 確かそう、バートン。トロワ・バートンと言ったよね。よろしく、僕はカトル・ウィナー」
「……」
「トロワ?」
「知っている。お前は、有名だからな」
「君も有名だよ。風紀委員だった?」
「いいや」
「そうだよね、僕が知らないわけないもの」
「……何故、そう思うんだ?」
「うーん、あのね。僕に取ってこの学校の委員会構成で知らないことがあるはずないんだ。僕は今期生徒会長になるからさ」

*

「あの時はまさか、本気だとは思わなかったな」
「言ったでしょう? そして、こうして君を副会長に推すことができた。君はすごいよ! そして立派に期待に応えて見せてくれて、ありがとう」

*

「トロワ……ねえ、見て。あの島の一つ一つが命の灯火なんだ。なんて綺麗なんだろう。あの灯っている一つ一つの明るい火の下に、家族がいて、みんな寄り添っている」
「……家族がいるとは限らない。家族に捨てられて1人かもしれない。この瞬間もまさに今飢えて死のうとしているかもしれないし、ましてや明かりの元にすらいられない者だっているかもしれない。そういう奴らにとって、あの光は酷だとは思わないのか? お前には想像力がかけている。だが仕方がない。知らないことには興味を持つ機会もないだろうからな」
「……そうかもね。君のいう通りさ、僕は何も知らないんだ。だから教えてほしい、君に」

*

「カトル……、だめだこっちを見ろ!」
「トロワ、ありがとう。でもいいんだ、君の胸の中で死ねるなら、僕は幸せ者だよ……」
「馬鹿なことを言うな。お前は約束しただろう。将来、この街のために尽くして、街を、この国を良くするんだと!」
「ははは……、ねえトロワ」
(手が……冷たい…)
「君は言ったよね…あの日丘の上で。あの灯火の下には家族がいない人だっているんだって。でも僕はそうは思わない。誰にだって、…心の支えになる人は必ず現れる…僕らが、そういう、街にしていくんだ…うっ、かはっ、ゲホッゲホッ」
「カトル、もう話すな…」

『トロワ、大好きだよ』

ーーあの日の君が見た微かな奇跡を、ぼくらは歪なこの世界で、いつか本当の軌跡にするーー

OP


「おい、カトル! また宿題忘れちまった…、なぁ頼むよぉ、見せてくれ! 友達だろォ」
「だぁめ。デュオのためにならないでしょう。…うーん、でも、どうしてもっていうなら、今日は放課後僕に付き合ってよ。行きたい所があるんだ」


っていう始まり方だと思うんですよね、トロカトの楽しい学園生活。いきものがかりの曲とか。

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