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ずっとずっと大好きだよ

第5話 一緒に楽しむ

私とママが楽しんだのはフリスビー・アジリティー・エクストリームだ。
フリスビーとは、ママが投げたディスク(フリスビー)を私かがキャッチするという競技だ。
60秒の間にディスクをキャッチした距離と回数で競われる。ディスクが遠くへ飛べば飛ぶほど得点が高くなり、ジャンプしてキャッチすると得点が高くなる。距離が短くてもキャッチの回数が多くなれば得点も増える。この競技は投げ手が上手だと高得点が得
られる。

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始めたころ、ママの投げるフリスビーは何処へ飛ぶか予想がつかなかった。
はっきり言って下手である。私は、何処へ飛んでも確実にキャッチできる身体能力の持ち主だ。
投げるのが下手だったママも、練習を続け、だんだん上達してきた。大会は日本各地で開催されていた。
私達が参加するのは主に近畿圏の会場だ。
大阪・奈良・兵庫・滋賀など朝早くから車で毎月会場まで出かけた。
私が3才になる頃には大会で高得点が取れるようになってきた。
ビギナー大会で優勝したこともある。
フリスビーでのママの役割は投げるだけだ。もうすぐ50歳のママにはちょうどよかった。

フリスビーと並行してアジリティーやエクストリームも始めた。フリスビーと違いこの競技はどちらもママも一緒に走らなくてはならない。それも私に指示を出しながら。私は出来るのか心配になった。
アジリティーとは、障害物競走のようなものだ。

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ハードル・シーソー・トンネル・タイヤ・スラローム・などの障害物がコース上に並べ
られ、決められたコースを走るタイムトライアル競技だ。

2007.1.5ドラゴンハット

コースは競技の直前まで知らされない。直前に発表されたコースを見分時間内にママは覚えなければならないのだ。
なかなか難しい競技だ。
私とママはアジリティーを始める前に教室へ通うことになった。ここでは、一つ一つの障害について教えてもらった。一通りの障害をクリアする方法を身に着けることが出来た。いよいよ、コース練習が始まった。
ママはコースを一人で走りながら、必至でコースを覚えていた。ハードル一つでも行きと帰りでは入り方が違うので覚えるのも大変だったと思う。
私と一緒に楽しもうと一生懸命になっているママの姿は、見ていてとても嬉しかった。 

アジリティーが出来るようになったら、エクストリームにも参加できるようになる。

エクストリーム


エクストリームには、オープン総合(犬の体高が40cm以上)の障害物競走とハイスピード(低いハードル20台を超えスタートからゴールまでのタイムを競う)がある。地区大会がありそこで好成績だったものが決勝大会に進むことが出来る。私とママは地区大会へ参加した。

フリスビー・アジリティー・エクストリームは私が7才になるまでママと一緒に楽しんだ。
そのころママはとっくに50才を過ぎていて、私もシニアと呼ばれる年になっていた。
ママは「飛んだり走ったりする競技は止めようね」と言った。
私は大型犬だ、シニアになると足が弱ってくる。ジャンプや激しい運動は足や関節への負担が大きい。「さくらちゃんには、ずっとずっと、自分の足で歩いてほしいから」と私の頭を撫でながら話してくれた。


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