人の気持ちを言葉にすること @saayoo345
9月が始まりました。
8月31日は、私の毎年のルーティーンである井上陽水さんの「少年時代」をたまたまラジオで聴くことができて大満足。
夏へのお別れはしっかりと済ませ、さて気持ちは秋冬へと。
秋冬といえばニットやアウター、ブーツなどおしゃれが楽しくなる時期ですが、この度2019年秋にデビューするレディースブランドのワードディレクションのお仕事をすることになりました。
学生〜20代前半のヤングレディースアパレルのデザインをしてきたデザイナーが、自身が20代後半になったことで「誰かがすすめるトレンドの服よりも、着ている自分を好きになれる服を」と新しいブランドを立ち上げます。
なぜアパレルブランドに“言葉を扱う職種”である私が入ったかというと、他の業界で言われているのと同じように「便利な服」・「コスパのいい服」から「意味のある服」・「ストーリーのある服」が求められるようになったからだと思っています。
世の中には本当にたっっっっっくさんのアパレルブランドがあり、一からデザインをおこし服を作るようなデザイナーズブランドがあれば、そんなブランドの商品をセレクトして置くところ、はたまた量産されたアイテムに自社のブランドネームをつけて販売するところまで、形は様々です。
すこし前までは意味を持たせたブランドの服への関心は薄く、「誰もが手に入れられるアイテムを、着こなしでいかに自分らしくするのか」といった「自分自身のキャラクター・軸」ありきの時代だと言われていました。
はたまた自分のスタイルはこうだ! と毎日同じ格好をして、洋服を選ぶ時間を減らすことでそのほかに費やす時間を確保したりと、生活の中での生産性を高めるためにいかに洋服が邪魔をしないようにするか、というような話もよく聞きました。
初めて聴くときは何でも新鮮で、「そういう時代なんだなぁ」と感じてしまう面もありましたが、「ちょっと待てよ、洋服ってもっと自分を好きになるためのものじゃないのか」という葛藤もありつつ。
そんな時にお話をいただいたのが、このブランドさんでした。
PRを務める方は、こんな風に仰っていました。
「デザイナーは洋服に対してたくさんの想いを持っているんだけど、それを表現するのが苦手。」
「ブランド、デザイナーのメッセージを独りよがりにならない言葉でちゃんと届けたい。商品説明も形式ばったものではなくて、SNSの投稿も単に“映える”ものではなくて。」
このお話をいただけたことが本当にありがたくて、「アパレル業界へのこんな関わり方があるんだなぁ」と素直に嬉しかったのでした。
私の仕事は、このブランドに関わる全ての言葉に「そのブランドを選んでもらえる」ための意味を持たせること。
ブランディングと言えば一言で済んでしまいそうですが、なんかちょっと違うような気がしていて。
-熱意を持って仕事をする人
-こだわりを持って仕事をする人
そうやって熱中している人は、物作りに熱中するあまり想いが胸に留まったまま出てこないという人も少なくはありません。
あとは、直感や感覚でどちらかを選ぶから単純に言葉に並べ替えるのが苦手、という方もいらっしゃるような。
想いはあるのに通り一遍の説明しか出なかったり、売る人が違う言葉で説明をしてしまうことは勿体無い。(何より私自身が洋服のデザインをした時にそうだったという…)
でも彼ら彼女らは物を作ったらまた次のシーズンに向けて物作りをするわけなので、全部に向き合い続けるわけにはいかないんですよね。
そこで立ち止まって、思っていたことを言葉にして届けること。残しておくこと。それが私にできることだな、と強い使命感を勝手に感じているところです。
ちなみに、このブランドさんとのミーティングはほぼランチをしながらのミーティング。
机に座って商品をみながらという会議ももちろんありますが、デザイナーの想いを文章に載せていくためには「彼女が毎日どんな風に過ごし、どんな時に喜んでどんな時に憤りを感じるのか」といった雑談がとても大事なのかもねとこの形式になりました。もちろん机に向かいがちな彼女たちのリフレッシュのためでもあり。
リアルなシチュエーションを聞くことで、同じようなに頑張ったり悩む女性たちによりまっすぐに届けられるのではないかな、なんて思っています。
欲しい情報を相手にストレスなくどう聞けるのかも、大事ですよね。
言葉の使い方は、本当に色々な形があって面白い。
し、何よりまた新しいチャレンジができることが嬉しい。
何よりここの服が可愛くて仕事ができて幸せなので、よかったら見てみてください。
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LABOUSSOLE
プランナー / コピーライター
柴田佐世子
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