見出し画像

文化の交差点がもたらす豊かさ@caelum_555

ラブソル旅部、小川です。

今回は、10月下旬に行った沖縄旅行について書いてみようと思います。

実を言うと、「暑いところはあまり得意でない」という理由で長年訪れなかった沖縄。今年7月に初めて行き、すっかり沖縄の魅力に取り憑かれてしまいました。
それまでは、なぜか離島まで行かないと満喫できないと思い込んでいた沖縄。沖縄本土にもたくさんの魅力的な場所があるんです。今回は、その中の一つをご紹介します。

沖縄本土から海中道路を使って車でドライブでき、離島気分も味わえるのが浜比嘉島。

予備知識なしで行ったため、行ってみて初めてアマミチューやウルミチューの墓の存在を知りました。どちらも琉球の開闢(かいびゃく)について関わる神様所縁の場所。

琉球開闢神話については知らなっかたため、旅から戻って調べてみました。

浜比嘉島は、神が降臨したと言われる場所がある「神の住む島」としても有名です。ニライカナイ(遥か東方の海の彼方にあるという神々の住む楽土、理想郷、神の国)から、アマミキヨ(アマミチュー)とシネリキヨ(シルミチュー)という男女神が降りてきたと伝えられており、アマミキヨとシネリキヨは、古事記のイザナギとイザナミにあたるといわれています。

沖縄は、周辺諸国の文化の交差点。古事記の内容と琉球開闢神話の内容が似ていることも、なんら不思議なことではありません。

画像1

アマミチューの墓は、アマンジと呼ばれる岩屋の小島にあります。写真の向かって左手に進むと、洞穴を囲い込んだアマミチュー、シルミチューの墓があります。

画像3

この小島からは、島と本土を結ぶ橋も見えます。この橋があるからこそ、こんなに気軽に「神の住む島」に来ることができるんです。

一方、シルミチュー霊場に向かうには、さらに島を南下。奥に進むとたどり着きます。
写真の階段を登りきったところに洞窟があります。大きなガマ(洞窟)は、琉球開闢の祖神、アマミチュー、シルミチューが住んだ場所と伝えられています。二人はこちらで5人の子どもをもうけたこともあり、子宝の霊場とされています。

画像3

アマミチューの墓もシルミチューの霊場も、島全体からエネルギーをもらっているかのように感じる場所でした。海中道路のドライブの際は外せない、おすすめスポットです。

私は、47都道府県をほぼ旅しましたが(熊本と高知が未踏の地)、その中でも群を抜いて、沖縄はとても不思議な場所だと思います。
日本でありながら日本でないような場所で、東アジアの一諸国といった印象が強い。
それもそのはず、江戸時代に薩摩藩から攻められて実効支配されたとはいえ、琉球王国として存続し、明治時代に沖縄県になるまでは独立した王国として独自の文化が築かれていたのですから。

15世紀初頭、当時三つに分かれていた勢力が統一され、琉球王朝が興りました。琉球は海洋国家として発展し、日本はもちろんのこと、中国、朝鮮、東南アジアなど周辺諸国と積極的に交易を行いました。
琉球王国の中心であった首里城は、内郭は15世紀初期に、外郭は16世紀中期に完成しています。

琉球王国成立以前から中国や日本とは交流のがあったこともあり、首里城は琉球王国設立直後でも、随所に中国や日本の建築文化の影響を受けています。先日焼失してしまった正殿や南殿、北殿からもその様子が伺えました。

首里城焼失のニュースを知った時、7月に訪れたばかりの首里城がまさか…とにわかに信じ難かったです。しかし、今までも何度も焼失しては甦ってきた首里城。きっと、そう遠くない将来、またあの美しい姿を見ることができると信じています。


琉球王国6代目の王尚泰久は、儒教が重んじられた琉球王国では珍しい、仏教に帰依していた王で、多くの寺院を建立。1458年に鋳造され、首里城正殿にかけられた釣鐘「万国津梁之鐘」には、こう記されています。

「琉球国は南海の勝地にして、三韓(朝鮮)の秀を集め、大明(中国)をもって輔車となし、日域(日本)をもって唇歯となす。舟楫をもって万国の津粱となし、異産至宝は十方刹に充満す」

この頃、朝鮮半島は李氏朝鮮時代で、朝鮮半島から多くの仏典が贈られたこともあり、そのことを踏まえて「秀を集め」と記されているようです。
ちなみに、中国は明の時代、日本は室町時代の頃。「唇歯輔車(しんしほしゃ)」とは、利害関係が密接で、互いに助け合い補い合っていく間柄という意味で、中国や日本とも盛んに交流していた様子が伺えます。

画像4


周囲とお互いに補い合って豊かな文化を育んで来た沖縄の様子は、私の目から見た現在のラブソルに似ているかもしれません。
アライアンスメンバーとしてラブソルにジョインしている人たちはもちろんのこと、お客様からもお互いに良い刺激を受け続けている。
ラブソルという場所は、人が入れば入るほど、より豊かになっているように感じるのです。


私がラブソルによくいるようになったのはごく最近のことなので、その私が感じるということは、代表の由香・実加はもっともっとそれを感じているのではないでしょうか。

会社であれ、オンラインサロンであれ、人が集まるコミュニティには何らかの文化が形成されます。外部から新しいものを受け入れ、それが独自の文化に自然と融合することで、それまで築いてきた文化に深みを増す一助となるのではと思います。

実は、この記事、成田空港に向かう途中で書いています。
そう、ラブソル旅部は今日も旅に出ます。今回の旅ではどんな出会いが、そして気づきがあるのか。今から楽しみです。

では、行ってきます!

**********************

LA BOUSSOLE 旅部
ゆきえ  Twitter

撮影:柴山 由香・池田 実加

**********************



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?