見出し画像

ホワイトアスパラガスのデザート

ホワイトアスパラガスのブランマンジェ、そら豆のソルベ、桜、ブラックベリー

このデザートは味が決まっているパーツが一つも無い

ホワイトアスパラガスのブランマンジェは、ライスミルクをベースとし、わざと生クリームと少し分離させることで野菜のほろ苦さ、瑞々しさと生々しい香りを表現

この状態は失敗から生まれた産物で、後にしっかりと乳化した状態のものを作り直したが、全くしっくりとこなかった

あえて失敗したと最初に思った状態のものを意図的に作ることは逆に難しい

【失敗は成功よりも難易度が高い】時もある

そら豆のソルベは凍らせて砕いた牛乳をあえて別に混ぜ込むことでシャリっとした食感に、まるで冷凍庫に入れっぱなしにしてしばらくおいて、普通であれば【悪い状態】でお客様にご提供できないクオリティーなのだが、あえてそのようなシャリシャリを意図的に混ぜ込むことで、そら豆の爽やかな風味を際立たせる

ブラックベリーのコンフィチュールは加熱せず、砂糖をまぶして真空し、潰すだけ。そこにブルーベリーを加え、甘みも酸味も濃度も存在感ももの足りないしゃばいコンフィチュールからは、果実のフレッシュな風味が心地よく香る

桜の花の塩漬けの少し塩味を残したアクセントを添え、鮮烈な香りと、しっかりとした苦味のオリーブオイルをアクセントにおくことで、淡く優しい素材が輝きだす

淡く、儚く、優しさに満ち溢れた、完璧な仕事からはほど遠いデザートが今の私の最高傑作です

アスパラのブランマンジェで使うアスパラは皮だけです、芯は前菜で使います

ライスミルクで大量のホワイトアスパラガスの皮を煮出し香りと苦味、旨みを抽出


ホワイトアスパラガスの芯はこの料理に

鉄板で焼いたホワイトアスパラガスをオーブンでロースト
シンプルに、削ったチーズの上にバター、塩、黒胡椒
素材の美味しさをシンプルに感じる一皿
ある意味デザートのアスパラとは対極である


私は素材を端から端まで、丸ごと使い尽くすことを大切にしている

勿体ない、という気持ち、目的も勿論あるが
丸ごと使い尽くす1番の目的は

【素材の力を最大限に引き出す】

事が、料理人の使命、というか
私が私自身に掲げたフィロソフィーです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?