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ドラクエⅦの好きな街 「グリンフレーク」について。

あ、みなさんおはようございます。略してら母ジと申します。

皆さんはドラクエ、好きですか?私は好きです。
今回は個人的に気に入っているナンバリングタイトル、『ドラゴンクエストⅦ』の好きな街について、この作品に対する個人的な解釈を踏まえて話をさせていただきたいと思います。
好きな街…好きなエピソード…というか、システムを使ったその街のエピソードの回収のされ方が好き、と言った方がいいかもしれません。

ドラクエⅦをプレイしたのが数年前なのでもしかしたら記憶違いもあるかもしれませんが聞いていただけると嬉しいです。

1.はじめに
2.私の好きな街とその評価 
3.その後の語られ方
4.時間と地理的な点と線
5.おわり


1. はじめに

前提としてこのⅦ、少しほかのドラクエとは違ったシステムをしていて、基本的にこの世界の『現在』と『過去』を行き来して物語を進めていく、というものなんですね。はじめは主人公の住む島と海以外何もない世界なのですが、島にある神殿の台座に石板のかけらを集めることで過去に飛び、そこで事件を解決することで現在にその事件のあった島や地方が解放されていく。というのが基本の流れになります。
(大体過去で事件を起こしているボスモンスターや、現在に復活した街に石板が落ちていることが多かったと思います。)

「事件の解決された街が時を経てどう変わっていったか」が、この作品でとても注目すべき点としてある、ということですね。


2.私の好きな街とその評価

私が好きな街の名前は「グリンフレーク」という名前の街になります。
この街はⅦの中でも異質というか、人間ドラマの密度と魔物がらみの要素が非常にアンバランスになっています。軽くこの街の過去でのエピソードをお話しすると、街の住人たちが魔物によって石にされていたところを主人公たちの活躍によって解決。その後、街のハーブ園の「庭師の男」と密かに両想いの「幼馴染」、その女性と婚約している街のハーブ園の「御曹司」、さらにはその御曹司に惚れている「メイド」によるドロドロの四角関係ドラマが起こる、というものです。
過去編では「庭師の男」が街から逃げ、両思いであった「幼馴染」と散り散りになる、という哀しい終わり方をします。
この人間ドラマに対してとにかくボスモンスターがあっさりすぎる。その上、ここでの事件はこの街より少し前の街で起こっている事件と同じものになっています。
このゲームの定石から行けば、ボスモンスターである石化の魔物を倒したら石板が手に入りそうなところを、わざわざ街の近場にダンジョンをボスを設けそこに石板を置いていたりするところも、かなりひっかかる部分があると言えます。


3.その後の語られ方

この街のエピソードは過去編だけではなくその後のお話しボリュームがあり、話としてはとても儚い終わり方をするのですが、全部話していると結構長くなってしまうので、話自体には軽く触りながら、『その後のグリンフレーク』がゲームを進めていく上でどういう回収のされ方がなされているかに焦点を絞り、お話をさせていただきたいと思います。

実はグリンフレークは現代ではなくなっています。
完全に廃墟となり、近くに「メモリアリーフ」というハーブ園ができていて、そこに別れたはずの「庭師の男」と「幼馴染」のお墓が並ぶだけで特に語られることはなく、次の石板へと進むことになります。
ゲーム進行度で言えば半分くらいだった気がしますが、リートルードという街が出てきます。ここをクリアすると大きな橋が開通し、隣の地方へ行けるのですが、そこでなんと「過去」の「メモリアリーフ」が登場し、「庭師の男」と「幼馴染」が一緒のお墓に入った経緯が解明されます。

ここで初めて『過去』の「グリンフレーク」から『現在』の「メモリアリーフ」へのエピソードが完結することになるわけです。
単純に『過去』から『現在』に繋がるわけではなく、他の地方からこの街の過去が描かれているんです。


4.時間と地理的な点と線

ドラクエⅦは『過去』へ飛び『現在』に世界のパーツである島や地方を一つ一つ解放していく物語です。解放された地方はもちろん『現在』で繋がることもあります。バラバラで地方単体でしか見られなかった町々が大陸として繋がっていくのです。
私はドラクエⅦを、『過去』という点から『現在』という点を解放することで時間的な線を結び、さらに解放された『現在』の街々という点同士が地理的な線で結ばれていくものだと解釈しています。
縦軸が時間で、横軸が地理の座標平面図を意識してみるとわかりやすいかもしれません。

無題

本来であれば『過去』の街、『現在』の街で点同士に繋がりの線を引いていくのですが、この『過去』の「メモリアリーフ」は「リートルード」の点から隣の地方であるという地理的な関係の線を引いたことで浮かび上がってくる線と線が交わってできる点であると言えます。

無題

最初はあまりに「グリンフレーク」の空白の時間が語られなさすぎるので、非常にモヤモヤしながらゲームを進めていました。しかし、リートルードから線が交わることでポッカリ空いた時間がパチっとハマり、当時引っ掛かりを感じながらプレイしていた私にとても強い印象を与えました。


5.おわり

『過去』と『現在』の間にある空白、つまり最初に話した「事件の解決された街が時を経てどう変わっていったか」の描き方は物語が進むにつれいろんなバリエーションがでてきます。例えば、時間を何度も行き来して少しずつ『現在』を変えていく街もありました。
それでもこの「グリンフレーク」はこの空白の描き方に関して他のエピソードとは一線を画していると私は思っています。
実はグリンフレーク過去編時点で隣の地方の『過去』へお使いをさせられたりもするので、実際には繋がっていないにも関わらず地理的な繋がりを意識させている気もしますし、事件自体が他の地方で起こっていたものを使っているのもいろんな角度から空白を描くことが考えられた街なのかもしれません。
ドラクエⅦはバラバラにされている世界が舞台ですから、地方ごとの繋がりが意識させられるこの街に対してとても大きな思い入れがあるわけです。

気になった方がいたらぜひドラクエⅦをプレイしてみてください。
賛否両論あるナンバリングではありますが、プレイ時間の長さを除けばとてもお勧めのできるタイトルだと思います。
私の大好きなモンスター、れんごくまちょうも出てきます。

それでは失礼します。


06/03/2021
ら母ジ

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