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一枚の年賀状

次が何もでてこない、、

今年のお正月のことです。大学時代の友人から年賀状が届きました。新年の挨拶に添えてあった一文にこうありました「今年定年になってからこの次何しようか色々思うけど何もでてこない。。。」いつも自虐ネタで周りを笑わせるタイプの友人でしたので、一瞬何かふざけたことが書いてあるのかな?とも思ったのですが、どうも笑わせたいようではなさそうです。

再雇用で心を壊す

そう言えば、昨年末大学時代の友人四人と飲んでいると、四人中二人が心を壊しているという話を始めました。学生時代は明るい性格で、いつも周りを巻き込んでは率先して楽しませるような二人でしたので、何か事故でもあったのかと尋ねると、二人とも同様の答えでした。定年後同じ会社に再雇用されたようですが、収入は半分になるし、元部下の下で辛い雑務を強いられている、その上部長で退職した翌日から急に元部下にアルバイトのような扱いをうける。そりゃ辛いよね、そんな仕事辞めちゃいなよと話したのですが、やはり二人とも仕事は辞められないと言います。家のローンは残っているし、他に働き先もないしと口を揃えました。しかし、どう考えても心を壊すほど辛い今の仕事を続けるのは、正しい選択には思えません。

絶望的に減る選択肢

今の会社を辞める、辞めない、再雇用される、されない、60歳過ぎても働く、働かない、近所でアルバイトする、しない、選択肢はそれだけでしょうか?別の選択肢は探せないものなのかと、その時はあれやこれやと考え助言しました。しかし次の日になると自分の日常に忙殺され、学生時代の友人のことはついつい後回しにしてしまいます。薄情な話です。その話を不意に思い出させたのが、先ほどの年賀状でした。60歳を過ぎてからの再就職は、かなり厳しい内容の仕事しかありません。採用側も今はデータベースから検索して絞り込んでいきますので、40〜45歳、46〜50歳と5歳きざみで仕事の選択肢は減って、60歳を過ぎると絶望的にその数が少なくなります。

一度は考える起業

そこで急に"起業"という夢のような道に気づき慌てて調べてみます。今までのキャリアを活かせばきっと、、、。しかし"起業"についての情報を調べれば調べるほど、そんなに簡単な話ではないと気づきます。なけなしの蓄えを使ってギャンブルのような事をこの歳で?体力も落ちてるし、すぐ疲れて眠くなる、今さら無理にきまってる、、。また絶望です。お金が潤沢にあれば孫と遊ぶことだけを楽しみに生きるのも悪く無い。お金が必要であれば働くしかない。お金があっても居場所がなければやはり働くことを考える。頭の中は考えがぐるぐる回って元の場所へ。

ストレスが無いと趣味がつまらない

少しは退職金をもらったので、今までできなかった趣味にでも没頭するぞ!と意気込む方も多いかと思います。しかし以外とそれもすぐ飽きてしまいます。あんなに"時間"さえあれば、と毎日会社で思っていたのにです。会社を辞めてストレスから解放されてしまうと、今までほど趣味が楽しくない。あなたを趣味に突き動かしていた原動力はストレスだったようです。これは"一番の想定外"。さてどうしましょうか?

実らぬ片思い

以外と肉体は元気で、まだまだ動けそうです。でも納得できる職場には出会えない。もしかするとお金よりもやり甲斐⁈今までのキャリアが活かせるような場所がきっとどこかに見つかるはず。だって私は会社であんなに周りから頼りにされて輝いていたから、、、。きっとどこからか自分のキャリアを聞きつけたエージェントがスカウトにくるはず⁉︎そんな知人の話を聞いたことがある、きっとそうだ。ところがそんな素敵な話は一つもこない。「シニヤモデル募集!」という怪しいネット広告についフラフラと応募しそうになる涙。こうなるとまさに実らぬ片思い。昨日まで手に入れていたあたり前の幸せに気づく。しかしそれはもうどんなに努力でも決して取り戻せない恋。なぜなら自分を苦しめている根本の原因は年齢だから。時間は不可逆、とった歳はお返しできせません、、。

まずは自分と向き合う

そんな堂々巡りが私の周りの多数派となっております。そりゃ病みますよね。さて、私たちにはもう道が残されていないのでしょうか?おそらく100人いたら100通りの事情があり、100通りの答えが必要な気がします。あたり前のことかもしれませんが、私はまず自分が本当に望んでいるモノが何か?に真摯に向き合ってみるところから始めようと思います。皆さんのご意見も伺えれば幸いです。

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