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魔女見習いを、探してた。

さくらももこさんの著書に、
「あのころ」「まる子だった」「ももこの話」という三部作があります。
中学生の頃、いつか自分も同じように静岡で過ごした日々を懐かしむ時が来るのだろうか、とまだ見ぬ先の未来に思いを馳せながら読んだ記憶があります。

時は流れ、今や20歳をとうに越えた私は、静岡を離れて関東で暮らしています。
あの頃思い描いていた未来かどうかはさておき、静岡で過ごした日々はただ懐かしく、慕わしく思い出されます。
そんな思い出の中に強く光る、家族で過ごした日曜日の記憶。そのひとつに、おジャ魔女がいました。

あの頃の私はどれみ達とほぼ同い年。魔法を心から信じられるほど純粋ではなかったけど、毎週必ず画面越しに、彼女たちの奮闘を応援していました。パティシエにも、アクセサリー屋さんにも憧れたなぁ。

「魔女見習いをさがして」は、そんなどれみ達に心惹かれていた、かつての私と再会する映画でした。映画の中の、どれみ達の足跡を追う彼女たちに自分を重ねた同世代は多いと思いますが、私もそんな一人。

MAHO堂の外観に胸躍らせ、憧れの場所を巡りながら、あの頃を懐かしみ、今に葛藤しながら未来へ足を進める彼女たち。その姿を見ながら、自分はどうあるべきなんだろうと考えてしまいました。
もちろん、いつまでも子供ではない。でも、いつか思い描いていたような、ちゃんとした大人には到底なれていない気がする。
大人にならなければいけない現実と、あの頃のように好きなものを好きと、なりたいものはこれなんだ、と、胸を張って言える無邪気さ。
同世代の多くが抱えている葛藤に、この映画は寄り添ってくれたのだと思います。

映画の彼女たちは、答えを見つけて進んで行きました。
私も、あの頃の私に「なんとか大人やってるよ」って笑って言えるような、自分だけの魔法を持つ、素敵な大人に、なれたらいいな。




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