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初心者・日本酒女子必見!飲みやすい日本酒の選び方【種類・日本酒度とは】

最近では家にいる時間も増え、日常的にお酒を嗜むようになったという方も増えています。近年、ワインのようにグラスで飲む日本酒も増え、おしゃれな女性からの注目も集めている日本酒

スーパーやコンビニで手軽に購入できるので、購入のハードルは非常に低いと思います。しかし、特定名称酒の種類や日本酒度など、初心者には分かりにくいこともあるでしょう。今回は、初心者向けに日本酒の選び方をご紹介します。無料で公開しているので、ぜひ最後までご覧ください。

初心者向けの基礎知識:特定名称酒ってなに?

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酒税法で「清酒」と分類される日本酒には、大きく分けると2種類があります。「普通酒」と「特定名称酒」です。『純米大吟醸』『吟醸酒』といった名前が付いているものが特定名称酒で、酒税法が定める日本酒の製法・条件を満たしているものに付けられます。

同じ銘柄でも値段や味が異なるので、日本酒を選ぶときの大きなポイントになっています。しかし、高いから美味い・安いから不味いといったことはなく、基本的には”好み”の問題です。種類によって味に多少の傾向はあるので、初心者は参考程度にしておきましょう。

特定名称酒の種類

特定名称酒は8種類あります。それぞれ原料や製法が異なり、価格も変化することが特徴です。

①純米大吟醸酒
②大吟醸酒
③純米吟醸酒
④吟醸酒
⑤特別純米酒
⑥純米酒
⑦特別本醸造酒
⑧本醸造酒
⑨普通酒
(特定名称酒ではない)

上記は、価格帯ごとに順位付けした日本酒の種類です。「①純米大吟醸」がもっとも高級とされています。「⑨普通酒」は特定名称酒ではありませんが、もっとも安い価格帯の日本酒です。

特定名称酒①:人気の高いものがいいなら「純米酒」

上記した種類の中から、「純米酒」かそれ以外かに分かれます。名称に「純米」と入っているものが純米酒です。純米酒は水・麹・米だけで作られており、高度な技術が必要とされています。

特定名称酒の一覧を見ると分かるように、「吟醸酒」と「純米吟醸酒」では、後者の方が高価格に。プレゼント用や高級品が飲みたいという方には、純米酒がおすすめです。

特定名称酒②:「吟醸酒・大吟醸酒」は高級日本酒

純米酒にはピンからキリまでありますが、吟醸酒・大吟醸酒は高級日本酒の代名詞ともされています。どちらも製法は同じですが、お米の精米歩合に違いがあります。

大吟醸の方がお米を小さく削っていて、すっきりとした味になることが特徴です。「飲みやすい」という観点で選ぶなら、大吟醸がおすすめ。一方で、吟醸酒はお米の旨みを楽しみたい方に向いています。

特定名称酒③:コスパで選ぶなら「醸造酒」を

純米酒ではない日本酒は、醸造アルコールが含まれており、その量が10%以下なら「本醸造酒」と呼ばれるようになります。デンプン質物や含糖質物から醸造されたアルコールで、香り高く、すっきりとした味わいに。

乳酸菌の増殖を防止する効果もあり、日本酒の風味が劣化しにくくなることも特徴です。醸造アルコールが含まれていると「悪酔いする」「まずくなる」という意見もありますが、気にする必要はありません。それは飲み方や好みの問題です。

日本酒の選び方①:日本酒度で選ぶ!甘口・辛口の目安

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「日本酒度」とは、お酒に含まれている糖分の量を表す数値です。当たり前ですが、糖分が多ければ甘口に、少なければ辛口になります。” 0 ”を真ん中に、” + ”になれば辛口、” - ”になると甘口になっているのが特徴です。

日本酒度はひとつの指標になりますが、味は糖分だけでは決まりません。旨味や酸度なども関わってくるので、同じ日本酒度でも味に違いは出ます。また、酒蔵によっては日本酒度が非公開の場合もあるので注意しましょう。

日本酒度①:”±1.4程度”が「普通」

甘口・辛口にこだわりがないなら、-1.4~+1.4あたりのものがおすすめです。いわゆる「普通口」というもので、バランスがいい傾向に。あくまでも数値的な「普通」なので、味にはしっかり違いがあります。

日本酒度②:「甘口」が飲みたいなら”-1.5~”

一般的に日本酒度が-1.5以下のものは、やや甘口といわれています。大甘口のものが飲みたいなら”-6以下”のものがおすすめです。砂糖の甘さとは違い、お米の甘みをしっかりと感じ、まろやかな味わいに。香りが口の中にしっかりと残ることも特徴です。

日本酒度③:「辛口」なら”+1.5~”

日本酒度が+1.5以上だと、辛口に分類されます。キレのある味わいになり、口の中に香りが残りにくい傾向に。口に入れた瞬間に香りが広がり、飲み込むと何もなかったかのようにすっきりとしています。いろいろなつまみに合わせやすいことも特徴です。

大辛口は”+6以上”。本当に辛いものだと、キレを通り越してトウガラシを食べているような辛さになります。怖い。

日本酒の選び方②:精米歩合で選ぶ!雑味も重要!

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精米歩合とは、お米をどれだけ削ったかを表す数値です。残ったお米を表すときに精米歩合、削った部分を表すのに精白率という言葉を使います。

「精米歩合70%」と「精白率30%」は、同じことを意味していることがポイントです。多くの場合は”精米歩合”で記載されているので、難しく考える必要はないでしょう。

精米歩合が低くなると雑味のないすっきりとした味わいになります。『獺祭磨き2割3分』のようなレベルになると、もはや水。飲みやすいという次元を超えてきます。初心者なら50%程度のものがおすすめです。お米の雑味・旨み・飲みやすさのバランスがよく、日本酒らしさを感じられます。

日本酒の選び方③:お米の種類で選ぶ!ラベルに注目!

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日本酒の原料として、絶対に外せないのがお米。日本酒用に作られたお米は「酒造好適米」と呼ばれています。代表的な酒米は『山田錦』『雄町』『五百万石』が挙げられます。初心者ならまずは、この3種類から選んでみましょう。

酒米①:初心者でも知っておくべき「山田錦」

山田錦は初心者でも知っている方が多いのではないでしょうか。米が大きめ・脂質やたんぱく質が少なめ・吸水しやすいなど、酒米に求められる要素を全て備えているといっても過言ではありません

まろやかな甘味と芳醇な香りをしっかり感じることが特徴です。品評会向けの日本酒にも使われていることが多いので、初心者ならまずは山田錦の日本酒を飲んでみましょう。多分、すでに飲んだことがあると思います。

酒米②:「雄町」は熱狂的なファンも多い

100年以上の歴史があり、山田錦や五百万石の先祖ともいえるのが雄町です。濃厚さ・華やかさがあることがポイントで、余韻を長く感じます。雄町の中にも「備前雄町」「赤磐雄町」といったブランドもあり、酒米沼への一歩を踏み出すきっかけになるでしょう。

酒米③:淡麗辛口の「五百万石」は飲みやすい傾向に

北陸地方を中心に栽培され、キレのある日本酒に使われる傾向にあるのが五百万石。新潟のお酒は淡麗・辛口といわれることがありますが、それもこのお米だったからだといわれています。すっきりとした味わいになるので、初心者にもおすすめ。飲みやすさが特徴です。

日本酒の選び方④:その他!+αの要素にも注目する

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ここまでは、日本酒を選ぶうえで欠かせない要素について紹介しました。+αの要素については、初心者でも知っていた方が楽しめる選び方をご紹介していきます。

ポイント①:「ワンカップ」などは初心者に不向き!

ワンカップが代表的なカップ酒は、可愛らしいサイズ感だと思ったら大間違いです。カップ酒は多くの商品が1合(180ml)で販売しています。ひとりで飲もうと思うと、意外と量が多いという落とし穴に。

一度あけてしまうと保存もしにくいので、初心者にはあまりおすすめできません。同じ1合でも、キャップ付きのビン酒がおすすめです。飲みたい分だけコップに注ぎ、あとは冷蔵庫で保存できます。

好みでないと思ったら、後日料理酒などに代用もしやすいので、ビンの方が何かと便利です。もちろん、カップ酒でも保存・代用はできますが、無理して飲むのはお酒の楽しみ方としてはイマイチだと思います。

ポイント②:気分や料理に合わせた「チャート」で

日本酒選びの新基準として、最近注目されているのが「チャート」という選び方。濃醇・淡麗といった縦の指標と、甘口・辛口といった横の指標を合わせ、気分や料理によって日本酒を選ぶ方法です。

初心者のうちは、まず甘い・辛いのような基準を知ることが重要ですが、チャートを利用して好みを探るのもいいでしょう。下記のサイトでは、上記した4つの指標でおすすめの日本酒を紹介してくれます。購入もできるので、ぜひご覧ください。

ポイント③:季節によって変わる「生酒」も

ビールと同じように、日本酒にも「生」があることをご存じでしょうか。通常、日本酒は加熱処理をして瓶詰されますが、それをしないのが生酒。「なまざけ」「きざけ」など、複数の読み方がありますが、「せいしゅ」だと清酒になってしまうので注意しましょう。

新鮮な味わいでフルーティな甘みがあり、中には『醸し人九平次』のように発泡しているものもあります。九平次を初めて飲んだときには、生感に超感動したので、ぜひ飲んでみてください。

生酒は、酒に含まれている酵母菌はまだ活動している状態です。時間が経つと味が大きく変化するので、冷蔵庫で保管し、なるべく早く飲みきるようにしてください。

ポイント④:生酛・山廃などの「醸造技術」にも秘密が

日本酒には、「生酛(きもと)づくり」「山廃(やまはい)仕込み」といった醸造技術があります。この2種類は、日本酒造りが近代化していくなかで、失われていた醸造技術です。近年、これを復活させようという取り組みがあり、酒屋さんなのでもよく見かけるようになりました。

現代のつくり方に比べて、時間をかけているので、コクや深みが強い傾向に。燗で飲むのもおすすめで、芳醇な香りが口いっぱいに広がります。燗好きならぜひ一度試してみてください。

日本酒選びは好みが重要!値段や評判に騙されない

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ここまで日本酒の選び方をご紹介しましたが、飲み物なので好みが重要です。純米大吟醸だから美味い!パック酒だから不味い!ということはありません。有名な酒蔵もカップ酒を販売しています。

「美味しい」=「好き」にはならないこともあるので、今回ご紹介した選び方は参考程度に抑えておきましょう。

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