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秘密のお茶会

ケーキがたべたいな

このところ職場の人手不足に起因する残業が増えてきており、甘いものがあまり得意ではない私でも甘いものが食べたいなと常々思うようになっていた。
そんな今日は珍しく、定時帰り。あれ、今日は忙しい日だけどいいの?残れともなんとも言われてないから帰っちゃうよ?と不安になりながら帰る。まだ日は沈んでいない。
せっかくだからここ1週間くらいずーっと思っていた「ベリー系の甘酸っぱいケーキが食べたい」という願いを叶えることにした。

自宅近所のケーキ屋に駆ける。扉を開け、ショーケースを見るとと栗やイチゴ、チョコレートのケーキやスフレなどが並んでいる。カラフルなショーケースにひときわ目立つベリーのタルトを見つけた。ラズベリーやブルーベリー、クランベリーが惜しげもなく宝石のようにちりばめられた、私の理想の甘酸っぱいケーキだ。
しかし1つだけ買うのもな、と思っていたところ、季節限定の、シャインマスカットのタルトが目に入った。なんとお値段380円。いろいろな意味で不安なタルト。
大丈夫かこの店。採算とれるか?あの高級品種シャインマスカットだぞ?2倍くらいの値段設定にしても客は買うと思うがなぁ。
と少し頭をよぎったがこの値段でシャインマスカットは食べられないぞと思い、このタルトも買うことにした。

無事理想のケーキは買えた。さて、ここからちょっとした試練。帰り道にはアンダーが1か所、舗装がガッタガタの道路に最後の難関、車庫の段差が待っている。車なら問題はほとんどないが、こちらは自転車。振動がもろにケーキにくる。落ち着け私、仕事でもやっているじゃないか。大事なのはお客様のもとに無事に、安全に荷物を届けることだ。まぁセールスドライバーはやったことないけど。ゆっくり自転車をこぎ、何とか帰宅する。
ケーキは無事だった。

一人ぼっちのお茶会と紅茶の思い出

さぁ一人ぼっちの秘密のお茶会開会。ケーキたちをお皿に乗せる。
せっかくだから久々に紅茶でも飲もう。市販のアールグレイの茶葉をティーポット、もとい急須に入れる。一人暮らしから実家に舞い戻って初めての紅茶だ。
まずは待ちに待っていたベリーのタルト。理想通りの味が口いっぱいに広がる。これだよこれ。続いてシャインマスカットのタルト。タルト生地はもちろんのこと、甘いシャインマスカットが高級フルーツパーラーにいるかのような気分にさせてくれる。

合間合間に紅茶を口に含む。去年の冬ごろ、彼氏と彼の友人と行った大阪のビルボードのジャズのライブ。開演前にふと立ち寄った紅茶店を思い出す。時間の都合上はいることはできなかったが、併設されたカフェでは紅茶の飲み放題らしく、店員さんがでっかいティーポットを持って席を回り、販売店のレジカウンターの後ろの棚にはバカでかい紅茶の缶が。そして何よりも驚くカオスなキャッチコピーの入った、視覚的にうるさいパッケージの商品。

知る人ぞ知る紅茶ブランド「ムレスナティー」のことをふと思い出した。今になってあのカフェいっときゃよかったなーと少し後悔した。今度オンラインで見てみようと思う。

今日のお茶会は大満足。甘いものは得意じゃないが私はこのケーキ屋さんのケーキは好きだ。また甘いものが欲しくなった時にでも行こう。
もちろん、安全運転で。

まさかその日の晩御飯、デザートでバスク風チーズケーキが出るとは思いもよらなかったが。


今日もお読みくださりありがとうございます。

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