新道竜巳のごみラジオ

最近ハマっていること。それは『新道竜巳のごみラジオ』を聴くことだ。

新道竜巳とはお笑いコンビの「馬鹿よ貴方は」のツッコミ担当。2014年にThe MANZAI決勝、そして2015年にはM-1決勝に進出している漫才師である。肩書きは一流だが、分類としては売れない芸人に括られるのだろう。 事実、時たまTV出演しているものの世間の知名度は圧倒的に低い芸人だ。

そんな彼が配信しているラジオが「新道竜巳のごみラジオ」。YouTuberに倣ってラジオ動画の編集に凝る芸人が多い中(霜降り明星、Aマッソが分かりやすい例)、”固定カメラで撮影した分をそのまま配信”というそっけない形式で配信している点が異色。あくまで話の内容にファーカスしてお届けしたいという志なのか、それとも単に面倒くさいだけなのか(おそらく後者)。

肝心の話の内容はきわめてマニアック。お笑いについて新道さんが自身の見解・知識をひたすら熱弁する、というスタイルである。
M-1やキングオブコントそして彼のライフワークであるTHE W(女芸人No.1決定戦)等の賞レースについて語る回もあれば、有名芸人の功績・イチオシの芸人を取り上げる回、演芸劇場の紹介をする回、はたまたお笑いファンの姿勢について批評する回etc、テーマの選定に関しては「お笑い論といえども、よくこのテーマを拾い上げたな…」と思わず感嘆してしまう。

また、彼の魅力は単にテーマ選定がマニアックであるだけに留まらない。深く分析する能力かつそれを分かりやすく(私のような素人にも理解・納得できるように)言語化する能力も卓越している。「なんとなく違和感を抱いていたけど、確かに新道さんの言っていることは腑に落ちるなぁ」と思わせるトークがこのラジオには詰まっている。やはりプロの芸人は凄い。

そして何よりも私が彼を評価している点は、「お笑いへの熱量の高さ」に尽きる。聞き手の後輩芸人が困惑、ときには引いてしまうほどのテンションの高さで嬉しそうにお笑い論を喋り続ける新道さんを見ていると、見ているコッチまで楽しくなってくる。よく「プレゼンでは語り手に熱意がないと、聴衆は心が動かされない」と言われるが、まさに聴衆の心を揺さぶるほどの熱量が伝わってくるラジオ動画、それが「新道竜巳のごみラジオ」である。

唯一苦言を呈するならば、新道さんには内弁慶な性格をぜひ改善してほしい。ごみラジオでの無双っぷり・お笑い評論家としての力量を、ぜひ外部でも発揮してほしい。たまに出演するTV番組では、借りてきた猫状態になってしまう新道さんを見るたびに「アンタはその程度のひな壇芸人じゃないだろ…!スパークしろよ!」と悔しさを覚えてしまう(女芸人について話を振られた際には、もれなく活躍しているが)。

これからも、毎日のようにUPされ続けるごみラジオを視聴し、そして膨大に眠ってある過去動画も追いかけて聴いていきたい。
改めて「新道竜巳のごみラジオ」、イチオシのラジオ動画である。

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