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Leica Q2がいた1年

 Leica Q2を譲り受けてもうすぐ1年が経とうとしている。どちらかというと「まだ1年か」と思うくらいにはQ2とあちこち出掛けて来た。ぼくのその時々の思考や感情を写し出してきたカメラとの日々をすこし振り返ってみる。

→ → → Leica Q2を譲り受けるまでのお話しはこちら


『夜な夜なLeica』 3つのルール

 夜な夜なLeicaとは、ぼくがInstagramに写真を毎日アップする際につけているタイトルだ。そもそもなぜ毎日アップし始めたのかというと、Q2を譲ってくれたユーヘイに「ちゃんと使い続けてるでー」ってことを知らせておきたいなと思ったから。譲ったはいいけど全く使われてへんやん、なんてことになるとやっぱり譲った方としては悲しいもんね。ぼくは適当で雑な性格ではあるけれど、そこはしっかりとしておきたいなと思った。Leica Q2に馳せた想いはそんなところにもあらわれていたのかもしれない。

 ただ伝えると言っても定期的にLINEで「今日の撮影分です。どうぞご査収ください」なんて毎日やられても迷惑なだけなので、あまり運用してなかったけどInstagramにアップしていくことにした。フォローしてくれてるから気がついたらいいねくらいしてくれるんちゃうかなーと。それくらいの緩さでちょうどよかった。

 そこで、Instagramでの投稿を始めるにあたって3つのルールを決めた。なんでもルールがなきゃ3日坊主になる。ハードルが低くてもいいから自分との約束を守り続けることが習慣化への第一歩だ。


▼Instagramに投稿する3つのルール
①毎日アップすること。
②夜にアップすること。
③1年間アップし続けること。


①毎日アップすること
 ぼくの性格からすると、例えば2日おきにアップしようと決めたところで忘れるに決まってる。忘れたら忘れたで「あれ、昨日アップしたっけ、、、まぁ、いっか🍻」「あぁ、なんかめんどくさいな。まぁ、いっか🍻」となり、そのまま忘れ去る自信しかない。だから言い訳をしないためにまずは毎日アップすることが大前提。

②夜にアップすること
 これはぼくの生活サイクル。平日昼間は働いていて身動き取れないから、撮るにしても現像するにしてもきっと夜が中心になるだろなーと思ったから。ゆっくりと時間的余裕があるときにしようと思った。でも今は朝(6時〜7時くらい)になってる。眠ってるひとがいる間は夜でいいんだ。

③1年間アップし続けること
 ユーヘイは『来年のゴールデンウィークは夫婦展やるぞー』とか訳のわからないことを言っていたけど、実際やるかどうかわからへんし。それでも1年くらいはアップ出来れば、ぼくの性格からすると上出来やろって感じで。

 この3つのルールに則ってInstagramにアップし続けようとなんとなく決めた。いいねとかつかなくても、目的はQ2を使ってるよってことが伝わればOK。そんな軽い気持ちで投稿を始めることにした。毎日の投稿にはいつの間にか【夜な夜なLeica】とタイトルが付く様になっていた。

LeicaQ2で撮った最初の投稿
-夜の神楽坂-
なんでピントが合わないかわからなかった
(ただのマクロモードの戻し忘れ)

 投稿を始めて間もなく、ずぼらでめんどくさがりで飽き性なぼくにとっては地獄の様な条件だったことに気が付いた。だいたいいつもあとから気付く。「どうせなにか起こったってなんとかしかならへんし、まぁいっか🍻」という楽観的な性格が問題を連れてやってくる。

「1日1枚撮って現像してアップするだけやろ? ヨユーヨユー」
「週末に1週間分撮り溜めたらいいだけやん? ヨユーヨユー」

 なんて思っていたけど、いざ撮影したデータを見てみたらなんかカッコ悪い。写り込んでる背景とか角度とか光と影の具合とかノイズ的なものとか。違和感ある写真ばっかり撮っててとてもアップ出来るシロモノじゃなかった。

「えっ、、、なにこれ使えな、、、? アップするネタが、、、ない、、、??」

 そう。夜な夜なするぞと決めて1週間。にも関わらずすでにネタがなかった。週末に撮り溜めるもなにもまだ週末が来てない。毎日のアップがとても難しくそのハードルの高さに気付いた瞬間だった。しかし、毎日アップすると自分で決めた以上は自分との約束を破るわけにもいかない。頭の中で整理してみる。

Instagramにアップするうえで決めたルールは3つ。
①毎日②夜に③1年間アップし続けること。

と、ここでひとつの可能性に気が付いた。

「そうだ、別にQ2で撮ったやつって決めてないし、、、アップさえしてしまえば、、、!! だったら過去に撮ったやつを、、、」

 別にQ2で撮ってる必要はない。むしろ「Q2を使ってるよー!」なんてキレイ事もどうでもいい。だってQ2使ってるのなんてわかってるに決まってる。ここは自分で決めたルールを守って粛々と続けることが大切なのだ。こんな初っ端から穴を開けるわけにはいかない。継続が大事。(当初の目的はLeica Q2を使ってるよって伝えること、、、)

LeicaQ2を譲り受ける前日に
α7IIIで撮ったお花をアップ

 そして無事ミッションコンプリート。夜な夜なLeicaと言わずにサラッとアップ。嘘はよくない。毎日アップし続けるって大変だなーと継続することの難しさを噛み締めながら、もう1枚おまけに葉っぱをアップした。

 この経験から撮る時には1枚1枚出来上がりを想像して、被写体にもっと気が付けるよう自分の周囲に気を配りながら行動する様になった。

 そして『夜な夜なLeica』は今後、撮り歩いていく上での原動力にもなっていった。

Leica Q2と歩んだ1年

 この1年はほんとにあちこち移動したなと思う。週末に家にいることはほとんどなかったかもしれない。どこに行くにしてもQ2と一緒に出掛けていた。全て大切な思い出たちだけど、ピックアップしたものを少々。Q2はいろんなことを教えてくれた。

2022年5月~2022年7月

▼出来事
■5月 Leicaに恋して -京都フォトウォーク-
■6月 『葉っぱ展』@HuBase に出展
■7月 Leicaに恋して -お台場フォトウォーク-
■その他のイベント 海遊館大阪市立長居植物園(バラ・ダリア・アジサイ)/あべのハルカス展望台小豆島旅行

■Leicaに恋して -京都フォトウォーク-

ぼくは『Leicaに恋して』というコミュニティに入会している。ユーヘイが主宰するってことだったので、何も考えず無条件に入会したコミュニティだ。カメラ好きや写真好きが集まるってことは後から知った。

そのLeicaに恋してのフォトウォークが京都で開催されるので、大阪住まいのぼくはもちろん参加。Q2を譲り受けてから初めてのフォトウォークだ。参加者には主宰であるユーヘイ、Andyさんの2人はもちろん、YouTubeチャンネル「青春は何度も繰り返してもいい」を運営されてるiwaiさん。そして熊本の珈琲写真家であるKeiko.さんなど、Leicaに恋してではお馴染みのメンバーが揃っていた。

Keiko.さんは、とてもやさしくてすこし切なさを置いてきたような雰囲気の写真を撮る。とても大好きな写真たちだ。ぼくはそんなKeiko.さんとお会いできるのをとても楽しみにしていた。なぜならKeiko.さんは、ぼくがユーヘイからQ2を譲り受けたのを知るとすぐにDMをくれたからだ。

初めてのDM

『たくさんお話しさせてください!』
「こちらこそよろしくお願いいたします!」

なお、お互いに人見知りなぼくらは当日キョドってあまり話さなかった。2人ともテキストではよく喋る。

Keiko.さんといろいろなやり取りをする中でひとつ大きな衝撃を受けた。ぼくが撮った写真を見てもらってるとふとKeiko.さんがこう言った。

『ばっさり縦構図にしてみても面白そうです!』

「た、、たてこうず、、、???」

そう。縦構図をしらなかった。いや、見たことはあったけど言われるまでまったく気付かなかった。昔の写真を見直してもみごと横構図しかない。

「カメラを縦にして撮る。たてこうず。おぉ、なるほどなるほど!!」
「そういえばユーヘイのあの広い空の写真もたてこうず!」

 横構図の写真を次々に縦にクロップしてみる。すごくいい! 被写体がハッキリして横構図よりもすっきりする! ケンジはレベルアップした。

引きの横構図か
すっきりシュッとした縦構図か

2022年8月~2022年10月

▼出来事
■8月 『海展』@HuBase に出展
■10月 Leicaに恋して -京都南禅寺フォトウォーク-
■10月 Leicaに恋して -横浜ナイトフォトウォーク-
■その他イベント 大阪市立長居植物園(ひまわり・チームラボ)/自宅兼事務所引っ越し/『Leicaに恋して写真展 in京都』/大阪城公園/『淀川混声合唱団 第32回演奏会』/『ART! ART! ASHIYA』/大阪中之島美術館『岡本太郎展』/てんのうじどうぶつえん

■Leicaに恋して -横浜ナイトフォトウォーク-

 10月の横浜ナイトフォトウォーク。この日はなかよしなみんなと早めに集合して、まずは横浜中華街で腹ごなし。ゆっくり撮り歩きながら山下公園を通り抜け、集合場所へ。横浜をこよなく愛する兄さんたちに横浜の歴史を教えてもらいながら、夜の街並みを撮り歩くとても贅沢で有意義なフォトウォークだった。

横浜の夜

フォトウォーク終了後は、Leicaに恋してのバッカス兄さん3人衆に連れられて朝までベロンベロン。翌日、秋らしい朝を迎え、とても美味しいワンタンスープを出すお店に連れてってもらい、横浜を再度堪能しつつ、優しいお姉さまにエスプレッソアフォガードプラペチーノをご馳走になった。スタバで普通のコーヒー以外を飲むのは初めて。楽しかったな横浜。横浜はみんなが胸を張ってるほんといい街。お姉さまにお返ししなきゃいけないし、いつか横浜でも展示会をやりたい🍻

横浜のお昼

2022年11月~2023年1月

▼出来事
■11月 Leicaに恋して -神戸異人館フォトウォーク-
■11月 『路地裏展』@HuBase に出展
■23年1月 『乗り物展』@HuBase and @瑞林院 に出展・在廊
■その他イベント 滋賀県甲賀市信楽町/Saki原画展『Line of Aquatic 〜水生生物の世界〜』 @大丸下関店/毎年恒例撮影パーティー @京都/りんくうプレミアムアウトレット大泉緑地/Leicaに恋して忘年会 @HuBase/Leicaに恋して新年会 @瑞林院/ 『クロス展2 By Choco Choco📸』/『マッサ フラメンコライブ』

■Leicaに恋して -神戸異人館フォトウォーク-

 実はQ2を使いだしてからずっと違和感があった。なぜかいつもみたいにうまく写真が撮れない。α7Ⅲではもっとシュッとした落ち着いた写真が撮れていたはずなのに。風景も街並みもひとも、全然思った通りに撮れない。その違和感に答えが出たのが11月の神戸異人館フォトウォークでのこと。

 Leica Q2にはクロップ機能がある。デフォルトでは28mmだが、それを35mm・50mm・75mmの画角に切り取ってくれる。4730万画素という高画素機ならではの機能だ。ふと、このクロップ機能を使ったことがないなーと思い、この日は全て50mmで撮ることにした。するとどうだろう。むかし撮れていたような余分な物が削ぎ落とされたシュッとした写真が撮れたのだ。

「えっ、、、、画角、、、、!!?」

 Q2を使い出すまでは基本的に50mm〜で撮ることが多かった。つまりその頃は無意識のうちに構図の整理を行なっていたのだと思う。そんなぼくからすると28mmはとてつもなく広かった。見える物全てが写り込む。視界では気付いてないものも後から写真を見ると写り込んでる。そこで出来上がった写真は余計な情報がはいっててうるさいものになる。そんな違和感ばかりを感じ写真を撮ることにも自信がなくなってきて、特にポートレートはめったに撮らなくなった。でも、昔懐かしのいらないものが削ぎ落とされたシュッとした写真がここで撮れた。50mmクロップ機能で。

「違和感の正体、これか!!!」

 Q2を使う様になって半年が過ぎた頃、やっとカメラとレンズのド基本的なことに気が付いた。これが焦点距離、、、! ケンジはレベルアップ?した、、、(勉強しろ)

この1枚が気付かせてくれた
試しに撮ったもう1枚。馴染みのある画角。

2023年2月~2023年4月

▼出来事
■3月 Leicaに恋して -京都祇園四条フォトウォーク-
■3月 『愛展』@HuBase に出展
■4月 Leicaに恋して -滋賀レイクサイド(焼き肉)フォトウォーク-
■4月 『愛展』@瑞林院 に出展
■4月 『バルナック展』@HuBase に出展
■その他 『記憶の欠片展 By Keiko.』@HuBase and @南阿蘇鉄道 阿蘇白川駅屯倉神社/『レプタイルズフィーバー WINTER2023』出店 /『La Primavera Concert Vol.18』/『Orphe Choirs 第3回演奏会』/『CANDID PHOTOGRAPHS By t.nfune』/『Leicaに恋して写真展 in東京 〜始まりの場所〜』等々

 やっと桜の季節がやってきた。桜が大好きなぼくとしてはQ2で桜を撮れる日をとても楽しみにしていた。

念願だったQ2での桜🌸

 そして2023年5月。またHuBaseに戻ってきた。

そして区切りの日

 振り返ると仕事でもないのに(先々で仕事見つけてくるけど)よくもまぁこんなに移動したもんだ。いまではフォトウォークなんかで初めましての挨拶をすると『あぁ、あの夜な夜なの、、、』なんて声を掛けてくれたりもする。東西ウロウロしているせいかLeicaに恋してのフォトウォークを紹介するYouTubeに出演していないと『この前の出てなかったねー!』と言ってくれたり。すこし変な気分だけれど、気にかけてくれるその気持ちが本当にありがたい。

 この1年を振り返ってみたついでにもうひとつの岐路のことも考えてみた。あの日、Leica Q2を譲り受ける決断をしなかった未来はどうなっていたのか。


 去年の5月のユーヘイのYouTubeには他の誰かが出演していて、ぼくはきっといまもα7IIIを使っている。カメラやレンズには興味がなかったから。

 もちろん夜な夜なLeicaはアップしていない。ということは、夜な夜なLeicaがキッカケとなって深まった交流も生まれない。

 『Leicaに恋して』コミュニティには入っているけど、東京のフォトウォークやイベントには今ほど参加していなくて、関西のフォトウォークも気が向いたら時々参加しているくらいだと思う。

 フォトウォークを通じて出来たなかよしもこの世界線ではなかよくなっていない。

 コミュニティの写真展にも出展していないと思う。

 週末はいつも家にいて、そこそこ暇な毎日を過ごしていたのかなーとも思う。ぼくは生来のめんどくさがりで人見知りで人と関わり合いたくない性格だから。

 そしてこの5月、夫婦展の開催はなかった。


 あの時Leica Q2を譲り受けるって決断はぼくの人生においてきっと大正解だったと思う。しかもただ『Leica Q2を買う』という決断ではダメで、あのときあの場所でユーヘイから買うという決断に意味があったんだと思う。

 ちょっとした決断かもしれない。人生は一度しかないから人生が変わったなんてことは言えないけれど「なんだ、人生って楽しかったのか」って思える気はしている。そしてそんなLeica Q2で撮り続けて夜な夜なし続けていたからこそ生まれたコミュニケーションや大切な出逢いもあって。Leica Q2はいろんな大切なものをぼくに与えてくれた。

 実は、夫婦展が開催される5月以降にM型のライカを探し始めようと考えていた。探していたのはLeica M10-D。M10-Dの価格もたいがいだから、正直なところQ2を手放すことも視野に入れていた。

 でもやめた。このLeica Q2はぼくで最後にする。人生をすこし華やかにしてくれた大切なカメラだ。壊れて治せなくなるまで大切に使おう。もうすでにユーヘイよりも長く使ってるしね。

 夜な夜なLeicaもなんだかんだやってきてよかった。途中から写真のタイトルまで付け出したもんだから余計にハードルを上げてしまってずっと悶々していたこともあった。それでも『夜な夜なLeicaを楽しみにしてるよ』とか『写真の雰囲気が色っぽくなったね』とか『Q2の行き先がケンジさんでよかった』って伝えてくれた人たちがいたから続けられたんだなと思う。いいねもいいけど、言葉で伝えられるとやっぱりとても嬉しいもんだ。

 Leica Q2を譲り受けてもうすぐ1年が経とうとしている。もう少しゆっくりでもいいのにもう1年になるのか。まさかこんな思い出たちが待ってたなんてこれっぽっちも思っていなかったけど、本当に忙しく、楽しい1年だったんじゃないかなと思う。

 この1年間ほんとに好き勝手やってきたので、すこし落ち着くことにする。写真をみるとその時の想いや感情や表情、会話までもが浮かんでくる。いつか色褪せるもんなんだろうけど、その前に感傷に浸る時間があってもいいよね。写真を撮るっていいもんだな。

夫婦展のお知らせ(終了しています)

 そしてゴールデンウィーク。Leica Q2が1年間紡いでくれた縁から、夫婦展を開催する運びとなりました。Sakiの細密画と僭越ながらぼくがQ2で撮影した写真を展示します。Q2に興味がある方、Q2を操作してみたい方、Q2の作例を見てみたい方は是非とも足を運んでいただければと思います。

日時:
2023年5月3日(水)13時30分頃〜19時頃(在廊予定)
☆夫婦展開幕イベント🍻ドリンク1杯プレゼント(ソフトドリンク、アルコール問わず)

2023年5月4日(木)11時〜19時頃(在廊予定)
2023年5月5日(金)11時〜19時頃(在廊予定)

2023年5月6日(土)11時〜17時頃〜閉店まで
☆打ち上げパーティー🍻17時頃から閉店まで一緒に片付けたりお話しながら夫婦展閉幕!

場所:
HuBase
東京都文京区水道2-13-4 ビクセル文京103
最寄り駅:
東京メトロ有楽町線 江戸川橋駅から徒歩5分
東京メトロ東西線 神楽坂駅から徒歩10分

 長々とまとまらない文章にお付き合いくださりありがとうございました!「いいね」やコメント、「シェア」していただけると幸いでございます。是非、かんぱいしましょう🍻

そして1年後の物語。