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ソアリングと言う好奇心

 断酒オンリーの記事を書くにも、ネタは尽きる。過去形で「お酒と良かった関係」を保てた時代を想い出して、感慨に浸ってみるのも「おつ」なものであるかも。

 完全断酒した身としては、あの時の酒は本当に美味しかった、と感謝した時は多々あった。その時、酒精は天使であった。独りでも、その感動を何倍にも増幅させてくれた魔法の液体だったと言える。

 例えば、画像のようにグライダーで日光男体山や中禅寺湖まで飛んで行ったとき。もちろんエンジンはない。山岳派と呼ばれる上昇気流に乗って、高度は15,000ft、約3,000mまで上昇。

 日本海側には雪雲が見えて、その上をソアリング。エンジンがないから帰投することを常に考えながらのソアリングゆえ、一瞬たりとも気が緩まない。

 しかし、筑波山麓の河川敷から飛行機曳航で飛び立って、2,000ftで離脱し、ここまでサーマルなどを乗り付いてやってきた感動。一生忘れないソアリングのひとつ。

 グライダーの世界をわかってもらえる人は少ないから、自己満足の極致なんだけど、これほど孤高な趣味は少ないと思う。

 飛び立った滑空場まで戻る方が、ある意味難しい。届かなかった時のために、他の滑空場へも降りられる安全性を担保(すり鉢飛行)しているけど、はやり元の場所へ戻りたい。

 そのためには当然上昇気流を探して、効率よく考えて飛ばなければならない。

 そして無事に着陸。なんとも言えない充実感。機体をブレークダウンして(大きなグライダーでも一人で30分あれば出来ます)、クラブハウスで飲むビール

 本当に美味しかった。今なら冷えた水で充分だけど、ビールの喉越しと香り、その後にやってくる陶酔感。辞められない人が多いのは、当然だと思う。

 パラやハングと合わせてグライダーは3つ続けているけど、予想した気象条件が当たり、しかもソアリング中に刻々と変化コンディションに対応した操縦をすることは難しい。悔しい思いをすることの方が遥かに多い。

 無念にも着陸してしまった時も、アルコールは気分を紛らわせてくれるツールとして最適な友だったけど、もう必要なくなってしまった。

 ストイックに3つの翼で飛び続け、ピュアグライダーのエアタイムをどこまで伸ばせるか、現在合計2,050時間、そのための断酒継続が一つの重要な好奇心となっている。

 まさに、シラフの好奇心の代表格は、空飛ぶソアリング。きょうは今年最後のソアリング。

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