遠い水族館・アクアース ⑶
前回のあらすじ
寒さに心が折れかけた。
https://note.com/kz26/n/ne247be484dda
そして二つ目のアクシデントが発生した。
この旅はGoogleマップの経路案内のみを頼みにしていた。右にと指示されたら右に、左と言われたら左に。この子と心中するつもりでいた。
いわば命綱であり相棒である。
尾道を抜け、世羅に差し掛かったところで相棒が右方向へ進むように指示した。相棒の言うことは絶対なので指示通りに右折した。
が、その先には明らかに高速道路の入り口である。ご存知の通り原付は高速道路に入ることができない。あらかじめ有料道路を使用しないルートで設定していたはずなのに指示された方向は高速道路の入り口。
そう、相棒はポンコツだった。命綱は凧糸だった。こんな奴らに命を預けて良いのだろうか、寒さも相待って心は既に折れてしまっている。ここまでくると寒さと動揺でほぼKO寸前。進むも地獄、退くも地獄。前門の世羅、後門の尾道。
叫び声は闇に消え、辺りが真っ暗が包む。
この後どう対処したのかは全く覚えていない、多分ルートの修正をどうにかしたのだと思う。路肩にでもとめたのかな?
ここからまた山道が続いていく。世羅のハミングロードかなんとかいう道路まで辿り着いた。長く長く旅路の途中。地図を見たらまだまだ遠い。
未だ空は闇の中。日はまだ昇らない。
続く
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