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遠い水族館・アクアース (2)

前回のあらすじ
アクアスへ向かうため牛丼を食べて腹ごしらえをした。https://note.com/zato_k_aquarium/n/nc865cc6deeb8

腹ごしらえをした後、意気揚々と原付にまたがる。時刻は朝の四時、予定通りに行けば十時のペンギンショーに間に合う。

市街地を抜けると一気に山へと景色が変わった。ここからは山登り。時間も時間なのでほぼ車の影はない。たまにすれ違う大型トラックのみ。原付からしたら後ろから車が来ないことはすごく気が楽である。所々にある温度計には0の文字が写っている。

寒すぎる。ここにきて想像を三回りほど上回る寒さに襲われる。重ね着といっても薄い長袖だし、コートと言ってもお出かけに使えるおしゃれコートには荷が重すぎた。今考えると手袋も薄い。ホッカイロを忘れるなんて論外。

この時点でもう帰りたくなった。まだ出発して半分どころかその半分も達してない。寒いし手先が痛くなってきたし、辿り着ける気がしない。でもアクアスには行きたい。この時点でこんな精神状態。小指で突いても折れちゃいそう。

一つ目の誤算は寒さだった。なんとか山を越えて即コンビニでホッカイロを買った。貼るタイプとポッケに入れるやつ、この時点ではもう気休めでしかなかった。

それでも気休めのホッカイロで体と心を奮い立たせて闇夜へと進み出した。

まだ日は昇らない。

                                   続く




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