見出し画像

[L'yse:nore]――『私が愛したヴィジュアル系』

〈1313文字〉

様々なバンドを経て、今はレーベルの代表であられる未散さんが最初期に組んだバンド[L'yse:nore]を紹介します。

持っている音源は以下です。

1999.03.01 『Crystal Wall(完全盤)』
1999.08.21 『four-leaf clover...』
1999.08.25 『La vision』
1999.12.16 『Pharacy』

最初の印象は、『気前のいいバンドだな』でした(笑)。

正式にバンド活動を始めるにあたり、ライブ会場限定の配布ではなく、希望者に無料でデモテープを送付してくれたからです。
当時、デモテープを無料で送付するバンドもいないわけでもなかったのですが、大抵はコピー用紙にモノクロ印刷したようなジャケットで、私の記憶では彼らののみ、商品化してもおかしくない仕様のデモテープ(『鏡の中の記憶…』)が送られてきたのでした。

音源を発売した期間は、一年間だったのですね……(1998.12.21『Crystal Wall(限定盤)』発売)。
私は率直に言って、活動期間中の彼らを熱烈に応援したわけではなかったのですが、解散後、何度か音源を買い直すことになり、『Crystal Wall(完全盤)』を買って以降は、もう手放すことはしませんでした。

ベストアルバムの『Pharacy』より、断然そっちにハマりましたね。
『Pharacy』は、まぁ色々言いたいことがあるのですが、それはのちに語りましょう(笑)。
とにかく、内容もさることながら、『Crystal Wall(完全盤)』はデザインやアーティスト写真がいいですね。個人的にはV系バンドジャケットデザインランキング、ベスト5に入ります。
※限定盤のあとの(『完全盤』という名の一曲追加した)通常盤でなければ、もっとよかったのですが。もちろん、特殊仕様の限定盤の良さがあると感じる人は別でしょうが、あくまでバンドにとって一義的な価値は音源であり、次に魅せ方、それ以外は付加価値と思う人間の戯言です。

どこをどう、みなさんにおすすめしたらいいか難しいバンドなのですが(私は専門用語を知らないもので)、おそらく間違いないと思えるのは、インディーズ時代の[ROUAGE]好きなら、きっとハマるだろうということです。

楽曲そのものは独自性を持っていながらも、アー写を含めどことなくそういう雰囲気を感じるのです。[ROUAGE]が好きすぎて、勝手にそう見えてしまっただけかも知れませんが(苦笑)。

曲はすべて完成度が高く、可能なら全曲流し聴くなどして判断してほしいのですが、V系に不慣れな方におすすめするとしたら、まずは『Solitude』と『Frame of mind』でしょうか。

さて、『Pharacy』に話を戻して――、細かな話は抜きにして一口に言えば『コアなファン向け過ぎるでしょ、未散さん!』という内容です。

未散さんは、天馬空てんばくうを行く性格のようで、この『コアなファン向け』の傾向(ベストアルバムを買うだけでは許さぬ傾向(笑))は、[S to M]の音源にも受け継がれます(ベストこそありませんが[未散プロジェクト]もしかりです)。

//