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[Kneuklid Romance]――『私が愛したヴィジュアル系』

〈1217文字〉

やっと来たか。
古いV系ファンなら、そうお思いでしょうね。

1993.07.07 『LOVE SONG』
1994.09.24 『パズル』
※私が持っているのはのちに発売されたBOXのみです。

メジャーでも活躍されたバンドですが、私が好きだった活動期間は、vo.雪乃さん在籍の時期だということをご了承ください。

私は『神』という言葉は軽々しく使いたくないので、ヴィジュアル系界の大立者であらっしゃるKISAKIさんがアーティストとして、またプロデューサーとして、また一個人として、この業界で様々なことをおこなわれた中で、その一つの業績といっていいのが、この[Kneuklid Romance]の雪乃さん時代の音源をリマスタリングして発売されたことではないでしょうか。

根っからのファン、ないしは、貴重な『LOVE SONG』を肌身離さず持っておられた方なら、『おい、ふざけんな! おれはあんなアー写もないCDは作品として認めねぇ』などと言われるかもしれません。
特に『パズル』は、優れたジャケット(なかんずく裏ジャケ)、優れた歌詞カードですから。

でも、音そのものに関しては、やはりリマスタリングしていただけてよかったと言わざるをえません。
私も両方とも持っていましたが、どうしても『LOVE SONG』は古い音源にありがちな、音の小ささでした。

イヤホンを使い、CDを録音したものを続けて聴いたとき(最初はテープでしたね)、『パズル』に移り、『瞬間ノ声』の語りのあと『Flowers』に入った段階で、イントロにドキッとさせられたことがありましたから。特に、『LOVE SONG』に音を調整したときは(笑)。
※アーティストの中には、たまにびっくりさせる音や耳障りな音を入れる人いますよね……。出だしの音とか、曲終わりの音とか。繰り返し聴くということも考慮に入れられているとは思うのですが。ごめんなさい、この話は『LOVE SONG』や『パズル』とはまったく関係ないです。

一筋縄ではいかない楽曲と雪乃さんの美声が相まって極上の仕上がりです。
イケナイ言い方ですが、マヤク的な良さがあるように思われます。
もう30年経つというのに、そしてたったCD2枚だけの、曲そのものは13曲の音源だというのに、決して忘れ去ることはできず、必ずまた聴きたくなるのです。CDの終曲に続くピアノの旋律も余韻が深まってたまりません。

デモテープのリマスタリングに関して何も触れないな(こっちのほうが大事だろ)、と思われている方、事情をお察しください。細かく言えるはずがないのです。
なぜこのタイトルなのかはわかりませんが、唐突感がすごいです(笑)。
ええ、間違いなく、聴けてうれしい音源です。

オムニバスでは『Sing... for you』となっている曲タイトルが、『パズル』では『Sing for ...you』となっているところも、こだわりが見えてまたいいですよね。

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