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[Shiver]――『私が愛したヴィジュアル系』

〈1191文字〉

アクセス数は伸びずとも、有名どころを出して迎合はしません(笑)。
どこまでもわが道を突き進むまでです。

前回の[Lamiel]と同時期に好きだったバンド[Shiver]を紹介します。
発売されたCDはたった三枚です。

1999.03.05 Al『Psychodissection』
1999.09.29 Sg『Hysterical-Link』
2000.04.12 Sg『hypnosis』

「ああ、あの無機質な感じや声が[PIERROT]に似たバンドね」などと言われようものなら、「いいえ、全然違います」と言い返してあげます。

これはもちろん[PIERROT]さんを否定しているわけではなく、そのような色眼鏡は、本質を見極めるのに、非常に邪魔なものであると言わんとせんためです。

ファーストミニアルバム『Psychodissection』は彼らの代表曲を詰め込んだものです。それはそれで素晴らしいのですが、『Hysterical-Link』と『hypnosis』の物語性には敵いません。これらの各々3曲がすべてコンセプトを持った序破急の物語になっているのです。
よくこんな歌詞が書けたものだと、あらためてvo.REIさんを尊敬します。

それだけに、もし次の作品があったら、どんな物語を曲に乗せて読ませてくれたんだろうと、期待を抱かずにはいられません……。

聴き直しましたが、『Psychodissection』もやっぱりすごいですね。
『黒い拒絶』の歌詞の中の、身勝手に別れを告げようとする男の心情をあらわすのに、こんな言葉があります――『泣き崩れるキミのことを 押すように突き離すような言葉を探し続けて このまま…』
“押すように突き離すような”――ゾッとする響きですよね。さながら手が汚れるのを嫌うかのような……。電車が近づくプラットホームでトンと背中を押すような……。今回は男性目線ですが、女性目線でも怖い印象があります。歌詞の中では、実はこの女性もそれとなく怖い印象があって、最終的には……といった妄想まで働いてしまいます(笑)。

あまり知られてはいませんが、売れなかったバンドでは決してありませんでした。
それどころか、絶頂に近い状態で解散してしまったのです。下積みも長かったはずですが、いよいよというときにメンバーに辞めねばならない事情が生じたのでした。

なお、『hypnosis』はこのバンドで唯一プロモーションビデオが撮影されましたが、個人評価のランキングとしてはかなり上位にあたります。自分たちの魅せ方も心得ておられました。

遠い昔(バンドの公式サイトもあまり見受けられない時代)、熱烈な支持者によるファンサイトがあったような気も(ほかにもよく見たものに[Rentrer en Soi]のファンサイトもありましたね)。

このバンドには、歌詞を含め、悲しい思い出が付きまといます。

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