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[DIE IN CRIES]――『私が愛したヴィジュアル系』

〈2777文字〉

1991.08.10 Al『NOTHINGNESS TO REVOLUTION』
1992.02.05 Sg『MELODIES』※メジャーデビューシングル
1992.03.11 Al『VISAGE』
1992.09.23 Sg『MY EYES~僕の瞳よ~』
1992.09.23 Al『NODE』
1993.01.08 Sg『to you』
1993.06.02 Sg『NOCTURNE』
1993.07.17 Al『Eros』
1993.11.21 Sg『LOVE SONG』
1993.12.01 Al『Classique Ave.の飛べない鳩』
1994.05.21 Sg『CRECENT MOON』
1995.05.24 Sg『「種」』
1995.06.21 Al『Seeds』
1995.09.21 Al『LAST LIVE「1995.7.2」』
1997.06.21 Al『THANX -Best of Die In Cries-』

最初は、私がヴィジュアル系バンドにのめり込んだきっかけであり、今現在ももっとも愛するバンド[DIE IN CRIES]を紹介しましょう。

出逢いは、そう、スペースシャワーTVで偶然にもMVを2曲連続で見たときでした。――って、止めましょう。とにかく話が古すぎます(笑)。

それまでは特にのめり込むでもなく大衆的な音楽を聴くくらいでしたが、このバンドをきっかけに、私の嗜好は大きくヴィジュアル系に舵を切ることになるのです。

メンバーは、vo.kyo, gt.室姫 深, ba.TAKASHI, dr.YUKIHIRO(敬称略)です。

kyoさんは、再結成した[D'ERLANGER]でも活動されていますが、この頃のkyoさんが個人的には一番好きです(kyoさんは今現在の表記を使わせていただきます)。
色気がたまらない、しかもそれが色付けされたものでない、硬派な色っぽさなのです。歌詞カードのアーティスト写真などは、男でもため息をつくほどです。
そして、もちろん声も素晴らしい。声もやっぱり硬派(どことなく突き放すような、それでいて優しい声)なのです。テクニカルなことは何もわからず、説明できませんが、顎を使ったビブラートがまたかっこいいのです。

大好きだっただけに、その終わり方は、あっけなかったですね……。
このバンドが本当の意味で生きていたのは、『Classique Ave.の飛べない鳩』までだったように思います。その後発売された『CRECENT MOON』のミュージックビデオは過去の映像の寄せ集めで作られました。
それからは、kyoさんがソロ活動を始められ、メインコンポーザーである室姫さんが別バンドを結成し、解散が確定した上での『Seeds』発売――だったように思います。
ご存じの方ならおわかりでしょうが、誰一人として入れ替わりのきかないバンドだったのです。

ライブCDは持たないほうですが、このバンドのラストライブのものは持っています。これまで様々なライブCDを聴いてきましたが、お世辞抜きに、これ以上のライブアルバムを私は知りません。

『NOTHINGNESS TO REVOLUTION』は、個人的にはkyoさんが惜しまれながらも[D'ERLANGER]を解散した(させた)理由を提示するためのアルバムと解しています。
とにかく思いの丈が詰まった、マニアックで耽美な世界観を具現化したアルバムです。毎回最後の『NERVOUS(EXTENDED MIX)』が始まると鳥肌が立つ感覚を覚えます。

『VISAGE』は、一番好きなアルバムです。
いえ、世界中の全アルバムの中でという意味です(笑)。
『水晶の瞬間~to immortality....』はいつ聴いても魂が揺さぶられます。
うろ覚えではありますが、解散後何年も経ってから、[Dir en grey]の京さんが、雑誌の中で、お気に入りのアルバムとしてこの『VISAGE』を挙げられていて、個人的にとてもうれしかったことを覚えています。

『NODE』は、曲数は少なめながら、こっちが『言葉にならない…』ほどの名曲ぞろい。
このアルバムを制作中、メンバーが大ゲンカしたらしいことをあとで知りました(笑)。
初回盤を探すのに苦労した思い出も。

『Eros』は、これまででもっともポップです。そして、肩下まである長髪のkyoさんが見られます。
『Through the Looking Glass』など先行シングルに加わってもおかしくない曲もあるなか、特に、kyoさんが誕生された甥御さんのために唄った曲
『I Wish You'll be Happy』は秀逸です。
でも振り返れば、バンドそのものにはこのポップさが危うさの兆候だったのかもしれませんね。
『NOCTURNE』のMV収録も兼ねたアルバムのジャケット撮影は、ものすごいお金をかけていたことがわかります(笑)。

『Classique Ave.の飛べない鳩』は、『JUDAS or JESUS?』に尽きると言ったらファンの方に怒られるでしょうね(笑)。
不思議なことに、このアルバムは存在不記載のボーナストラック『JUDAS or JESUS?』が数分ある無音の時間と曲分けされたもの(11曲目に無音、12曲目に『JUDAS―』)とされていないもの(11曲目に無音と『JUDAS―』)とがあり、曲分けされたものを探した思い出があります。
言わずもがな、再録された曲たちは圧巻の仕上がりです。

『Seeds』は、どうしても聴くのがつらいですね。たとえそれが悪い意味ではなく、良い意味に受け取るように求められたものだとしても、文字どおりの不協和音を感じずにはいられません。
9曲入りなどせず、6曲入り程度のミニアルバムだったら印象も違っていたのではないかと思います。
そこには様々な大人の事情があったこととは思いますが……。

『THANX -Best of Die In Cries-』は、『Weeping Song('91 Original Version)』に尽きると、断言しきってかまわぬでしょう!
プラスアルファ、なぜ『MY EYES~僕の瞳よ~』を入れなかった問題もありました(笑)。

余談ですが、その後kyoさんと室姫さんとTAKASHIさんが在籍する[BUG]が結成されたとき、[DIE IN CRIES]ファンは沸き立ちましたが、音の方向性は違っていましたね。
Sg『NEW WORLD(c/w So CRAZY)』は好きだから持っていますけど。

ちょっと長くなりましたが、次回はこんなに長くはならないでしょう。
ところでバンド名の表記ですが、私は[Die In Cries]より[die in cries]より、[DIE IN CRIES]が好きです。

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