見出し画像

[FANATIC◇CRISIS]――『私が愛したヴィジュアル系』

〈1528文字〉

インディーズ時代の[FANATIC◇CRISIS]を紹介します。

1995     Al『太陽の虜(2nd)』
1995.11.25 Sg『Memories in White』
1996.01.07 Al『MASK』
1996.07.05 Sg『月の花』
1996.07.05 Sg『Rain』
1996.11.25 Al『MARBLE』

このバンドの特徴は――って言う必要ありますかね(笑)。

メンバーみなさん腕達者であり、専門家視点からすれば各々楽曲に対し、技術面や機材面など様々な意見や解釈が出るのでしょうが、申し訳ありません、素人の私には石月 努さんの圧倒的歌唱力を前に(それが眩しすぎるゆえ)、何もかもがかすんでしまいます。

その石月 努さん、『太陽の虜』の初回盤をリリースした頃は、17歳であったというから驚愕です(バンドを組んだときは15歳だったそうです)。

ヴィジュアル系界きっての麒麟児(今でいう藤井聡太氏)といえば、私には、この石月 努さんが思い浮かびます。

メジャー流通の『MARBLE』のときでさえ、19歳なのですからね。
その『MARBLE』には、とても19の若者が書いたとは思えぬ『永遠の子供達 -the eternal child-』の歌詞があります。
その歌詞は、ぜひメロディとともに聴いていただきたいです(何気ない感じでかなり胸に迫ることを歌っています)。

『MARBLE』でいうと、私はこの収録曲の中で突出して、『more pain』と『MY ROSE』が好きです。

[FANATIC◇CRISIS]のメジャーを含めた全楽曲の中で、五指に入るほどです。

もしあなたがカラオケ屋に行き、友達みんなを知らない曲で感動させたいなら、この『more pain』か『MY ROSE』をおすすめします(しんみりしかけた後半が狙い目です)。

自分勝手な分析で申し訳ありませんが、それまでのヴィジュアル系らしい歌詞も好きでしたが、この(『月の花』を含めた)時期に、石月 努さんの歌詞は、独自性が開花したように思います。
また、『MARBLE』によりファッション性を含めたバンドの方向性が変わった気がします。

もう一つ好き加減が尋常でないもの(笑)で言わせていただければ、『Memories in White』がめちゃめちゃ大好きです。
この曲は、わたくし的[FANATIC◇CRISIS]楽曲ランキングNo.1です。
「おいおい、この時期なら『Love Me』だろ?」――いえいえ、私は良曲前提のシングル曲だとしても、やっぱり『Memories in White』推しです(笑)。

この『Memories in White』のシングル盤とアルバム(『MASK』)盤の対比でよくわかるのですが、『MASK』はボーカルに軽いエフェクトのようなものがかかっているのが、ちょっとだけ残念ですね。
いえ、『MASK』単体で聴くと、それ自体が声をより玲瓏なものとし、冬の冷たさを演出するようにも聴こえるのですが、もともとの石月 努さんの声が素晴らしいので、若干、出来上がった蛇の絵に足を書き加えてしまったような感じを受けてしまいます(個人的な印象ですので、エンジニアさんお許しください)。

とにかく、石月 努さんは、歌声だけでなく、魅せ方も最初からお上手でした(デザイナーになられたくらいですからね)。
遠い昔、雑誌(確か『Vicious』)で見た、『MASK』リリース前後の集合アーティスト写真だったと思いますが、黒服を着た石月 努さんが一歩前に出て、大きく足を開き、細い腰をさらけ出しながら、片肘を顔の横に上げて立っている姿が、かっこよすぎていまだに忘れられません。

//