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[Lamiel]――『私が愛したヴィジュアル系』

〈1753文字〉

ヴィジュアル系には黒系と白系とがありますが(私が主に好きなのは黒系ですが)、今回は『これぞ黒系の正統』とも言うべき[Lamiel]を紹介します。

1998.08.23 Al『開眼』
1999.03.20 Al『鬨の声』
1999.08.29 Sg『Naked Eye』
1999.09.26 Al『心葬』
2000.04.01 Sg『是空』

ヴィジュアル系を好きな人で、このバンドを知らない人はモグリと言わざるをえません。もしかすると、最近ハマった人は、案外知らないかもしれませんね。知って損はないので、ぜひググってみてください。

あらためて聴きましたが、何年経っても維那さんの声・シャウトは艶があって、魅力的で、かっこいいですね。
当時、このバンドの楽曲を表現するのに、『オリエンタル』との言葉をよく目にしていました。なんとなく異国情緒を感じる部分も無きにしもあらずですが、とにもかくにも、私の中では、これが純日本産どセンターのヴィジュアル系バンドです。
古き良きヴィジュアル系の最高形です。
褒めすぎでしょうか? でもそれくらい、私はこのバンドにハマりました。

前回同様、ぜひともデモテープをCD化してほしいランキングがあるとしたら、前身バンド[Lustair]を含むこの[Lamiel]と、[babysitter]と、え~とえ~と[LU+CA]というバンドのデモテープを希望します。1曲2曲しかないバンドならほかにもたくさんありますが、音源の完成度と曲数からして、とりあえずこの3バンドが思い浮かびます(念願だった[ROSE SMELL MODE]は先日叶いました。[ゾウディアック]にはぜひとも再販を)。

音源は全部好きですが、「一番は?」と聞かれると、私は『心葬』を選びます。維那さんの声が一番長く聴けますから(笑)。
こんなことを言うと、『おまえはアーティスト側の意向を何もわかってない!』と叱られそうですが、当時見た雑誌(確か『FOOL'S MATE』)のインタビュー記事で、シングルカットされる候補曲が別にもあり、一人のメンバー(秀朗さんだったと思います)がそれを推したという記事があって、ふと二十年以上経ったいま思うのは、その候補曲は記事での話の流れから『残月』だったと思うのですが、その『残月』がシングルとなり、もし『心葬』の一曲目が『Naked Eye』だったら、(イントロは別にして)選曲そのものは同じであれその『心葬』に対し、今の『心葬』とはまた違う印象を抱いていたのではないか、などと思ってしまいました(余計なお世話で申し訳ありません。一曲目から知らない曲でたたみかけてくる音源が好きなもので(苦笑))。
とはいえ、今の『心葬』の実質一曲目にあたる『I Sick Face』も良曲ですし、なによりそのタイトルにびっくりさせられましたけど(笑)。

また、最初は楽曲の雰囲気の違い(ヒリつく空気感)に戸惑いましたが、聴くほど好きになっていったのは、最後の『是空』です。タイトル曲『是空』の『消えてしまいそうな火を 一息で吹き消すことは出来るけれど この先に光は 無いと知れ』の曲中の語りには、きっとみんな聴き惚れたはずです。
私的には、これから(第三期の幕が開いた)というときに、解散になってしまったことが残念でなりません。

このバンドが好きすぎて、販売店の購入特典までも集めようとした思い出があります。『心葬』が発売されたとき、東京の新星堂目黒店で購入するとコメントテープが付くと聞き知り、当時、博多駅のバスセンター内にあった新星堂に取り寄せてくれるよう頼んだことがありました。優しくも福岡の新星堂さんは商品を取り寄せてくれて、コメントテープを聴くことができました。確か、後輩バンド[Poisonus Doll]のデモテープの発売告知をされていましたね(もう完売でしたけど(笑))。

また、『是空』ですが、発売日まで新メンバーである依織さんの部分だけ集合アーティスト写真にモザイクがかかっていましたね。なんとも面白い試みです。
ちなみに、[MIRAGE]第二期ボーカリストのAKIRAさんも、正式発表までアー写ではベールのようなものをかぶってられた記憶があります。いい意味で期待感を抱かせますよね。

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