[E'm~grief~]――『私が愛したヴィジュアル系』
〈1075文字〉
「このバンド知ってます?」――こう逆に問いたいくらい、私は長年知らなかったのですよ。
なにせヴィジュアル系好きの友人が一人もいないもので(苦笑)。
今回は、そんな奇跡の出逢いを果たした[E'm~grief~](読み:アイム)を紹介します。
2009.03.18 『Daze』※[Phantasmagoria]tribute『幻想曲』収録
2010.12.22 『grief』※オリジナル曲全曲を入れたベストアルバム
これまでのV系好き人生で、こんなことはあったことがありません。
全然知らないバンドで、聴いてすぐ、どハマりするなんてことは。
それがシングルとかじゃない、フルアルバムなのですからね(ベストアルバムと銘打っていますが、内容はフルアルバム的全曲集です)。
普通はだんだん好きになっていき、ある瞬間疑いが晴れ、
「うわ、かっけ!」となるものです。
前評判がよかったり、実力派とうたわれているバンドの音源も、大抵の場合、最初はそうでしょう。
だって、もとは知らない曲、いな、音楽なのですから。
でも、彼らの音楽は、一通り聴いて、一発で間違いないと確信しました。
ちょっとだけ、出逢いを振り返りましょう。
知り合えたのは本当に偶然、今はなき旧福岡ビルの三階にあったTSUTAYA書店の中古CDコーナーに、この[E'm~grief~]のベストアルバム『grief』が、ここでは言えないくらいの安さで売られていたのです。
確かに安かったのですが、私は買いませんでした。
『ふ~ん、アンダーコードだな。こんなバンドがいたんだな』と目に留めておいたくらいです。
※当時、私はKISAKIさんのバンドのほか、前身バンドを知るメンバーが在籍するいくつかのバンドの音源は所持していましたが、そのほかのUNDER CODEレーベルのバンドには明るくありませんでした。
帰ってから、そのことを思い出し、バンド名をネット検索にかけました。
「ふ~ん、KISAKIさんがサポートを務めてたんだ。今度あったら買ってみよう」
で、買って、即座に胸を撃ち抜かれたのです。
曲を聴くごとに、ターミネーターがライフルで撃たれるように下がっていきましたよ(笑)。
もう気に入る新バンドを探すのなんてあきらめていたところに、また悩ましい存在が現れてしまったのでした。
まだ世の中には、そんな埋もれたV系バンドがいるのかな?
せめて、私自身もそんな小説家志望であると思いたい。
そんな[E'm~grief~]のおすすめの曲は――私が膝をつくほどに撃ち抜かれた曲は――、『In paradism~淡い色彩~』です。
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